「素敵な仕事人」定義の見直しと今後のブログの方向性

このブログは2015年の7月に立ち上げ、素敵な仕事人インタビューは実質2016年2月から始めました。

2016年の後半は本当、毎週のように誰かにインタビューしに行っていて、2016年の終わりで23人分のインタビューがあったのかな。なんか、突っ走りました(笑)

 

素敵な仕事人12人目の大谷更生さん大谷更生さんに、「『笑っていいとも!』みたいに、インタビューを受けた人が、次の人を紹介するってどう?」というアイディアをもらい、そこから、

素敵な仕事人=素敵な仕事人から紹介を受けた人

という形に固まっていきました。

 

Contents

2016年夏時点での、素敵な仕事人の定義

その際、「どういう人を紹介してもらいたいのか?」という基準は必要だと思ったので、その頃から、下記の3つの定義は繰り返し伝えるようにしました。

  • その人らしいことをやっている
  • 自分の仕事に誇りを持ち、楽しいと言える
  • 頑張りすぎたり、無理しすぎたりしている“悲壮感”を感じさせない

 

結局ここで言いたかったのは、今になって思うと、

  • 他人の評価軸ではなく、自分の評価軸で生きている人
  • いわゆる「成功」のイメージに踊らされず、自分の心の声を尊重し、道を選択できる人
  • それだけの自己肯定感をしっかり持っている人

だったのかな、と思います。

 

ま、言葉が変わっただけで、最初から今に至るまで、自分の考える「素敵な仕事人」像はぶれていないように思いますね。

 

起業の第2ステージ

おととい、さわとんと話していたとき、こんな話が出ました。

さわとん

まさくん(←「誰?」って感じですが、今度インタビューに登場するので、お楽しみに!(笑))とも話していたんだけど、起業家には2つのステージがあると思うんだよね。

 

最初は、ビジネスを成功させるモデルを作って、それを繰り返していって、利益を出すステージ。

一度利益が出せるようになれば、続けることで、利益は増えていくし、時間をかけたり、コンサルを受けたりすれば、この段階でビジネスをある程度軌道に乗せることは、結構できる。

でも、次第にみんなそこでは物足りなくなってきて、第2ステージに進む。

 

第2ステージは、こうやったら、こうなるという分かりやすいルールがないステージ。

コンサルタントがいう、王道のビジネスの道からは卒業して、自分の心の声に従って、自分らしく進んでいくことになる。

お手本がなく、自分の声が指針だから、自信がないと進めないし、迷うことも多くなる。でも、第1ステージを過ぎて、第2ステージに入った人は、自分への信頼という土台ができているから、いくら悩んでも、もう大丈夫なんだ。

 

おぉ~! って話でした。

 

確かに、起業して長くて、素敵だなぁと思う人は、こういうふうに2段階でステージを生きている!と思いました。

 

(大きくなった社労士事務所の仕事を知り合いに任せて、沖縄とのデュアル生活を始めた下田先生が、まさに!ですが、そこまで分かりやすくなくても、素敵だなと思う人は、「目先の物理的な仕事」からあるとき、ふっと解放されたように、広い世界を見始めているのかも、と。

いちかわメディカル&ハーブ 山本聡子さん自分自身がアトピーに苦しみ、その経験を生かして活動しているハーバルセラピストの山本聡子さんの「もっと自分の魂が喜ぶ仕事をしたいと思い始めた」という言葉も、考えてみると、この段階の変化の時期だったのかもしれません)

 

大事なのは論理より、感覚?

 

そして、さわとんは、

さわとん

なんか起業して7年くらい経った3年前くらいからかな、『あぁ、なんか、もうどうやっても大丈夫だ』って思えてきて、焦りとかなくなったんだよね。

それまでは、毎日ブログ更新しなきゃ、とか、SNSしなきゃ、とか思っていた頃もあったんだけど。

と、本当に、ゆるーい感じに話していました。

 

私は、フリーになって4年半ほどですし、第1ステージをちゃんとやった人間じゃないんですけど。

 

けど、けど。

数字とか論理じゃなくて、感覚でしょ、感覚! 心の声!

とは、思ってます。

 

フリーになる前には、5年ほど、セミナーを企画して、文章の力で売るような仕事をしていましたが、メルマガを出すと、即効で申し込みなども入るし、何がどう結果につながるのか、非常に分かりやすい仕事をさせてもらっていたんですよね。

で、感じたのは、

遊部香

自分が心から「このセミナーいい!」と思って、その想いを思いっきり込めて文章にすれば、ちゃんと申し込みが入る。

ということでした。

 

あまり大きな声では言えませんが、その会社は当時、かなりどんぶり勘定で、経費がいくらかかって、何人くらいが来てくれそうだから、この金額にしよう、みたいなちゃんとした「企画」はしていなくて、「あ、このセミナーなら、〇〇円くらいだよね」「あ、そう思う」みたいな会議をしていました(笑)

 

でも、結果として、意外とそういう、「なんか、そう思う」って、直感で動いたほうが、外すことが少なかった気がします。

 

(ものすごい数のセミナーの企画をしていたので、計算しなくても、過去のデータは頭の中にあったから、それとの比較はできたというのもありますが)

 

まぁ、ちゃんと経営コンサルとか受けないと、会社を作って、大きくするとかは難しいのでしょうけれど、私が思う「素敵な仕事人」は、そんな論理的なコンサルとか、戦略とかを超越して、動いている人かな。

 

そういう人は、「きっちり、かっちり」頭で考えて動いている人から見ると、「何してるの? そんなんでいいの?」と思われるくらい、ふらふらと、安定していないように見えたりもする。

けれど、大きな地震に強い建物は、全然揺れない建物でなくて、適度に揺れて、その衝撃を逃がせる建物だ、というように、リスクに本当に強いのは、そういう、一見根無し草みたいに見える人なのかもしれない。

根無し草に見えて、そういう人ほど、自分とか世界を信頼して、がっしりとつながっている。

 

そういう、会うと、今まで常識だと思っていたことが常識じゃなくなっちゃうような、なんか枠を飛び越えちゃった人に会いたいなぁ、と最近は思います。

 

途中から追加した4つ目の定義を外しました

 

先に書いたように、12人目の大谷さんにアイディアをもらってから、しばらくはインタビューの度に「次の人を紹介してください」とお願いしていました。

 

多くの人は「素敵な人がいるから、紹介する」「しあわせに生き、しあわせに働くヒント、というブログのコンセプトに合うような人がいるから紹介する」と、本当に素敵な人を紹介してくれたのですが、ちょっとだけ、つまづいたことがありました。

 

それは、「あの人、いいものをもっているけれど、営業力がなくて、良さを外に発信しきれていないから、あの人のことを書いてもらえれば、宣伝になっていいんじゃないかしら」という考えで、人を紹介してくれる人もいたということでした。

 

それで、あまり数字的な「成功」に主眼を置いていたわけではないのですが、

  • 独立して3年以上経ち、事業を軌道に乗せている人

という4つ目の定義を作りました。

 

でも、自分の中では、多分、この定義はなんかしっくり来ていませんでした。

小松紗矢香さんなどは、実は起業してからはまだ3年も経っていませんが、働きながら10年近く種まきをしてきていたのもあり、起業するなり、ものすごい勢いで伸び、自己肯定感というか、醸し出すオーラが「起業したて」にはとても思えません(笑)

そういう人がいる一方で、フリーになってからは長いけれど、そのあいだに子育てに専念していた期間もあるし、扶養の範囲で働ければいいと今も思っている、という人もいます。

 

だから、長さでもないし、稼ぎは「扶養の範囲」なのだけれど、活動の幅がむちゃくちゃ広くて魅力的、という人もいます。

 

茶谷順子さんまた、イラストレーターの茶谷さんは、イラストレーターの仕事だけで食べているわけではなく、派遣の仕事をしながら、副業としてイラストを描いていますが、本人が「イラストだけでは食べられないから」と消極的に選んだ働き方ではなく、「これが私の理想」と思ってライフスタイルを選んでいるところに魅力を感じました。

 

あと先日、さわとんには、

さわとん
東京で飲食店をやっていたのだけれど、今は田舎に引っ越して、家賃2万円のところに住んで、果実もぎのアルバイトをしながら、『年収100万円でもしあわせに生きていけるわよ』と言っている人がいる。

という話も聞き、こういう話を聞くと、「いやぁ、むっちゃ、会いたい!」と思ってしまうわけです(距離がある場所なので、いつ実現するかは分かりませんが、近いうちに!)

 

だから、この「独立して3年以上経ち、事業を軌道に乗せている人」という定義は、無駄に間違った制約を作る気がしたり、昔インタビューさせてもらった人には当てはまらない定義だったり……、なのです。

で、こうすることにしました。

  • 「独立して3年以上経ち、事業を軌道に乗せている人」という定義を外す
  • インタビューした人に「人を紹介してください」と言わない
  • 基本的に「素敵な仕事人インタビュー」は、遊部香が独断と偏見で、「この人の話を聴きたい!」と心から思う人にピンポイントで声をかけて実現させる

私は基本、用事がなければ家に引きこもり、人が大勢いるところは苦手だからいかない、という人間なので、紹介がないと、広がらないぞ!という危機感は感じなくもないですが、この1年半、たくさんの人にインタビューしたので、しばらくは、月1~3カ月に1人くらいの緩いペースでやっていこうかな、と思っています。

今までの素敵な仕事人のなかには当てはまらない人もいますが、これからは、こんな人に会っていこうと思っています。

  • 会うと、今まで常識だと思っていたことが常識じゃなくなっちゃうような、なんか枠を飛び越えちゃった人
  • だからといって、それ以外の生き方をしている人も認める器の大きさを持っている人

 

実は、素敵な仕事人は起業家に限りません

そう、あと最後に書きたいのですけれど、「素敵な仕事人」=起業している人、と私の周りのほとんどの人が思っているのですが(素敵な仕事人を10人以上紹介してくれた さわとんも!)、自分の仕事が天職!と思っている会社員などがいたら、そういう人も、私の中では「素敵な仕事人」です。

 

このブログのインタビュー記事のアクセス1位は歯科衛生士の山本典子さんなのですが、典子さんは、歯科にお勤めの方です。

でも以前からの知り合いで、

典子さん

歯科衛生士という仕事を、もっと多くの人に知ってもらいたい。

と声をかけてくれました。

 

典子さんも、起業家限定だと思っていたみたいで、「起業している歯科衛生士の先輩を紹介したいのだけど」と最初は言われましたが……。

でも、起業家はこういうインタビューを受ければ、なにかちょっと仕事に有利に働くかも、みたいに考えると思いますけれど、勤めている立場だとそういうことはあまりないですよね。

それなのに、「歯科衛生士という仕事をもっと知ってもらいたい」と、休みの日を使ってインタビューに答えてくれるなんて、私にとっては、典子さんはすごい「素敵な仕事人」なのです。

 

「会うと、今まで常識だと思っていたことが常識じゃなくなっちゃうような、なんか枠を飛び越えちゃった人」があまり組織の中にいるとは思えませんが(笑)、でも、「本当にやりたいことをやるためには会社内ではできない」という私の今の「常識」を打ち破ってくれるような会社員がいたら、そんな人にも、会いたいですね~。

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執筆者:遊部 香(あそべ かおり)

文章を書いたり、写真を撮ったりしています。

現在は、『凪~遊部香official site~』で主に活動中。

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