今日は素敵な仕事人として、株式会社ぷれしゃすらいふ代表でライフコーチの小松紗矢香さんをご紹介します。
紗矢香さんは、会社を辞めて独立してからはまだ2年ほどですが、会社員の頃からドリームプランプレゼンテーション(ドリプラ)に出場したり、多くのセミナーを主催したりして、「デス・エデュケーション(終わりを意識して生きることを学ぶ)」を広める活動をされていました。
今も、「どう生き、どう死ぬか」をしっかりと見つめ、その人らしい人生を生きられる人が増えたらという想いで、女性の起業支援や、コーチングをされています。
紗矢香さんのお話からは、働くことを含めた生き方について、非常に考えさせられました。
インタビュー、是非、お読みいただけたら!
Contents
想像と違った医療ソーシャルワーカーの仕事
紗矢香さんは新潟の大学を卒業後、地元の病院で医療ソーシャルワーカーとして社会人生活をスタートさせます。
その背景には、お母様からのプレッシャーが強くあったそうです。
お母様も病院関係のお仕事をされていて、紗矢香さんが地元の病院で仕事を見つけたときには喜んだそうですし、「20代後半までは、私は本当に“いい子”だったと思う」と、紗矢香さんは言われていました。
しかし、医療ソーシャルワーカーの仕事の現実は、紗矢香さんが思っていたものと大きく違いました。
紗矢香さんは、「病気で不安になる人のサポートをしたい。患者と医療者をつなぐ翻訳者のような立場になって患者さんの不安を少しでも解消したい」という想いを持って、医療ソーシャルワーカーの仕事に就きました。
しかし、紗矢香さんがその頃、実際にしていたのは、主に、望まない延命治療をずっと続けさせられ、そのために転院しないといけなくなった患者さんの転院先を探すことでした。
その仕事は決して、患者さんの心に寄り添うものではありませんでした。
28歳で新潟を飛び出し上京するも……
仕事にやりがいを感じられず、母親からの圧力にも耐えられなくなってきた紗矢香さんは、28歳で半分家出のように上京します。
しかし、すぐには職が見つからず、そこで作ってしまった借金の返済にしばらく苦労することになります。
しかも、その後、専門学校の講師の仕事を得て、1年かけて借金を返済し終わったと思ったら、住んでいた家が火事になるなど、大変な思いをします。
でも、紗矢香さんは、
今は、そんな経験も私の「豊さ」だと思う。
と言われていました。紗矢香さんの言う「豊かさ」とは、「リソース(資源)」のようなもの。
強みや長所だけではなく、短所や過去のつらい経験も、その人の「豊かさ」なのだと、紗矢香さんは話されていました。
短所や苦手なことがあるから、人に頼んで、つながれる。失敗があるから、その経験を人に話して役立ててもらうことができる。
だから、すべては「豊かさ」なのだと。
そういうとらえ方は素敵ですね。
デス・エデュケーションを広めたいという想い
東京での生活が落ち着いてくると、紗矢香さんのなかで大きくなってきたのが、「デス・エデュケーション」への想いでした。
紗矢香さんは、新潟の病院で働いたあと、医療ソーシャルワーカーとして老人ホームでも働いていたそうですが、そのときに感じたことがあったそうです。
近くにいるのに面会にいらっしゃらない家族もいれば、遠方にいるにもかかわらず毎週のように面会にいらっしゃる家族もいた。
はじめ、その差は、家族側の問題だと思っていたけれど、それだけでないと次第に気づいてきた。
むしろ、入所している本人の心の在り方や生き方の方が、影響が大きいのかもしれない、と。
つまり、入所している人が魅力的な人なら、家族は時間を作ってでも会いに来るけれど、普段から会いたくない人なら、わざわざ時間をかけてホームまで来ないということですね。
そして、老人ホームで「死」というものを身近に感じていた紗矢香さんは、次第にこんなふうに思うようになります。
人生の終わりに後悔しない人を増やしたい。
そのために大切なのは、死を忌み嫌うのではなく、死という終わりを意識することで、「どう終わるために、それまでどう生きたいのか」を明確にすることだ。
そうやって、紗矢香さんは「デス・エデュケーション」の大切さを世に広めたいと考え始め、専門学校で働きながらも、活動を開始するのです。
母親との断絶とライフコーチとの出会い
ただ、「デス・エデュケーション」を広めたいと思い始めた頃は、紗矢香さん曰く「想いはあるけれど、それを広めるツールを持っていない」状態だったそう。
そのため、すでに「デス・エデュケーション」に関する講義などをされている方を呼んでセミナーを企画する活動から始めます。
また、冒頭にも書いたように、ドリームプランプレゼンテーションに出場し、「デス・エデュケーション」に対する想いを伝える活動もしていました。
そして、そんななかで、ついに「ツール」を手に入れます。
それが、ライフコーチングでした。
ライフコーチングは、一般的に思われているコーチングとは違い、どう結果を出すかではなく、どう自分とつながり、自分らしく生きるかを大事にするコーチングだそうです。
今でこそ、紗矢香さんは、会うだけで相手を明るく笑顔にさせるような、お日様みたいなあたたかい雰囲気を身にまとった素敵な方なのですが、5年ほど前までは、違ったそう。
母は、よく「長生きしてもいいことないから、早く死にたい」と言うような人だった。
自分のことが大嫌いで、だから子供には、自分とは違う“優秀”な人になってもらいたい、もっといい人生を送ってもらいたいと思っていた。
でもそれが、私にも兄にもプレッシャーだった。
私も兄も“良い人生を送ってもらいたい”という部分より、“長く生きてもいいことない”“自分は大嫌い”という部分の影響を強く受けてしまっていたんだと思う。
だから、35歳くらいまでは、私も自分のことが嫌いだったし、自己否定ばかりしていた。
とても意外な告白でしたが、紗矢香さん自身、ライフコーチングを受けることで、今の素敵な紗矢香さんに生まれ変われたそうです。
だからこそ、ライフコーチングを使って、もっと世の中の人に自分らしい、しあわせな人生を歩んでもらいたいと思っているのですね。
紗矢香さんは、本当に変われるまでには3年かかったと言われていましたが、コーチングを受ける少し前に絶縁状態になったお母様と、「もう一度会ってもいいかな」という思いになれ、絶縁状態は3年で終わったとも話されていました。
「今も母親は強烈な人のままだけどね」
と紗矢香さんは苦笑されていましたが、やはり「他人は変えられない。変えられるのは自分だけ」なんでしょうね。でも、自分が変われば、他人から受ける影響はずっと小さくできるのかもしれません。
起業と自己肯定感の関係
そんなふうに自身の経験から「ライフコーチング」の効果を感じた紗矢香さんは、「ライフコーチング」というツールを持って、今度は自分自身で「デス・エデュケーション」を広める活動を始めます。
紗矢香さんは、
小さな子供がいて、子供に影響を与えやすい40歳~50歳くらいの女性の人生が輝いていることが、社会にとって、とても大切だと思う。
という想いを持っていて、だから今後は、どんな仕事をしているかに関係なく、40~50歳くらいの女性が自分の生き方を見直し、しあわせな人生を送れるようになるような活動をしていきたいと言われていました。
ただ、今はメインのターゲットを「女性起業家」と設定し、「ミッション起業プログラム」というものを開催しています。
元々は「女性」と対象を絞っただけでしたが、紗矢香さん自身がお子さんを2人(上は5歳・下は2歳の女の子)育てながらの起業だったのもあり、受講生には「ママ起業家」や「ママ起業家」を目指す人が多いそうです。
で、「ママ起業」について、紗矢香さんの語られていたことが、とても素敵でした。
最近政府も「女性の起業を応援します」と言ったりしているけれど、実際にそのプログラムを見てみると、本当の起業ではなくて、「プチ起業」を応援しているに過ぎないように感じる。
子供を産む前は、企業の中でばりばり働き、高レベルの仕事をしていた人でも、子供を産んで、仕事を辞めてフリーになったとたん、急に「1時間数千円」みたいな値付けを自分にし始める。
私は「なんでママになっただけで、あなたの仕事の価値がそんなに下がるの?」と言いたい。
だから、私のプログラムはテクニック的なことを教えるというより、まずは起業している人、起業したいという人の自己肯定感を上げるところを大事にしている。
仕事をして、お金をもらうというのは「豊かさ」を循環させるということだと私は思っている。
たとえば私の場合は、ソーシャルワーカーとして10年間様々な経験をしてきた。ライフコーチの勉強もしたし、自身でも3年間コーチングを受けた。今も、自分のメンタルの部分を充実させるために、メンターの講義を月に1回は受けている。
そういう投資もしているし、それによって得たものが自分の中の「豊かさ」になっている。
私にはそんなたくさんの「豊かさ」があると思っているから、その「豊かさ」を惜しみなく提供するプログラムに、数千円なんて値段はつけない。
まず、「自分にはこんなに豊かさがあるのだ」と豊かさを受け取りきること。それから、その豊かさを循環させると決めること、それが大切だと思う。
うわぁ、紗矢香さん、むちゃくちゃ格好いい!と思いました。
紗矢香さんは、独立してからはまだ2年ですし、2歳(3月に3歳らしいですが、うちとほとんど同じ年齢)の子供がいるのに、浦和駅からすぐのところにセッション用のマンションを借りていたり、独立して1年で株式会社にしちゃったり……。
それだけでも「すごい」と思っていましたが、それは、自分自身の「豊かさ」を受け入れ切れているからなんですね。
そして、自分が今までに受けた教育や、してきた経験をすべて「豊かさ」と捉え、仕事はその価値をお客さんに提供することだと考えたら、安い値段をつけるのは、「自分に教育を施してくれた人や、様々な経験をさせてくれた人に失礼だ」とも言えますよね。
その考え方、素敵です。
起業したい(起業している)けれど、なにか自分の中に余計なブロックがあるような気がするという方は、紗矢香さんの起業家プログラム、お薦めです!
(女性限定なので、男性の場合は、さわとんの起業塾にどうぞ♪ 紗矢香さんは、さわとんの親友ですし、非常に似た価値観を感じましたので、女性の方や浦和に近い方は紗矢香さんのところに。男性や千葉がいいという方はさわとんのところに、と心から勧めます!)
すぐに結果が出ることは、すぐに元に戻る可能性も高いから
また、紗矢香さんは、
私がやっているのはコンサルではなく、あくまでコーチング
とも言われていました。
コンサルではないから、私の中には「こうしたらいいんじゃない?」という答えはない。
あくまで相手の中に答えがあると信じて、それを引き出していく。
なるほど。
「これをやりなさい」「この数字を達成しなさい」みたいなことは一切しない。
その分、結果が出るのには時間がかかる。
体育会系の起業塾で、短期間に成果を出していくのが好きで、合う人もいると思う。
そういう人は、そういうところに行けばいいと思う。
私のところに来てくれるのは、そういうところでは成果を出せなかった人や、そういうところは嫌だなと思っている人。
私のやり方だと、結果が出るのに時間はかかるけれど、短期的に無理して出した結果というのは、すぐに元に戻りやすいから、私は「じっくり、長続きする結果を出していく」ことを大切にしている。
この考え方も素敵ですね。
紗矢香さんのサイトには、「マイペースだけど志が高い女性にこそ来ていただきたいプログラムです」と書かれていましたが、男性のように仕事まっしぐらにはなれない、家庭も大事にしたい女性の方には、コツコツ型起業もいいですよね。
紗矢香さんに「起業に向く人ってどんな人だと思いますか?」と訊いたら「向かない人っているのかな?」と考えたあと、「想いがあれば、誰でも起業できると思う」と言われていました。
コツコツ努力するなんて苦手という人でも、想いがあれば、案外、コツコツ努力できちゃうものだから。
とも。なるほど。
起業家に大切なのは、信用
紗矢香さんにも、組織に属さずに働くときに大切なのはなんだと思いますか?と訊いてみました。その答えは……
信用を積み重ねることかな。
会社に所属していたら、会社名が信用になる。でも、フリーになったら、自分自身がいかに信用されるかが大事。
でも信用というのは、すぐにできるものではなくて、積み重ね。
信用の貯金とでもいうかな。それを作っていくことが大事だと思う。
自分が上のステージに行くときには、今まで付き合っていた人との関係を切って、新しいステージで新たに人間関係を築くことが大切とかいう人もいる。
でも、私はそうは思わない。
今でも自分を支えてくれているのは、8年前のドリプラのときに支えてくれた、さわとんだったり、その周りの仲間だったりする。
そういう関係を、私はずっと大事にしていきたい。
たしかに、紗矢香さんの周りには、温かくて素敵な人が集まっているように思います。
紗矢香さんのお話もとっても素敵で、私自身の心に非常に響いてきました。
色々な気づきをありがとうございました♪
★紗矢香さんの「株式会社ぷれしゃすらいふ」のサイト
http://preciouslife-coaching.com/
★想いを形にしたい女性のための「ミッション起業プログラム」
http://preciouslife-coaching.com/program/
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→ 素敵な仕事人の定義と一覧