『ザ・シークレット』で引き寄せの法則なんて……と思った人こそ『実践 引き寄せの法則』を読んで!

「引き寄せの法則」という言葉は随分広まっている気がしますが、「本当なの、これ? 欲しいもの、手に入らないんだけど」と感じている人も多いのではないでしょうか。

それは、「引き寄せの法則」を、物質的なものを手に入れる俗っぽい手段として「使いこなさなくてはいけない」と思っているからです。私も昔はそうでした……。

でも、ヒックス夫妻(エイブラハム)が言う「引き寄せの法則」は、実は、生きる哲学であり、心理学です。

今日は、ようやく「引き寄せの法則」のエッセンスを理解した私が、今までに読んだ「引き寄せの法則」関連(や周辺)の本の感想を一挙公開し、「引き寄せの法則」が真に伝えようとしていることを書いてみたいと思います。

「引き寄せの法則」に興味はあるけれど、使いこなせている実感はないという方の参考になれば幸いです!

Contents

引き寄せの法則の前に出会ったのは浅見帆帆子さんの本

私は、小説も実用書も、結構色々本を読みます。

気になった本には手を伸ばしてきたので、自然と「引き寄せの法則」とも出会っていました。

引き寄せの法則というのがブームのようにはやったのは、多分『ザ・シークレット』が発売された2007年。つまり、今から10年ほど前ですね。

「ザ・シークレット」は電車の中吊り広告も出していたし(確か)、普段本を手に取らないような人にも広まったんじゃないかなと思います。

 

でも、「引き寄せの法則」という言葉がここまでメジャーになる前から、「心の世界」の重要性について気づいている人はたくさんいて、私が「引き寄せの法則」に似た考え方と一番最初に出会ったのは、浅見帆帆子さんの『あなたは絶対! 運がいい』だったと思います。

帆帆子さんは、「引き寄せの法則」という言葉は全然使っていませんが、

「何か問題があったとき、それに対する直接的な解決策がなくても、自分が気分よく過ごしていたら、勝手にその問題は解決してしまうものです」

みたいなことを繰り返し書かれていました。

帆帆子さんの文章の書き方もイラストも癒し系で、読んでいると自分の気持ちが心地よくなったので、この本は本当、気分が落ち込むたびに読みましたね。

 

特に、私は今から7年くらい前に「月経随伴性気胸」と診断される病気になりました。

「月経随伴性気胸」というのは、子宮内膜症の一種で、肺や横隔膜に着いた子宮内膜が悪さをして、月経の度に、肺に穴が開いたような状態になるという病気です。

基本片側の肺だけなので、命にかかわるような深刻な病気ではなかったものの、「手術をしても治るか分からない」「手術をして、排卵を止める薬を閉経まで飲み続けないといけないかもしれない」と言われ、どよんと重たい気分になっていました。

そんな、現代の医学では治せないかもしれない、一生つきあっていくしかないかもしれない、自分ではどうしたらいいのか全然分からない病気になったとき、
「もうこれは、自然治癒力を信じることと、心の持ち方を変えるだけで治すしかない!」
と思いました。

で、病院の待ち時間などには、帆帆子さんの本と、アンドリュー・ワイルの『癒す心、治す力』をひたすら読んでいましたね。

それが私の「心の時代(?)」の第一期でした(笑)

でも、ワイル博士の本は、「博士」が書いたものだけあって、「ちゃんとした本」なので、人にも薦めたりしましたが、帆帆子さんの本に救われたということは、今まで、誰にも言ったことはないですね(と、今、気づいた)。

それはきっと、自分自身のなかに
「スピリチュアルに頼っているなんて、心が弱い人みたいで恥ずかしい」
という想いがあったからだと思います。

実際、当時、私は本当に、心が弱っていましたしね(笑)

ちなみに、私の気胸は「月経随伴性」だったかもよく分からず(男の人も、気胸にはなるし、気胸の原因はいろいろあるみたい)、手術をすることも、排卵を止める薬を飲むこともなく、気づいたら治りました。
帆帆子さんとアンドリュー・ワイルの本と、そして自分の持っている自然治癒力に感謝!

 

『ザ・シークレット』は、エンターテイメントとして面白い

で、まぁ、『ザ・シークレット』とは、その前に出会っていたわけですが、考えてみたら、自分が本当にきつかったときに頼ったのは、帆帆子さんの本と、小池龍之介さんやスマナサーラさん(2人ともお坊さん)の瞑想系の本でした。

(当時、本当、仕事でストレスを感じる日々だったので、心を穏やかに保つ方法として、瞑想して自分の心を「無」にする、ということに興味がありました)

『ザ・シークレット』は、それで「引き寄せの法則」という言葉がメジャーになったほど、「望みを叶える・引き寄せる」ということをメインに書かれた本です。

この本を読むと、ちょっと気分が高揚して、自分の夢なんて簡単に叶うんじゃないかという気分になります。

その夢のある感じと、本の全ページに模様が入っているような凝った装丁とが好きで、シリーズの『ザ・パワー』や『ザ・マジック』なども買いました。そう、『ザ・シークレット』はDVDも持っています。

で、落ち込んだり、自分はこれでいいんだろうかと思ったときは、そういう本を読んだり、DVDを見たりして、自分を鼓舞していましたね。

でも、本当に小さなことは「引き寄せ」られるのだけれど、結局、「文学賞を獲ってデビュー」という一番大きな夢は叶えられないままで、ま、そんなものだよね、と。

つまり、ちょっと気持ちが沈んだときに、明るい映画を見て元気をもらうという程度の感覚で、私は「ザ・シークレット」や引き寄せの法則とつきあっていました。

ロンダ・バーンさんの本の使い方としてのお薦めは、『ザ・シークレット』で全体像をつかみ、そのあと『ザ・マジック』で日々の「感謝」のトレーニングをすることだと思います。

あとにも書きますが、結局、引き寄せの法則の神髄は心の状態を良い状態に保つことだからで、引き寄せられるか引き寄せられないかは、その「心(思考のコントロール)の訓練」にかかっているからです。

 

引き寄せの法則は、ギラギラした思いで、物を引き寄せるのが目的じゃない

他に読んで、なるほど、と思った本には、奥平亜美衣さんの『「引き寄せ」の教科書』があります。奥平さんも、「願望を明確にすることより、大事なのは、自分の抵抗を無くすこと(つまり、良い気分でいること)」と繰り返し書かれています。

そのあと、奥平さんが薦めている『サラとソロモン』も読み、大事なのは願望を明確にするよりも、「いい気分でいること」なのか? というところに行き着きました。

ま、ここで、一番最初に帆帆子さんの本で知ったことに戻った感じですね。

結局『ザ・シークレット』で変に「望みを叶えるぞ」とギラギラした思考になってしまったけれど、人生を豊かにすることに大切なことは、物質的なものを得ることじゃなくて、「いい気分でいる」という心の状態なんですよね。

「いい気分」でいれば、今も快適だし、さらに望みも叶う可能性が増す。

そして、「いい気分」でいるというのは、内側の世界(心の中)の話で、外的な要因は実はさほど重要でないのです。

快適な家に住み、お金が十分にあり、幸せな家族がいて、楽しい仕事がある方が、「いい気分」でいやすいかもしれませんが、そういう快適な環境が「いい気分」でいるために絶対必要なことではない、という気づきがまず大切です。

多分、禅僧が座禅をして心の鍛錬をしている目的は、その境地に行き着くことなんじゃないかと思います。

そしてそこまでの境地にはなれなくても、外的なものに自分の内的な幸せをコントロールされない自分の軸を持つことは、どんな人にとっても、「幸せ」になる最短距離です。と、今の私は、心から思いますね。

そうしっかりと腑に落ちたのは、やっぱり『引き寄せの法則』の原点と言われるエスター・ヒックスとジェリー・ヒックス夫妻の書いた『引き寄せの法則』『実践 引き寄せの法則』『引き寄せの法則の本質』を読んだときでした。

『実践 引き寄せの法則』は、本の7割くらいが事例なのですが、目次を見て、「私に関係ありそうな事例はないな」とずっと読まずにいたのですが、それが大間違い!!! 他の本を読む前に、まずは読むべき本でした!

 

「引き寄せの法則」の原点に触れたら、人生哲学だった

エスター・ヒックスが「エイブラハム」という高次の意識から得た言葉をまとめたのがヒックス夫妻の『引き寄せの法則』シリーズです。

高次の意識ってなんだ?と思う人も多いとは思いますが、ま、それが受け入れられなくても、中身は普通の本なので、「エイブラハム」という偉い人の言葉を書いた本と思ってもいいかと。
(聖書もイエスが書いたものじゃなくて、イエスの言葉や行いを誰かが書いたものなわけで、そんなイメージでとらえてもいい……かも。ま、イエスは高次の意識じゃなくて、実在した人物だということになっているので、ふさわしい例じゃないかもしれませんが)

ヒックス夫妻の『引き寄せの法則』は『ザ・シークレット』のネタ本としても有名なので、私も結構早く読みました。でも、Kindleで読んだせいなのか、訳のせいなのか、なんかそこまでぴんと来なかったんですよね。

でも、『引き寄せの法則の本質』『実践 引き寄せの法則』まで読んでいったとき、「おぉ、分かった!」と思いました。(あくまで、私は)

「引き寄せの法則」の本質は、「欲しいものをイメージして、引き寄せて、手に入れてやるぞ!」なんて俗っぽいものじゃなくて、座禅を組んで、自らの心と厳かに対峙するのと似た、「思考」の訓練法なのだ!と。

ヒックス夫妻(正確にはエイブラハム)の言う「引き寄せの法則」も、『ザ・シークレット』などと同じく、願望を実現するためにはステップが必要、とあるのですが、

『ザ・シークレット』が言うステップは

  • お願いする
  • 信じる
  • 受け取る

の3つ。

そして、『ザ・シークレット』のなかには、「信じる」「受け取る」の重要性も書かれてはいるのだけれど、「具体的にイメージする」という「お願いする」の部分がとても強調されていて、「信じる」「受け取る」は、脇に追いやられている感じがしました。

それに対して、エイブラハムの『引き寄せの法則』が言うステップは2つ(法則は3つと書かれているけれど、人間がするべきこととしては2つ)。

  • 願望のロケットを放つ(意図的な創造)
  • 許容・可能にする

「願望のロケットを放つ」というのが『ザ・シークレット』が言う「お願いする」の部分なのだけれど、『引き寄せの法則』では、「願望」は、見たくない現実を見て、「本当は〇〇だったらいいのに」と思うだけで、勝手にロケットが打ち上げられて、それが創造される、というスタンス。

つまり、願いは具体的に描けば、具体的に叶うかもしれないけれど、ぼんやりと描くだけでも、ある程度はきちんと創造される、と。
だから、「しっかりイメージングできないから叶わない!」なんて思う必要はなくて、「意図的な創造」の部分は、実はそんな難しいことじゃないのだ、と『引き寄せの法則』の本は言っているのです。

それよりも重要なのは、「(願うことで創造したものを受け取ることを)許容・可能にする」ことだ、と。

そして、「許容・可能にする」のはどうしたらいいか、というと、生命の流れに抵抗せず、良い感じに自らのことを流れに任せ、良い気持ちを保って、日々を過ごせばいい、のです。

(そうすることで、「波動」が望むものと一致し、受け取れるようになる、とエイブラハムは言っています)

『引き寄せの法則』の本で面白いなと思ったのは、
「願望のロケットを打ち上げ、創造したものは、すべて下流にある。上流には何も望んでいるものはない」
という考え方です。

つまり、その流れに身を任せればいいのに、みんな、流れに逆らう思考や行動ばかりしているから、「努力している割に報われない」と思ったり、「頑張りすぎて、体や心を壊す」ということになってしまうのだ、と。

流れに逆らってオールを漕いでも、少しずつは進むし、頑張っているうちにオールを漕ぐのが上手くなり、以前より進めるようになったりもします。それで、「結果」を手に入れているように見える人もいるけれど、流れに身を任した方が、もっと望む結果が手に入るだろう、と、『引き寄せの法則』の本は言っています。

これは、自分の42年間の人生を振り返っても、今まで会ってきた色々な人のことを考えても、「そうだよなぁ」と本当、心から納得しますね。

 

生命の川に抵抗しないというのは、どういうことか?

上にも書いたように、私は環境によっては、肺に穴を開けるくらいストレスを感じてしまうタイプです。

それは、良く表現すれば、「頑張り屋」であり「責任感が強い」からであり、悪く言うと「頑固者」だからです(^^;)

  • 任されたことは完璧にやるべき
  • 仕事中は全力を尽くすべき
  • すべてにおいて効率を重視すべき
  • 〇〇は△△の方法ですべき
  • □□は××のようにすべき

……などなど、自分のなかに「べき」がたくさんあって、それを自分にも厳しく課し、人にも守るように言えるときは言い、言えないときは心の中で「あ“~」ってストレスを溜めこむ、みたいな性格なのです。

……と、思っていました。私は「そういう性格なのだ」と。

でも、ふと思ったんですよね。別にこれは変えられない性格じゃないな、と。ただ、今までそういう「思考」をする癖が自分に強くついていたってだけだな、と。

「強くついた」癖なので、今でも、要領が悪い人に対してイラッと来ることもあります。
(小さいことだけど、自動改札の前で立ち止まって財布を探す人とかダメ……)

でも、「~すべき」「~じゃないと」という思考が多ければ多いほど、心が休まらなくなる、ということは自分にも分かっていて、それはつまり、「抵抗」なんだな、と、最近、やっとわかりました。

心理学でも、
「過去と人は変えられない。変えられるのは未来と自分」
と言いますが、ヒックス夫妻(エイブラハム)の『実践編 引き寄せの法則』でも、「人は変えられない」ということは繰り返し出てきます。

『引き寄せの法則』は心理学ではないので、もっと大きな視点(スピリチュアルな視点)から、
「様々な人がいるという多様性こそ、この宇宙の拡大に役立つことであり、私たちの望みだったはずだ」
みたいなところに話がつながるのですが、それを信じるか信じないかはおいておいて、「人を変えられない」は真実なわけです。そして、人を変えようと思うと、ストレスを感じる、というのも。

そう、つまり、「ストレスを感じる」というのが、「流れに抵抗している」と同義だと思うと分かりやすいのかもしれません。

流れに乗って、生命の川を下っているときには、「ほっとする気持ち」「安心感」「なんかやってみたい、楽しそうと思う気持ち」がベースです。

行動するときにも、それが「抵抗」のエネルギーでしているものでないか考えることが重要ですが、ヒックス夫妻(エイブラハム)は、もっと突っ込んだことも言っています。

それは、
「行動には大した力はない。大切なのは、思考であり、波動だ」と。

だから、行動する前に、まずは自分の思考と向き合おう、と。

その思考が流れに乗ったものなら、人は「ほっとした気持ち」「楽しい気持ち」になり、流れに抵抗するものなら、「怒り」「悲しみ」「無力感」などを引き起こすはずなので、今考えていることが、流れに乗っているものなのか、抵抗しているものなのかは、すぐに分かるとエイブラハムは言います。

そして、今よりちょっとでも気持ちが楽になる思考に、頭を切り替えていくことが大切、と。

そうやって、少しでも心を楽にすると、最初よりも良い行動が思いつくから、行動するなら、それを選びなさい、と。

つまりそれって、引き寄せの法則の神髄は、「心(思考のコントロール)の訓練」であり、外的なものに自分の内的な幸せをコントロールされない「自分の軸」を持つ大切さだということなのです。

望むものをすぐに「引き寄せたい」と思っている人には、ちょっと肩透かしな内容だったかもしれません。

でも、自分の軸を持ち、外的なものに自分の幸せを奪われないという確信が持てたとき、その幸福度は、年収1億円になることより、ハワイに別荘を持つことより、本屋大賞を獲ることより(そんな望みを持っている人が私のほかにどれくらいいるんだろう?(笑))、ずっとずっと高いということに気づけたとき、人生は大きく変わるはずです。

 

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そんな大きな気づきをくれたエイブラハムと、ヒックス夫妻に感謝と敬意の念を持って、私はこの本を薦めます。

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執筆者:遊部 香(あそべ かおり)

文章を書いたり、写真を撮ったりしています。

現在は、『凪~遊部香official site~』で主に活動中。

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