他人のゴールを勝手に決めるな!

視聴率もいいそうで、あまりドラマを見ない私も『陸王』は楽しみに見ている。

今週は第6回の放送だったのだけれど、タイトルにある

「他人のゴールを勝手に決めるな!」

は、第5回放送で、こはぜ屋社長・宮沢(役所広司)が、息子・大地(山﨑賢人)に言う台詞。

 

なんか、この言葉、心に残った。

 

なぜ宮沢がこの台詞を言ったのかというと、大地が、過去に会社を倒産させた飯山や、足の怪我でスターの位置から転がり落ちてしまった茂木のことを、憐れんだ言葉を口にしたから。

 

大地も、悪気があったわけではなく、

「なんであんなに頑張っている2人が、そんなつらい目に遭ったりするんだ」

という想いで言ったのだけれど、

 

宮沢は、さらに広い視点で二人のことを見ていて、

「まだ2人とも、ここで終わったわけじゃない。これからがある」

という意味で、この言葉を伝えた。

いいシーンだった。

 

でも、この言葉が心に残ったのにはもう一つ理由があって、『陸王』の台詞が意図していたのとは違うと思うのだけど、

結構私たちって、人のことを勝手に判断していることが多いな、

って感じるから。

 

人に何かアドバイスしようとするとき、往々にして、人は、ずれたことを相手に言ってしまうように思う。

 

それは、他人には、人の「ゴール」が分からないから。

 

そして、相談する人も、迷っているといういうことは、自分で自分の本当の「ゴール」に気づけていないから。

 

 

たとえば、本当は一人でコツコツ何かを研究して、論文とかまとめたり、新しいことを発見したりすることが好きなのだけれど、今現在は、家庭教師の仕事で生計を立てている人がいた場合。

 

その人が、自分の心の声を無視して生きていたらきっと、人に相談する内容って、

「家庭教師の仕事だけで食べていきたいんだけど、自分で営業して、直接生徒を獲得する方法ってないかなぁ」

みたいなことになる。

 

で、そう訊かれた側は、

「教育関係の交流会に行くといいんじゃない?」

とか

「今はSEOを考えてブログを書くといいらしいよ」

とか、なにか知っている情報を提供しようと頑張る。

 

でも、このアドバイスって、本当に相手のためになっているのかと考えちゃうと、「なってる?!」って疑問が出てくる。

 

最近思うのは、「頑張っているのに、どうしても成果が出ない」っていう場合、努力の方向が間違っていることが多いんじゃないかな、ってこと。

 

あとは、方向はあっているんだけれど、自信がない、つまり自己肯定感が低いために結果がついてこない。

 

結果が出ない理由って、結局この2つだけなんじゃないかと最近思い始めた。

 

 

前にブログでも紹介した『きっと、うまくいく』という映画でも、3人のうち1人だトップの成績で、あとの2人は落ちこぼれなんだけれど、優秀な成績を獲っている1人があとの2人に言ったのは、

「お前は、いくじがないからダメなんだ。神頼みをやめれば結果が出る。

お前は、本当の情熱がここにはないからダメなんだ」

というような台詞だったけれど、今はなんかこの台詞がものすごく腑に落ちる。

 

と、脱線したのだけれど、結局言いたいのは、

自分が進むべき道を知っているのは自分だよ

ということ。

 

そして、

だから、人のことに余計な口出しをしたり、余計な気をもむより、まずは自分のことをちゃんとやろう!

ということ。

 

もちろん、アドバイスを求められたら、親切心で何か言っちゃうけど……、でも、最近は、表面的なアドバイスは問題をこじらすだけかもしれないな、という恐れは持って、アドバイスしたいなと思っています。

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執筆者:遊部 香(あそべ かおり)

文章を書いたり、写真を撮ったりしています。

現在は、『凪~遊部香official site~』で主に活動中。

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