飾るより、素の自分を研ぎ澄ませる方がいい:美容師・吉澤亜美さん

吉澤亜美さん

今日は素敵な仕事人として、美容師の吉澤亜美さんをご紹介したいと思います。

亜美さんは、藤沢駅からバスで10分ほどの藤沢市藤が岡2-11-13で、ヘルシーホームヘアサロン亜桜を経営されています。亜桜は、100%天然ヘナカラー専門店で、広告などはしていないけれど、口コミでお客さんがいっぱいというサロンです。

ただ亜美さんがそこまでたどり着くまでには、様々な出来事があり、美容師の仕事から離れていた時期も、仕事がしんどかったこともたくさんあったといいます。

しかし今は、4人のお子さん(1番目は20歳でもう就職もされているそうですが、4番目はまだ2歳10か月とのこと!)を育てながらも、充実した仕事人生活をされています。

結婚や妊娠を機に辞めてしまう美容師の方が多いなか、長く、そして幸せに働かれている亜美さんからも、様々な「幸せに働くヒント」を頂きました。

美容師には、なりたくてなったわけではなかった

亜美さんが美容師になったのは、ご自身の選択ではなかったそうです。

亜美さんのご両親は鎌倉でレストランを営んでいましたが、亜美さんが中学生の頃に離婚し、お母さんの方が家を出て行きました。

しかし、知人を通してつながってはいたので、あるとき、お母さんの知り合いの美容室で働かないかという声が掛かったそうです。そこで働いてくれるなら、寮でお母さんと一緒に暮らせるよ、と。

亜美さんは、それなら、と、中学を卒業すると同時にその美容室で働きはじめます。

そして日中は美容室の仕事をし、夜は定時制高校に通い、さらに通信教育で美容師の勉強をするという忙しい日々を送り、2年で美容師の資格を獲り、さらに21歳で高校も卒業したそうです。

亜美さんは今も非常にバイタリティ溢れる、ご本人いわく「猪突猛進」な方なのですが、その気質はこの頃の生活で養われたのかもしれないと、亜美さんは言われていました。

手荒れに悩み、美容師を辞めることに

ただ、お母さんの知り合いの美容室は、完全予約制、完全担当制のレベルの高いところで、「そこではなかなかシャンプー以外の担当に指名してもらえなかった」そう。

そこで、高校を卒業するころ、他の美容室に移ります。

しかし、移った先の美容室では、今までとはシャンプー液もカラー液も違い、それが亜美さんの体には合わなかったそうです。元々肌の弱い亜美さんの手には湿疹が絶えず、それが次第に悪化し、1年もすると、「朝起きると、体液で指と指がすべてくっついていて開かない」という状態にまでなってしまったといいます。

そうなってしまっては、とても仕事になりません。仕方なく亜美さんは、美容師を辞める選択をします。

中学生の頃に両親が離婚し、「自分で食べて行かなくては」という想いが強かった亜美さんは、美容師の仕事を辞めると、

「ガードマンでも、板金塗装でも、もう本当に、なんでもやった」

というくらい、様々な仕事をしたそうです。

再び、美容師の仕事に

ヘルシーヘアサロン・亜桜そんな様々な仕事をかけもちでしているときに、亜美さんは最初の結婚をし、そして長男を産みます。

しかし、長男が2歳のときに離婚することになり、「しっかりと稼げる仕事が必要だ」と、正社員の仕事を探し始めます。

そのときに、チェーン店の美容室を経営している知り合いから、「新しく出す店の店長になってもらえないか」という声を掛けられ、美容師の仕事に戻ることになりました。

知り合いには「チェーン店で、マニュアルがあるから大丈夫」と言ってもらったそうですが、この頃の亜美さんには、さほど美容師としての経験があるわけではありませんでした。それで、経験の豊富なパートは、経験の浅い店長の存在を良くは思わず、嫌がらせなども受けたといいます。

しかし、亜美さんの誠実な頑張りに、少しずつ周りも、亜美さんを認めるようになってきました。

その頃、亜美さんは、店長の仕事をしながら、夜は違う仕事をするという生活をしていたそうですが、そこで、今のご主人に出会い、二度目の結婚をします。

私は1回失敗しているし、結婚にあまり積極的ではなかったのだけれど、長男が主人に“俺の父ちゃんになってくれ”ってプロポーズしたのよ。

素敵なお話♪

ということで、夜にしていた方の仕事は辞め、2度目の結婚をし、二男を授かります。

1,000円カットの店も経験

店長の仕事は5年ほどされたそうですが、チェーン店であるがために、決まり事も多かったそう。

亜美さんは、

パートとはいっても、生活があって仕事をしている人たちなのに、人が余るところは、休ませる、とか、人を駒のように扱う仕事に慣れなかった。

とも話されていましたが、やりたいこととできることのギャップが大きくなっていき、亜美さんは、そこの仕事を辞めることを決めます。

そしてしばらくは、二男の子育てに専念していましたが、「子どものために、少しでも働こうか」と、モールに入っている1,000円カットの店でパートを始めたそうです。

しかし、

1時間くらい待っているお客さんもいて……。そういうお客さんが背後にずらりと並んでいるのを感じながら切り続けるって、本当にしんどかった。

syouという体験をします。

それでもその頃、老人ホームで施設利用者の髪を切る「福祉美容師」の資格をとって、ホームでの仕事も始めていました(この仕事は今も月数回は続けているそうです)。

本当に、一か所にはとどまらない、エネルギッシュな方です。

100%天然ヘナは商売にならないのか?

そしてそうやってエネルギッシュに様々動き回っている方のところには、多くの縁や情報も集まってくるものです。

1,000円カットの仕事をしていた頃、エステサロンをしていた知り合いから「今度うちでヘナを扱いたいのだけれど、手伝ってくれないか」という声が掛かります。

これが、亜美さんがヘナと出会った最初だったと言います。

「美容業界では、ヘナは染まりが悪いとか、すぐに色が戻るとか、あまりいい話を聞かなかったから、それまでヘナに興味は湧かなかった」そう。

でも、そのエステサロンでヘナに出会い、勉強をするうちに、亜美さんはヘナの可能性を強く感じ始めます。

ただ、そのエステサロンで使っていたのは、100%天然ではなく、数パーセント化学物質の入ったものでした。化学物質が入っていないヘナは、白髪染めにはなっても、好きな色を出す「カラー」にはならないからというのが、その理由でした。

ただ、アレルギーを持った方や、敏感な方には、「ヘナなのに薬品の匂いがするのね」「頭がかゆくなる気がする」と言われ、実際、亜美さんの手にはまた湿疹が出るようになりました。

そこで亜美さんは店長に「100%ヘナを使わせてください」と頼みましたが、その返事は、「天然100%じゃ、商売にならない」という言葉だったそうです。

じゃあ、私がやってやる。

それが亜美さんが、ヘルシーヘアサロン・亜桜を開いたきっかけでした。

店はご主人のご実家の一室にオープン

ヘルシーヘアサロン・亜桜ヘルシーホームヘアサロン 亜桜は、亜美さんのご主人の実家の一室を改装したものです。

ずっと物置になっていたそうですが、「昔はそろばん教室に貸したりしていたよね」という話になり、「だったら、今度は店に」ということで、作られたものだそうです。

「完全予約制」のため、看板も出ていないので、初めて行くと通り過ぎてしまうような、普通に素敵な一軒家です。

庭先にはきれいな花が咲いていて、扉にはお客さんが連れてきた子供が描いたという絵が描かれていて、なかには洗面台が1つと、のんびりできそうなソファーや椅子などが4つあります。とてもアットホームで、「店」というよりは、友達の家のような、寛げる場所です。

ヘナは染まるまでに1時間ほど放置する時間が必要なのだそうですが、こういうところで、のんびりすごせるなら、1時間も決して苦痛じゃないなと思える場所でした。

しかも、「待ち時間に色々できたらと思って」と、台湾式足つぼやカッサマッサージ、古代文字で名前を読むサービスなど、知り合いの方とコラボしたサービスも展開されているそうです。

それにそういうイベントがなくても、

ヘナにはデトックス効果があるのだけれど、こういうこじんまりした場所だと、話もしやすいようで、色々内に溜まっている想いとかもここで吐き出して、元気になってくれる人も多い。体だけでなく、心もデトックスできる場所になっていると言ってもらえて、それも嬉しいなと思っている。

とのこと。

確かに、こんなところでのんびり時間をつぶしながら、亜美さんに子育ての愚痴とかこぼせたら癒されるかも~、と思いました。

是非、お近くの方は、行ってみてくださいね。完全予約制なので、予約は忘れずに!(私も近くだったら通いたい……。あ、でも、まだ白髪染めせずに、もうちょっと頑張る予定(笑))

ないものを足すのではなく、あるものを輝かせる

私は「ヘナ」という言葉は聴いたことがあったものの、どんなものかはよく知らなかったのですが、「ヘナ」は、髪のなかにもともとあるたんぱく質にしがみつくようにして中に入って、髪を染めるものだそうです。

ヘナ自体の色はオレンジ色なので、白髪はオレンジ色に染まりますが、黒髪に入っても、黒の色の方が強いので、染まりません。つまり、100%ヘナは白髪染めとして使われます。

白髪がさほど多くないときは、オレンジ色でもまったく気にならない自然な感じですが(亜美さんもヘナで白髪染めをされていますが、きれいな黒髪にしか見えませんよね?)、白髪が多くなって、オレンジ色だと明るすぎるように感じたときには、インディゴを混ぜで、もうちょっと暗くすることも可能だそうです。

ただ亜美さんいわく、
「もともと自分のなかにあるたんぱく質に色がつくから、似合わない色にはならない」
そう。

普通のカラーリングは、キューティクルを開いて、そこに色を入れ込んでいきます。色を入れたあとも、キューティクルは閉じないので、髪を保護するためにトリートメントも必要になります。しかしヘナはキューティクルを破損することもなく、元々あるたんぱく質に入り込んで、強化するので、むしろ髪に艶やハリが出てくるとか。

つまり、ヘナで染めるというのは、自分になかったものを加えるのではなく、本来持っているものを活かしていくことなのだそう。

亜美さんは、髪だけではなく、最近は顔にも化粧品を使わないようにし、「素」の自分を大切にしているということでした。

隠してごまかすのではなく、素肌や表情など、違うところに気を遣う。
その方がいいような気がしている。

いつでもすっぴんなら、女友達と温泉に行ったって、全然気を遣うこともないし。私は、飾らない素の自分でいる方が、正々堂々といられる気がする。

素の自分の方が「正々堂々といられる」って言葉、素敵です!

確かに、自分の持っているものをごまかしたり、隠すために化粧をしている人って、あまりきれいではないですよね。それより、自分らしい美しさをきちんと理解していて、それを自然に見せられる人の方が、きれいだなと思いますし、一緒にいて、心地よい気がします。

素の自分で働ければ、疲れない

亜美さんは、そのあと、こんなふうに言われました。

これは、お腹のなかのことも一緒。
裏表を使い分けたりせずに、思ったことをちゃんと言うようにしている。

以前、チェーン店で働いていたときは、思ったことをすべて言えたわけではないから、ストレスも結構大きかった。

でも、このヘアサロンでは、私自身も思ったことをきちんと言えるし、素の自分を出せるから、私自身も心地よく働けている。

だから、長い時間仕事をしても、疲れなくなった。パートで働いていた時は、数時間働いただけで、立てなくなるくらい疲れていたのに。

自分が「素」でいられる場所を持つって、大切ですよね。

亜美さんはこんなふうにも言われていました。

今の仕事のスタイルは私も心地いいし、それを同じように心地よいと思って通ってくれる方や、私の想いに共感して来てくれる方が増えているのは、とてもありがたい。

このブログにもよく登場するカウンセラー・さわとんも「素で生きるようになってから、相談も増えてきていて、おもしろい」と言われていました。でも、もしかしたらそれは当たり前なのかもしれませんね。

やっぱり飾っている人、何かをごまかしている人はなんとなく分かるものだし、そういう人といても、人は寛げないですから。

ヘアサロン・亜桜「素」の自分を大切にすること。
ないものを足そうとするのではなく、今自分が持っているものに目を向けて、それに「本来の輝き」を取り戻させてあげること。

最近出会う方の多くが、そんな「素」を大切にしているように感じるのは、私自身がそうなってきているからなのか、社会全体の動きなのか……。

どちらにしても、飾ることより、「素」の自分をもっと見つめて、すでに持っているもののなかに素敵なものを見つけられる人が増えたらいいなと思います。

すべて人だった

そんなふうに、今は口コミでお客さんも増え、「ほぼここの仕事一本でやっていかれるようになってきた」という亜美さんですが、中学時代の両親の離婚から、アレルギーで美容師を辞めざるを得なくなったこと、自身の離婚など、様々な経験をされてきたわけです。

そんな亜美さんに、「つらかったときや、大変だったとき、どう乗り越えてこられたんですか?」と訊いてみました。

亜美さんの答えはこうでした。

支えてくれる人や、愚痴を聞いてくれる人、気を紛らわせてくれる友達……いつも周りには誰かがいてくれた。

色々な人に支えられ、助けてもらって、ここまで来た。

自分一人で頑張らなきゃと思っていたら、今みたいな形で仕事をできるようにはなっていなかったと思う。

今、仕事が軌道に乗ってきて、満たされた自分になって、改めて思うのは、すべて人だった、ということかな。

素敵な言葉です。

そう感じているからこそ、亜美さんは、「次は自分にできることを」と思ってさらに活動の幅を広げられているのかもしれません。

亜美さんは、先にも書いたように、自分のサロンを持っていないとあまり活躍の場がない「古代文字を描く」サービスをされている方や、マッサージの方と組んだサービスも展開していますし、将来的には、「店舗を増やして、自分のようにアレルギーが原因で仕事を辞めざるを得なかった美容師さんがもう一度活躍できる場を作りたい」とも話されていました。

kit1また、亜美さんはkitpasというクレヨンのインストラクターの資格も持っているそうです。

このkitpasは窓ガラスにも絵を描けるもので、亜美さんのお店の窓ガラスもお客さんの子供が描いた絵に彩られています。

kitpasを作っているのは、障害者雇用を積極的に進めているので有名な日本理化学工業株式会社ですが、亜美さんは、「私がお店にkitpasを置いておくことで、お客さんが興味を持って買ってくれたら、間接的に障害を持った人の役に立つことができるかもしれないと思って」と言われていました。

こういう、小さいけれど着実な「一歩」、しびれます。

kit2※このkitpasを美大生が使うと、右のような素敵な絵も描けるそう!

 

「素敵な仕事人」インタビューも亜美さんで17人目ですが、しあわせに働いている人はみんな、身近な人とのつながりを大切にしつつ、社会のために小さくても自分にできる一歩を着実に踏み出しているように思います。

 

フリーでやっていくのに大切なことは?

亜美さんにも「フリーでやっていくために大切だと思うことは何ですか?」と訊いてみました。その答えは……

志をどうもつか。

「どういうことですか?」と尋ねると、こんな答えでした。

今のサロンを始めた頃は収入優先で仕事を入れていた。
でも、そうすると、本当にやりたいことができなくなってしまった。

だから、このサロンを開いてから、優先順位を変えることにした。
本当に大切なものを大切にするために。

それで、収入が良かった仕事も辞めた。
辞めてしばらくは厳しかったけれど、でも、そこで辞めていなければ、今のこの状態はないと思う。

長期的な展望に立って、そして自分自身を信じて、本当に大切なものを選択できるか。

これは「成功」するために、本当に大切なことの気がします。

 

亜美さんにも、本当に大切なことを色々学ばせて頂きました。
本当に、ありがとうございました!!

(上記インタビュー以外にも、「万能酵母液はいい」ということや、「塩と砂糖と味噌にはまずこだわった方がいい」ということなども教えて頂きました!
この数か月で3人に「塩」の話を聴きました。今ある塩がなくなったら考えようと思っていましたが、ついに自然食品の店で塩と砂糖を買いました(笑))


吉澤亜美さん★吉澤亜美さんのサロン
ヘルシーホームヘアサロン 亜桜
http://hena-asakura.com/
神奈川県藤沢市藤が岡2-11-13

100%天然ヘナカラー専門店。10年後、今よりもっと素敵な髪になることを大切にしているそうです。

是非、心と体のデトックスに行かれてください。
ほっと寛げ、ちょっと元気になって帰れる場所です。


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執筆者:遊部 香(あそべ かおり)

オフィス言の葉代表・起業家支援ライター

仕事では主に、起業して間もない人、これから起業しようと思っている人に対する文章支援を行っています。「ライターが作るホームページ」サービスも人気です。

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吉澤亜美さん
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