先週、クリエイティブディレクターで、今はコミュニケーショントレーナーとして、生きづらさを抱えている人に「コミュニケーション」のコツを伝える活動をされているハナダサトシさんを紹介しました。
ハナダさんとは、ランチの時間を含めると4時間半近くお話ししたので、インタビュー記事に載せられなかった話もたくさんありました。
そのなかの一つが、「1つの言葉は、氷山の一角に過ぎない」ということ。
どういう意味かと言うと……。
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相手に真意を伝えるためには、普段からの情報の共有が大切
たとえば、Aさん(図の緑)がBさん(図のオレンジ)に「Cさんに〇〇と言われて、許せない!」と言ったとします。
でも、Aさんが「Cさんの言葉が許せない!」と言う背景には、普段からのAさんとCさんの関係や、Aさんの価値観、Cさんの人柄など、実は様々なことがあります。
それが、Aさん(緑)の下にある「氷山の水面下の部分」です。図では、色の塗られていない緑色の三角の部分ですね。
AさんとBさんが夫婦だとしても、BさんがCさんのことを全く知らなければ、急に「Cさんに〇〇と言われて、許せない!」と言われても、良くて「それは大変だったね」「Cさんって、ひどい人なのね」くらいの反応でしょう。
でも、普段から、「自分は一生懸命Cさんという部下を育てようと頑張っている」とか「Cには、こんないい点もあるのだけれど、こんな問題点もあって、手を焼いている」とか、様々なことをAさんとBさんが共有していたら、
「あぁ、あのCさんが、そんなことを言ったの。それはショックだったね」
とか、何か違う反応になるはずですよね。
きちんと理解するためには、きちんと「中の人」になっておくこと
よく企業向けのコミュニケーションの研修でも、「普段からのコミュニケーションが大切」ということが言われます(私もそんなことを教えていたこともあります……。偉そうに)。
これは部下のメンタルヘルス対策の話で特に言われることですが、部下の様子がおかしかったときに「大丈夫か?」と声を掛けても、普段からしっかり関係を築けていなければ、「大丈夫です」で終わってしまう。
ハナダさんもこう話されていました。
いじめがあったときに、先生が口出ししても“お前には関係ないだろう”と言われてしまうことがある。
それは、普段のコミュニケーションがしっかり築けていず、“中の人”になれていないから。外の人が急に口を出して来たら、“関係ないだろ”にやっぱり、なってしまう。
確かにそうですよね。
100%に少しでも近づくようにもがくのが、コミュニケーションなのかも
私は以前から、コミュニケーションに関する記事などを仕事でも書いていましたし、先述したように、コミュニケーション研修の講師などもしていました(前職のときに)。
でも、自分自身は、自分のことを話すのが苦手で、「質問されたら答えるけれど、敢えて自分からは話さない」というスタンスのことが多いです。
旦那もそういう人で、子供が産まれてからは、それまでに増して夫婦間の会話というものが「日々の最低限の事務連絡」くらいになっていました。
で、このブログを書いたり、人にインタビューして回っていることも、ずっと言っていなかったんですよね。このブログ、立ち上げてから1年半くらい経っているんですが(^_^;)
どんだけ会話がないんだよ、って感じですね……。
でも、ハナダさんの話を聞いて、「氷山の下の部分をできるだけ少なくして、情報を共有することって大切だよな」と改めて思い、ようやく話してみました。
今まで、「フリーランスの仕事は、会社勤めしかしたことがない人には分からない」と決めつけていたところがありましたが、それは自分が伝える努力をしていなかったせいだな、ということも痛感したりして。
自分のことを100%誰かに理解してもらうことは不可能です。
でも、100%はないと分かったうえで、100%に少しでも近づくようにもがくのが、コミュニケーションなのかもしれませんね。
ということで、ハナダさんのインタビューからは、私も非常に学ぶところが多かったです。
一見無為な時間も大切な時間
それから、ハナダさんのインタビューの最後に、
ハナダさんは人と会ったら、基本2時間以上話すことをポリシーとしているそうですが、確かに一緒にいる時間の長さというのは、結構大事なことなのかもしれません。
ということを書いたのですが、この意識も自分には乏しかったな、とも思いました。
人は仕事のためとか、ある目的のためだけに一緒にいるのではなく、「ただ時間を共有し、そこからじわじわとお互い理解できていくこともある」のでしょうね。
そういう一見無為な時間も大事にしたいなと思います。
※氷山の下の部分を減らすために、ハナダさんは奥さんに「今日は〇〇さんと会ってくる」ときちんと名前を出して伝え、持っていたらその人の写真も見せているそう。
確かに、鈴木さんと言われるだけより、写真付きの“鈴木さん”の方がさらに伝わりますよね。
このブログのことを旦那に話していなかった私は、ハナダさんを含め、素敵な仕事人を10人以上紹介してくれたさわとんのことも旦那に伝えていなかったので、とりあえずブタの着ぐるみを着たさわとんの写真を見せて、「お世話になっている人」と紹介しておきました(笑)
まとめ:相手に伝わらないと思ったときには…
ということで、まとめ。
相手に言いたいことが伝わらないな、と思ったら、自分は普段からしっかり伝えるべきことを相手に伝えていたのか、振り返ってみましょう。
伝わらないのは、相手のせいだけではないはずです。
いざというとき、しっかり心を届かせるためにも、普段からの会話や一緒に過ごす時間は大切にしましょう!