「LIFE SHIFT」から考える何歳まで、どう働くか?

素敵な仕事人インタビューも26人になりました。

このブログのターゲットはそこまではっきり決めていませんが、きっと自分が一番言葉を伝えたいのは、過去の自分なんじゃないかな、と思っています。

  • 働くことは時間とお金を交換することだと思っていた学生時代の自分
  • 一度正社員を辞めてしまうともういい職業人生は二度と歩めないのだと思っていた20代の頃の自分
  • 人生を大逆転させるには資格を獲らないとと思っていた30歳の頃の自分
  • 成功とは年収2000万円になることだと信じていた社労士開業準備中の自分

そんな、過去の自分や、過去の自分と似たような思いを抱いている人に、「あなたに今、見えているものだけが現実じゃないよ。本当の世界はもっと広いし、選択肢は無数にあるんだよ」ということを伝えたいのだ、とセルフインタビューにも書きました。

Contents


これからは、多くの選択肢を持っていることが大事になる

だから、色々な職業の人、様々な経験を経て今の職業に辿り着いた人に話を聞き、

「一度失敗したって大丈夫。レールから外れたって、問題ない」
「雇われることだけが“働く”ことじゃないよ」
「成功の形は人それぞれで、自分らしくないものを追い求めたら、成功が“不幸”になることもあるよ」

とか、色々なことを読者に伝えられたらと思ってインタビュー記事を書いています。

それは自分自身が、非常にジグザグなキャリアを歩んできて、「遠回りしすぎたなぁ」とか「新卒のときにもっと違う形の就活をしていたらな」とか「社労士の勉強をはじめる前にビジネスの基本が分かっていたらな」とか、後悔や反省もあるからです。

 ただ、この想いは自分自身の個人的なものかと思っていたのですが、もしかしたら社会の流れなのかもしれないな、と最近、感じ始めました。

特に今、ベストセラーになっている「LIFE SHIFT」という本を読んで、これからは「雇われない働き方」も「社員になったり、フリーランスになったり、会社を立ち上げたり、また社員になったり、ボランティアをしたり……みたいなジグザグのキャリアを選ぶこと」も、「お金ではなく、人との関係や仕事のスキルなど“質的資産”に投資する時期を作ること」も、普通になっていくのだな、と確信しました。

自分が生きづらさを感じていたのは、意外と敏感にもそういう時代の流れを感じ取り(自分はいつも流行遅れな方だと思っていたのだけれど)、周りよりちょっと早く取り入れてきたからなのかもしれません。

Amazonでの「LIFE SHIFT」の評価を見ると、とても評価している人と、「こんなふうに楽観的に考えられない」という人とに分かれているようですが、私は、「LIFE SHIFT」を読んで、「あぁ、自分の生き方や、自分がこのブログで発信したかったことは間違っていなかったんだ」と、随分勇気づけられました。




「LIFE SHIFT」の概要

と、勢いづいて書いてしまいましたが、多くの人は「LIFE SHIFT」って何?という感じだと思うので、概要を簡単にお伝えします。

この本は、

今、20歳の人のうち半分は、100歳まで生きる。
今、40歳の人のうち半分は、95歳まで生きる。

というデータを元に、「じゃあ、将来、どうする?」という問いを投げるものです。

「大学を卒業して、会社に入って、そこの会社で定年まで勤めて、60歳か65歳で引退して、そのあとは年金をもらって悠々自適に暮らす」

というライフスタイルが成り立たなくなってくることを多くの人が感じながらも、今なお「60歳か65歳まで会社員を続ける」という選択をする人が多いのが現実です。

でも、
「100歳まで生きるとしたら、現役時代に所得の25%を常に貯金していないと、65歳には引退できない」
という現実を、この本は突きつけてきます。

つまり、100年時代には、80歳などまで現役で働く必要が出てくるだろう、と。

ただ、この本は決して、悲観的な内容にはなっていません。

長く働かなくてはいけないからこそ、「フルタイムで、会社のために尽くすような働き方を60年間ずっと続けることはできない」という前提で、今後、「新卒で入った会社を定年まで勤め上げる」という形はなくなっていくだろう、と筆者は主張します。

その代り、一定期間お金を貯めるために働く期間があったら、次は自分のスキルを磨いたり、忙しく働いていた頃にはメンテナンスが十分にできていなかった家族や友人との関係を深めたりする時期を作り、またそこで蓄えたスキルや、人的なネットワークを使って、次の仕事に就く……というような、緩急のついたキャリアになっていくだろう、と。

今、10代の人の将来は?

1998年生まれの女性の例として出ていたのが……

大学卒業後、世界中を旅して、人的なネットワークを築き、小さく起業する。
そこでの経験を元に大企業に入ってしばらくは正社員として働き、30代後半で出産する。
その後、会社を辞めて大学で学び直し、新たなスキルを手に、コンサルティング会社に勤める。
70歳で一度会社を辞め、夫婦でしばらく旅行をし、リフレッシュした後、あらためて非常勤の仕事をしながら、地域活動をする。

というような例。

IMG_6316いまだに「新卒」神話が根深い日本社会で、上記のような働き方ができるかは疑問もありますが、多様な働き方を認める企業が増えているのも確かですから、欧米よりは少し遅れて、日本もこんな形の働き方が「普通」になる日も出てくるのかもしれません。

この本では、働く・生きるというのを「有形資産(お金・家など)」だけではなく、「生産性資産(知識・職業上の人脈)」「活力資産(自己再生の友人関係・健康・人生のバランス)」「変身資産(多様な人的ネットワーク・自分についての知識)」という4つの「資産」のバランスで考えて書かれていて、それにも非常に好感が持てました。

ビジネスをする以上、お金を稼ぐことも大事なのですが、そればかりを追いすぎると、私の場合「何か違う」という違和感がすごく強くなってしまって……。

それが他の3つの資産の話だったのかな、と思うと、なんかすっと納得できたというか。

このブログには「何歳まで働くか?」というキーワードで辿り着いてくれる方も多いようなのですが、「何歳まで働くか?」は、「社員として」なのか「社長として」なのか「フリーランスとして」なのか、「地域の一員として」なのかで、きっと随分変わってきます。

それもまた「選択肢」や「可能性」の話です。

是非、未来がなんとなく不安で、自分はこのままでいいのだろうかと思っている方には、この「LIFE SHIFT」はお薦めです。

すぐに何か変えなくても、「あぁ、こういう考え方、こういう生き方もあるんだな」と頭の片隅に置いておくだけで、きっと人生ってなにか変ると思うんですよね。

このブログでも、そんな即効性はないかもしれないけれど、頭の片隅に置いておくといい情報を発信し続けたいと思います。
(即効性のあるものもね(笑))

これからの働き方について、より深くつっこんだ記事も書いています。良ければ参考にしてください。

何歳まで働く? どれくらいの稼ぐ? これからの働き方を考えよう

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執筆者:遊部 香(あそべ かおり)

文章を書いたり、写真を撮ったりしています。

現在は、『凪~遊部香official site~』で主に活動中。

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