人の気持ちを動かす文章の書き方:ストーリーとイメージが鍵

昨日の「文章を早く上達させたい人にお薦めの文章上達法」では、「型」を意識すると、手っ取り早く「ある程度」上手い文章が書けるようになるということを書きました。

ただそれは、「読みやすく」「なんとなく頭がよさそうに見える」「必要なことが伝わる」文章の書き方で、あくまで「ある程度上手い文章」を書くための最初のステップです。

必要事項を伝えるメールや報告文なら、それだけでも充分です。

けれど、人の心を動かして、「この商品を買いたいな」と思わせて、購入という行動につなげたり、「いつかこの人に会ってみたいな」とじわじわとファンを作っていくための文章には、なくてはならないものがあります。

それが、「ストーリー」や「イメージ」です。

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イメージが伝わる文章って?

よく、宣伝文を書くときには「ベネフィット」を意識しましょうと言われます。

ベネフィットというのは何かと言うと、それを買うことで、「あなた」の人生がどう良くなるのかということです。

たとえば売りたいのが高級トースターだったとします。

そのトースターで焼くと、パンの水分が内側にしっかり保たれます。しかも、焼くのに掛かる時間が「当社比 2分の1」です。

でも、普通のトースターが2,000円で買えるところ、そのトースターは1万円します。

という場合。

このトースターをどう宣伝しますか?

そのまま事実を伝えるなら、こんな文章になるでしょう。

必要な水分が内側にしっかり保たれた、おいしいパンが焼きあがります。

しかも、必要な焼き時間は、いままでの半分です。

これだけでも、必要なことは伝わります。

でも、2,000円のトースターでもいいところ、5倍のお金を出してもらうためには、きっと、これだけでは足りませんよね。

こういう場合は、そのトースターがあると、「あなた」の生活がどんなふうに良くなるのか、できるだけイメージできるように伝えることが大切です。

たとえば……

起きるのが嫌だなと思う朝もありますよね?

でも、そんなときでも、昨日食べたあのトーストはおいしかったと思いだすと、布団から出るのも苦ではなくなります。

外はカリカリなのに、中がふっくらなパンにバターを塗って、それが溶けていくのを見ながら、コーヒーを飲む時間は至福です。

そんな優雅な時間を、忙しい朝に作れるのも、トースターの焼き時間が今までの半分になったから。

コーヒーを一口飲んだ後に、いよいよパンをがぶり。いつもと変わらないヤマザキの食パンが、高級ホテルブレッドに変身したような、味わいと食感に。

しあわせな気分で始まる朝は、しあわせな1日につながります。

おいしいトースターで最高の1日を始めませんか?

まだまだ改善の余地はたくさんありそうな文章ですが(^_^;)、初めの文章よりは「イメージ」が具体的になり、「自分の生活」と「トースター」の関係性が見えてきた感じがしますよね?

イメージを伝える文章を書くというのは、相手の生活や人生に、その商品やサービスがしっかり組み込まれた「未来」をできるだけ具体的に伝えるということです。

◇それプラス……

ただ、感覚だけでは動かないという人もいますし、BtoC(個人がお客さんのビジネス)ではなくBtoB(企業が相手のビジネス)の場合は、もっと論理的に攻めていく必要があります。

トースターなら感覚だけで買ってもいいですが、家や保険などでしたら、客観的なデータなども知りたいところですよね。

ですから当然、TPOに応じて、スペックの説明なども加えることが大切です。

実際、2万数千円するトースターとして有名なバミューダのサイトを見ると、

BALMUDA The Toasterは、三つの温度帯を完璧に制御して、最高の状態のトーストを実現します。ひとつはパンの中のやわらかさと風味がよみがえる(デンプンのα化)60℃前後の温度、もうひとつは表面がきつね色に色づき始める160℃前後の温度、そして焦げ付き(炭化)が始まる220℃前後の温度帯です。

など、なぜバミューダだとおいしいトーストが焼けるのかという「科学的根拠」も示されています。

私はこれだけ読んでも「?」となってしまう典型的な文系女子ですが、もしかすると理系男子である旦那は、この文章で購入を決めるかもしれません。




イメージよりもっと強力なのがストーリー

先に書いた「イメージ」は、「あなた」と「商品・サービス」の関係を強めるためのものでしたが、意外と人を動かすのは、「商品・サービス」や「それを作っている人(提供している人)」の背景にあるストーリーだったりします。

たとえば……

aこのブログには、facebookページがあり、そこで更新情報を流しています。
そのページに「いいね!」が増えたら嬉しいな、と私は思っているわけです。

で、「いいね!」して欲しい、ということを書くとします。

下記の2つのうち、どちらなら「いいね!」してもいいと思いますか?

facebookページへの「いいね!」が増えると、投稿のリーチ数が増え、結果としてブログのアクセス数も増えるので、嬉しいです。

アクセス数を増やすために、是非「いいね!」してください。

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自分自身が様々、キャリアにつまづき、試行錯誤の人生を生きてきました。

それで分かったのは、「諦めなければ、人生いつからでもやり直しがきく」ということと「組織に属さない自分らしい働き方もできる」ということでした。

人生に閉塞感を覚えている人の多くは、「他の選択肢」が見えなくなってしまっているのだと思います。だから、一度失敗すると「人生、これで終わりだ」と思ってしまったり、無理をして今の仕事にしがみついて、最悪な場合「過労死」などにつながってしまう……。

それって、とても不幸なことです。

そこで、様々な生き方や考え方、働き方に触れられるブログを作りたいと思い、2015年7月にこの「素敵な仕事人紹介ブログ」を立ち上げました。

このブログが、多くの人の「見える選択肢」を増やす力になれたらと思っています。

facebookページに「いいね!」して頂くことで、このブログの存在を新しい人に知ってもらうことができます。

今はネットの片隅にぽつりと存在しているだけの小さなブログですが、その存在を社会に広めるお手伝いをして頂けたら、とても嬉しいです。

→ facebookページ

文章量の差が大きすぎますが……(^_^;)、後者の文章の方が、アクションが取りやすいですよね?

それは「私が今まで辿ってきたストーリー(自身の経験とそこから感じたことを元にこのブログを作った)」と、「自分が“いいね!”するという行動を起こすことで何が起こるのかという未来のストーリー」が見えるからです。

ストーリーが「必然性」になる

このブログの素敵な仕事人インタビューもお陰様で25人になりましたが、インタビューの記事をまとめるときにも、ストーリーは意識しています。

※前回インタビューした田辺さんが、自身のブログで私を「ストーリーテラー」と表現してくれていて、嬉しかったです♪

http://tanaweb.co.jp/cmswp/go/%e3%82%b9%e3%83%88%e3%83%bc%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%86%e3%83%a9%e3%83%bc/

話を聴くときは、できるだけ相手の話をさえぎらず、気持ちよく、話したいことを話したい順番に話してもらうのですが(私はほとんど質問をしないので、「あ、なんか勝手に話しちゃったけど、これで大丈夫だった?」と最後に訊かれることが多いです(笑))、記事にするときには、流れを意識して書きます。

私はいまだにプロの小説家になれていないものの……子供時代から多分100作以上の小説を書いてきたので、ストーリーを作るということは、感覚的にできるようになっているのでしょう。

インタビューのときには、ただ話を聴くのとメモをするので精いっぱいで、あまり記事の全体像は見えていないのですが、あとでメモを見ながら話全体を振り返ると、

「ここの点と、ここの点と、ここの点を拾って、結ぶと一つのストーリーになる」

ということが見えてくるんですよね。

以前、文章が上手くなりたいという人に、この話をしたら、「それは遊部さんにしかできそうもない」と、暗に「参考にならない」と言われましたが……。

でも、感覚的にぱっとひらめかなくても、自分自身のことをしっかり伝えたいと思ったら、自分の人生を「ストーリー化」することは必要です。

特にフリーになって自分でビジネスを始めるという場合、自分のどの経験と、どの経験と、どの経験がどう影響して、そのビジネスを自分が始めようと思ったのか、そこにある自分の想いは何なのかと整理することは大事です。

そこに「なぜあなたがそのビジネスをする必要があるのか?」という必然性が出てきます。

その必然性が見えてくると、お客さんはそんなストーリーを持ったあなたから商品・サービスを買いたくなります。

私は士業や主に「形のないサービスを売る」仕事をしている人のサイトの文章作成支援を仕事でしていますが、「形のないサービス」を売る仕事をする人は、自分自身が商品ですからね。

自分をストーリー化して見せることって、とても大切です。

 

ビジネスを始めるわけでない人も、人の心を動かす文章を書きたいと思うときには是非、「ストーリー」と「イメージ」を意識してみてくださいね!

 

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執筆者:遊部 香(あそべ かおり)

文章を書いたり、写真を撮ったりしています。

現在は、『凪~遊部香official site~』で主に活動中。

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>> メインサイト「凪」