街を作るのは建物ではなく、人の交流:なかなか小町オーナー 横川貞夫さん

今日は素敵な仕事人として、横川貞夫さんをご紹介します。

横川さんは、私も住む妙典(千葉県市川市。東京メトロ東西線)に広い土地を所有されている方なのですが、その土地を活用して収益をあげるだけでなく、「街づくり」を意識して仕事をされています。

その活動は、市川市からも評価され、2007年と2015年に市川市景観賞をもらったほど。

建物を建てるだけでは、街にはならない。街になるためには、挨拶から始まる人との交流が必要。

という信念をお持ちの横川さんの活動は、ぶれず、一貫していて、格好いいものでした。

私を含め、「活用できるような土地なんてないよ……」という人が読者の大部分かとは思いますが、土地を持っていない人間であっても、横川さんから学べることはたくさんあるはずです。

是非、インタビュー、お読みいただけたら。

お父様の介護のため、46歳の時に退職

横川さんは、今は、2つのデザイナーズ賃貸アパートと、1LDKアパート3棟、戸建て賃貸住宅、3つの飲食店、ギャラリーを所有するオーナーさんです。

細い路地に面した、地元の人しか見つけられないような場所ではあるものの、駅から徒歩2分ほどと近い場所で、「こんなに良いところに、こんなに広い場所を持っているなんて」と、土地を持っていない人間には、羨ましいとしか思えない方です。

でも、妙典駅は2000年にできた新しい駅なので、それまでは「田んぼと畑と家があるだけの場所だった」そう。

横川さんが若い頃は、まだ広い土地が田んぼや畑のまま残っていて、お父様は忙しいときだけ田んぼ仕事をしながら、個人で運送業を営まれていたそうです。

横川さん自身も、大学を卒業すると、普通に就職しました。

最初は新木場にある原木問屋に勤め、そのあと、不動産情報会社に就職した。26歳の頃、千葉の営業所長になったけれど、忙しくて、夜遅くまで帰れない仕事が嫌で、辞めた。

そのあと、32歳で損害保険会社に入って、46歳まで働いていたけれど、父親が脳梗塞で倒れた。母親だけで介護はきついということで、そこで仕事を辞めた。

という経緯があったそうです。
ただ、そのとき既に妙典駅ができることは決まっていたので、

それなら、区画整理後に土地の活用をしよう。

と決めたとのこと。横川さんは、「運は大事」と言われていましたし、自身に「運」があることを確信されているようでもありましたが、本当に、そうなんでしょうね。

仕事を辞めて、どうしようというときに、持っている土地の価値が上がることが確実になったわけですから。

街づくりがしたい

でも、手っ取り早く家賃収入を得られればいいとだけ考えたら、普通のアパートを建てて、貸すだけでいいはずですが、横川さんの賃貸アパートのメインは、デザイナーズ賃貸になっています。また、一つの賃貸アパートは、一階に広いホールが併設されています。

なかなか小町

そこには横川さんのひとつの想いがありました。

学生時代、ヨーロッパに旅行をして、その街並みに憧れた。

そして、自分もいつか“街”を作りたいと思った。

街を作る。素敵です。

実際にお洒落なアパートの設計をしたのは、損害保険会社時代からの知り合いの設計士の方だそうですが、街づくりをしたいと思ったとき、必要なのは建築の知識や、設計のスキルではないんですよね。

ぎゃらりー三平先にも書いたように、「街になるためには、挨拶から始まる人との交流が必要」と考えている横川さんは、アパートを建てるだけではなく、そこに越してきた人同士が交流できるバーベキューイベントを開催したり、「妙典にはおいしい食べ物屋さんがない」という声を拾って、フレンチの飲食店を誘致したり(「柿の樹」というフレンチレストランは、「妙典にこんなお洒落な場所があるなんて」と、妙典人は誇りに感じている場所です(笑))、人の集まる場としてギャラリーを作ったり(左の写真がぎゃらりー三平の入り口。中に47cafeが併設されています。こちらのランチもお薦め♪)、様々な活動も同時に行っていらっしゃいます。

横川さんは、たまたま土地をお持ちでしたから、土地を利用して、街を作ることに貢献されていらっしゃいますが、土地をもっていなくても、きっと他のことで「街づくり」には貢献できるはずですよね。

街づくりは、行政や建築家の考えることだと思ってしまっていた、自分を反省。

人の前に灯りをともせば、我がまえ明らかなり

妙典も海側は開発され、高いマンションが多く建つ「新しい地区」なのですが、横川さんの土地や私の住んでいるマンションのある側は、古いお寺と古い家が多く残る「昔からの地区」です。

古い地区は住民数が少ないからか、コンビニも少なく、買い物に不便を感じることも多いのですが、でもその分、静かな趣があって、落ち着いた街です。

ただ最近、大きな家の所有者が高齢になってきているからなのでしょう。広い庭のある歴史のありそうな家が次々壊され、建売住宅になっていってしまっているのが、近所の現状です。

横川さんも、その様を、

集合住宅と、どこにでもあるチェーン店だけでは、“住んでみたい街”はできない。

と嘆かれていました。そして、

魅力的な街が、土地やアパートのオーナーを守ってくれる。

とも言われていました。オーナーになったことがない私は考えたこともなかったですが、そうですよね。

たとえばおいしい飲食店が増えれば、その街に住みたいと思う人は増える。

地域のイベントが増えて、楽しい街になれば、それでも、住みたいと思う人は増える。

そうしたら、部屋の空きも減って、家賃を下げる必要もなくなる。

そんなふうに、地域や周りの人のことを考えて行動することが、結局は自分のことを助ける。

“人の前に灯りをともせば、我がまえ明らかなり”なんだけどね、でも、なかなか僕と一緒になって、地域を盛り上げていこうという気概のあるオーナーさんが少ない。

発想は、いかに楽しむか

ぎゃらりー三平ただ、横川さんは、そう言いつつも、決して深刻に悲しんでいるわけではなく、常に「今度は何をしよう」と、自分ができることを考え、実際に行動に移しているように見えました。

3月25日・26日には、手づくり市を開催する。寺のまち回遊展(妙典地域で年1回あるイベント。回遊展は25日のみ)に合わせてね。

そこでは初の試みとして、かきもち炭火焼体験コーナーもやってみようと思っている。

今度、サクラコートホール(デザイナーズ賃貸の1階にあるホール)では、吉野桜が咲く4月2日にバイオリンコンサートを予定している。クラッシックでの花見会。

アパートの人は招待して、そこも地域の人の交流の場にできたらと思う。

貸農園(三平ファーム)も8区画、今、利用者がいるから、夏野菜が取れる頃には収穫祭を開こうかと思っている。

市川景観賞のときにご縁ができた千葉大園芸学部の教授が、ワシントン大学の先生が講義をしに来るから聴きに来ないかと誘ってくれて、行って来た。

アメリカでは、果物がなる木を植えて、実ったら自由に取っていいと言って、街の交流を作っているところがあるらしい。

この周辺にもプランターで色々な種類のブルーベリーを植えて、味比べなんかできたらいいな、と思っている。このあたりを、ブルーベリー横丁とか名付けてみたりして。

今度は、蔵の横のスペースに、キッチンつきの貸しスペースを作ってみようかと思っている。そんなところに、そんなものを作っても、黒字にはならないかもしれないけれど、面白そうだなと思って。

キッチンつきなら、料理教室も開けるし、1週間とか1か月とかお試しでカフェとかレストランを開いてみたいという人に貸すこともできる。

1か月やってみたら、色々課題も見てくるだろうし、“このペースで働くと、家庭にしわ寄せが来るから、ちょっと無理だな”とか、分かってきたりもするはず。そういう実験の場として利用してもらえたらいいなと思う。

と、次々とアイディアが出てきて、止まらないようでした。すごい!!

そして、すごいのは、横川さんが自然体で、無理せず、楽しく動き回って、アイディアを形にしていってしまうところです。

いかに自分が楽しむか。

人との交流をたのしんで、さらに人と知り合って、広がって。

そうするとさらに、楽しい知恵が生まれてくる。

素晴らしいですね。

そして、自然体で楽しんでいるようでいながら、しっかり賃貸マンションの経営にも心を配り、さらに良い土地が売りに出たと聞くと、買って、収益化を図ることもされているようです。

46歳までのビジネス経験が、今の仕事にも十分すぎるほど生きているのだなと感じる方でした。

自身のビジネスの収益化と社会貢献の意識のバランスがいい人になりたい、というのが、最近の私の課題の一つなので、横川さんの姿勢には、本当、色々学ぶところがありました。

4月から2期目の自治会役員として、自治会活性化に貢献したい

横川さんは今年4月から、2回目の自治会役員になられるそうで、今度は自治体として景観賞をもらいたいなど、野望をお持ちのようでした。

マンションにしか住んだことがない私には、自治会活動なるものがいまいちイメージできないのですが、

有事のときに助け合うために、自治会活動は重要。

どの家庭に赤ちゃんがいるのか、高齢者がいるのかなど、把握できているか、いないかで大きく変わってくる。

確かにそうですね。そして、

掲示板には、今は市から配布されるチラシをただ貼るだけだけれど、もっと掲示板も活用すればいいのに、と思う。

自治会員のための掲示板として、自治会員がイベントを企画したら、その情報を張り出せるようにすれば、それだけで、交流が生まれる。

人と楽しい交流ができれば、それは、いい街だから。

とも言われていました。本当に、「家族構成がきちんと分かるご近所さん」を増やすことって大切ですよね。

今は、自治会活動なんて面倒くさいと、自治会員の数は減る一方だそうですが、そのなかでも、自治会活動を意義のある、楽しいものにしようと頑張っている人がいるというのは、すごいことだな、と感じました。

起業して、フリーで働くために大切なことは?

横川さんに、「仕事や生活をするうえで、大切にしていることは何ですか?」と訊いてみると、答えはこうでした。

前向きな気持ち。

知恵を出していくこと。

シビアに現状を分析もしながら、でも、楽観的に考えること。

あとは、いい人と付き合っていくこと。悪い人との関わりは、人生を狂わすから。

ということでした。

短いですが、一つ一つの文章に、意味が詰まっていそうです。

そして、恒例の「組織に属さず、フリーで働くために大切なことは何だと思いますか?」という質問もしてみました。

その答えは……

健康。

人の意見をよく聞く努力をすること。

情報のアンテナを張っておくこと。アンテナを張っていないと、いいヒントを逃してしまうし、いい知恵が出ない。

なるほど。

同じ質問に「人の意見はあまり真に受けず、受け流すこと」という答えをする方も多いですが、面白いですね。要はバランスということなのか、それとも、重ねてきた月日で変わってくるのか。

これからも、会う人に訊いていきたい質問です。

お忙しいなか、こんな若輩者のインタビューに付き合っていただき、ありがとうございました。

私も横川さんを見習って、もっと周りの人を巻き込む行動を起こしていきたいと思います!


★横川さんの「なかなか小町」

・サイト → http://sanpei.y-k-o.com/about.html

・ぎゃらりー三平のfacebookページ(イベント情報はこちらで)
→ https://www.facebook.com/gallerysanpei

ぎゃらりー三平・蔵

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執筆者:遊部 香(あそべ かおり)

オフィス言の葉代表
インタビューライター


千葉県市川市を拠点に「インタビュー記事作成」「WEB文章設計・ライティング」などをしております。

が、このブログは8割がた趣味で運営しています(笑)

自分自身が多くの本やブログ、メルマガから「しあわせに生き、しあわせに働くヒント」をもらったように、自分もその知識と経験、文章力で、誰かの今日と未来を輝かせるためのお手伝いができたら嬉しいなと思っています。

文章を書くのが仕事であり、趣味。純粋な趣味として、花や風景の写真を撮っています。

写真と「しあわせに生き、しあわせに働くヒント」になる文章を合わせた本をいつか出版したいな、と思っています。

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