私はライターでありながら社会保険労務士でもあり、仕事のために社労士周りの法律の改正などは追いかけています。
だから、労働法とか社会保険制度に関しては、自分の中で「当たり前」になってしまい、誰もが知っているように感じてしまったりするのですが、そんなことはないんですよね。
最近会った方が、
病気で仕事を長く休むときに、もらえるお金があるとは知らなかった。だから、有休を使い終わったら、仕事を辞めるしかないと思っていた。
と言われているのを聞いて、新卒で入社して、10年以上正社員としてきちんと働いてきた人でも、そういうことを知らないこともあるんだ、と驚きました。
でも、そっちがもしかしたら「普通」なのかもしれないですよね。
ということで、ちょっと反省して、今年は「社労士ライター」として、もっと直接人に役立つ知識・情報も発信していこうと思いました。
このブログのテーマは「素敵な仕事人になろう」というものですが、素敵な仕事人になるためには、まず、目の前の障害を取り除かなくてはいけませんから。
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長期間病気や怪我で仕事を休むときは、傷病手当金がもらえます
業務上のけがや病気の場合は、労災保険から補償が受けられるというのは、なんとなく知っていることかと思うのですが、プライベートでの怪我や病気の場合、健康保険から「傷病手当金」というものがもらえます。
健康保険からもらえるものなので、パートやアルバイトで、健康保険に入っていない人は残念ながらもらえないのですが、正社員や条件を満たす契約社員の場合はもらえます。
もらえるのは4日目から
「長期間」というのはどれくらいかというと、連続して3日以上仕事を休んでしまったあとの、4日目からです(連続3日間は「待機期間」です)。
連続する3日については、病気やけがで働けないことだけが条件なので、有休休暇にして、給料をもらっても大丈夫ですが、4日目以降は基本的には会社からお金をもらわず、健康保険から「傷病手当金」をもらうようにしましょう。
傷病手当金の金額は
給料の3分の2くらいです。
もらえる期間は
最大で1年6か月です。
うつ病などでももらえます
病気には心の病気も含まれるので、うつ病やパニック障害などで業務に支障が出て、どうしても仕事ができないという場合にも支給されます。
うつで気分が滅入ると、すぐに「仕事を辞めなくては」と焦ってしまう人も多いと言いますが、会社に「休職」の制度があるのなら、まずは「休職期間」を使い、傷病手当金をもらい、可能な限り症状を落ち着かせるというのが、良い方法です。
一度傷病手当金をもらい始めれば、休職期間中に復職できず、会社を辞めることになっても、最大で1年6か月までは、傷病手当金はもらい続けることができます。
まずは人事に相談してみましょう
人事部があるほどの会社なら、人事部の人は傷病手当金についても、会社が定める休職期間についてもよく分かっていると思いますので、相談してみましょう。
小さな会社で人事担当者がいない場合は、まずは政府のサイトで仕組みを理解してから、会社に伝えてみてください。
★協会けんぽのページには図入りで分かりやすい解説が載っています。
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat310/sb3040/r139