前回は「新年目標の立て方」という記事を書きましたが、目標を立てるとき一番大切なのは、目標が目的に向かう直線上にあるように設定することです。
「目的」というのは人生をかけて目指すゴールのようなもので、「目標」はそのゴールの途中に設定する1つの「ポイント」です。つまり、「目標」という一つ一つの「ステップ」をクリアしていくことで、人生のゴールに近づけるようにすることが大切なのです。
でも、目標を立てることを習慣化していない人が、「新年だから、なにか目標を立てよう」と思うと、おかしな方向を向いた目標を立ててしまうこともあります。
これは、人生における「選択」についても似たことが言えます。
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北極星を持つことの大切さ
去年、素敵な仕事人23人にインタビューさせて頂いたなかで気づいた、一番大きなことは「自分の北極星を持つ」ことの大切さでした。
「北極星」というのは、人生のゴール、人生の目的のようなものです。使命とも言えます。
自分の使命はこれ、とはっきり見えてきた人は、一つ一つの人生の選択を誤りません。
人生に大した影響を与えないような小さな選択は誤るかもしれませんが、それくらいは別に誤っても支障はないわけです。というか、この選択は、人生の大局には影響しないということも分かるので、選択するのに特に悩まないのです。
成功した自分は、成功した要因を何だと答えますか?
でも、人生の使命に気づける人って、実はそう多くありません。
年を重ねることによって気づけるかもしれないけれど、20代、30代で気づける人は少ないというのが、色々な人の話を聴いてきての実感です。
けれど、「使命に気づけていないから、有意義な目標は立てられないし、正しい選択もできない」というのでは、困ってしまいますよね。
なので、「これこそ、自分が人生をかけてやるべきことだ」というほどのものにはまだ出会えていない、という人は、こんなふうに考えてみてはいかがでしょうか?
自分が5年後、10年後に理想の生活・仕事をしているとして、その成功した自分と話す時間をもらいました。
その成功した自分に、『成功の大きな要因となった行動は、何でしたか?』『○歳(今の年齢)のときに行ったことで、大きな意味があったことは何でしたか?』と訊いたら何と答えるでしょう?
考えてみましたか?
その答えと、今年立てた目標は同じ方向性のものでしたか? それとも、違っていましたか?
こういう、「先から見て、逆算して考えること」って結構大事だと思います。
今を起点にして考えるより、ずっと広い視野で、本当に必要なことを教えてくれます。
たとえば……
私のことを例に挙げると……
このブログは1年半くらい更新してきたので、1年前に比べて大分アクセス数は増えてきました。ただ、まだまだです。
記事の数が多くなれば、それだけPV(ページビュー)数が増えるのは間違いありません。
なので、短絡的に「PV数を倍にする」と考えて目標を立てると「何でもいいから、書ける記事を書いて、記事の数を倍にする」となります。
もし、自分の5年後の“成功”のイメージが、ブログの広告から月何万か稼ぐ「ブロガー」になることなのだったら、テーマに縛られず、記事数を大幅に増やしたということが、“成功の転機”になるかもしれません。
でも、現状、私の考える“成功”は、そういうものではなく、「しあわせに働き、しあわせに生きるヒント集を作って、多くの人に広めたい」「素敵な仕事人インタビューを通して、様々な生き方、働き方の可能性を伝えたい」「そういう活動によって、自分を素敵な仕事人インタビュアーとしてブランディングしたい」というものです。
ですから、それとは全然関係のない記事を量産することは、時間と労力の無駄になりかねません。
そういうことが、「自分の未来」から考えると分かるのですが、周りと比較したり、人の意見を鵜呑みにしたりしていると、分からなくなってしまうのです。
(ブログをやっていると、ついPV数がすべて、みたいに思ってきてしまうというのも、一種の洗脳です)
害になる目標もある
「目標を立て、それに向かって努力し、達成する」ということは、一般的に褒められることではあるのですが、そもそも立てた目標が正しくなければ、そこに向かう努力は無意味だし、逆に害になる可能性だってあります。
ブラック企業が掲げる目標が、社員を追い込み、疲弊させるというのも、「目標が害になる」例ですね。
害になる目標は、外から与えられるだけではなく、意外と自分自身で立ててしまっていることもあるかもしれない、というのが、落とし穴です。
そんな落とし穴にはまらないよう、目標を立てるときや、選択に迷うときには、「成功した自分なら何と言うだろう」と是非、考えてみてください。
きっとあなたのなかにすでにいる「成功したあなた」は、周りの人よりも正しい答えをくれるはずです。
「一般的な成功のイメージ」などに惑わされず、あなたの軸を大切にして、目標も立ててみてくださいね。