誰に認められなくてもいい。誰も正解なんて知らないから。

久しぶりの更新になってしまったけれど、今年に入ってからは、とにかく自分の「表現」に徹底的にこだわっている。

自分は経営者でも、指導者でもなく、表現者であり、芸術家だな、と痛感する日々。

 

しばらく「外」のことに目を向けず、徹底的に自分の内側を大事にしていると、自分に本来の力が戻ってくる感じがする。

そうすると、「誰に評価されなくたって、私は私の表現が好きだし、自分が100点満点をつけられる作品をとにかく作ればいい」と腹が決まる。

文章を書くことを純粋に好きだったころの気持ちに戻れてくる。

 

で、気づく。

あ~、「人のことは気にしない」と言いながら、私はまだまだ人からの評価を気にしていたんだなぁ、と。

 

いっとき、小説を書くのが義務のようになってしまっていた頃があったのだけれど、そのときって、「あ、ここは誰かに突っ込まれるかもしれない(だから、説明を追加しよう)」とか「あ、このあたりは退屈だと思われるかもしれない(だから、表現にこだわりたいところだけれど、ストーリーを先に進めよう)」とか、人の目とか評価を気にしていた。

書いているときは誰もいないのに、勝手に自分のそばにすごく厳しい「批評家」を置いていた。

 

でも、そういうのは、やめた。

というか、段々内側に力が戻ってくると、「人にどう思われてもよくない?」「万人受けを狙ったら、むしろ誰にも愛されない作品になっちゃうって」と、細かいことは放っておけるようになった。

 

最近、時間ができたとき、軽く絵も描き始めた。

パステル画。数年前、インタビューもさせてもらった由美さんの半日講座に出て以来、久しぶりにスケッチブックと画材を引き出しから引っ張り出して来てみた。

特にテーマは決めず、使いたい色を勝手にスケッチブックに塗り、手が動くまま、色を載せたり、色を削ったりする……それだけの作業。でも、癒される。心が疲れている人には、パステル画、お薦め! 軽い瞑想状態にもなれる気がする。

準備+15センチ四方くらいの1枚描く+片づけ で、30分くらいで完了する身軽さがいい。絵の具や筆を使うと片づけが面倒だけれど、パステルはカッターなどで削る→コットンでトントン叩く→コットンを捨てる で済むし。

YouTubeに簡単なパステル画の書き方動画はたくさんアップされているから、最初は数本そういうのを見て、基本動作を学ぶのもお薦め。100円ショップでもパステルは売っているらしい。

 

絵は昔から「あ~、描きたい」とときどき思っては、どこかに習いに行き、挫折する……ということを繰り返していたのだけれど、それも、「あ」と気づいた。

挫折するのは、習いに行ったからだ、と(笑)

そして、小説を書き続けてこられたのは、小説の書き方は誰にも習ってこなかったからだ! とも。

(大人になってから、人の批評を受けたことはあるけれど、小説の書き方を一から教わった覚えはない)

 

指導者がいると、その人の評価を得ようと、ついそこに寄せていってしまう。

思い出してみると、絵を習っていた頃は、頻繁に先生に

「これでいいですか?」「これであっていますか?」とか聞いていた気がする。

 

でも、表現に、良いも悪いも、正しいも正しくないもない。

 

本当は表現とか芸術に限らず、生き方とか、働き方とか、子育ての方法とか、そんなのにも、答えなんてない。

 

そう、答えなんてないんだよね。

 

人が答えを知らないように、自分も多分一生「答え」になんて行き着かない。

「今」「ふさわしい」と思える解があるだけで、それは唯一絶対の「答え」なんかじゃない。

 

その考え方は不確かなようだけれど、でも実は、その不確かさを受け入れられたとき、人生は軽やかで、楽しいものになる。なんて、最近は思う。

 

自分の小説は、自分でようやく90点台をあげられるレベルになってきた。今まではずっと80点台だったけど。

生きているうちに100点をあげられるものができるかな。

今は、人からの評価じゃなくて、自分で胸を張って「この作品は100点!」と言える作品を作りたい。

そんな挑戦にわくわくしている。

30年くらい小説を書いてきて、飽きないのは、きっといまだに100点満点を出せていないからだ。

 

そして、人生が面白いのは、多分一生みんな、100点満点の答えに行き着けないからだろう。

そんな不確かさ、不安定さを楽しんでいきたいと最近は思っている。

 

絵は小説以上に、誰に評価されなくてもいいので、下手なものでも堂々とアップする!(笑)

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執筆者:遊部 香(あそべ かおり)

文章を書いたり、写真を撮ったりしています。

現在は、『凪~遊部香official site~』で主に活動中。

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