大切なのは「つながり」を意識すること:エレガントスタイル代表・飯田祥子さん

飯田祥子さん

今日は素敵な仕事人として、エレガントスタイル代表であり、日本エンゲージメントマナー・コンシェルジュ協会の代表理事でもある飯田祥子さんを紹介したいと思います。

飯田さんは20年以上ブライダル業界にいて、会社を設立してからも12年経ち、今はウエディングプランナーや個人事業者に「教える」立場の方ですが、昨年、新しい協会を立ち上げ、検定事業に乗り出すなど、積極的に活動の幅も広げられている、とっても活動的で、魅力的な女性です。

ただ、上記の説明だけですと、隙を見せないバリバリのキャリアウーマン像が浮かびそうですが、実際にお会いすると、柔らかくて、ふんわりした雰囲気もお持ちの、とても話しやすい方でした。

飯田さんは前回の大谷更生さんからご紹介いただいたのですが、飯田さんも「個人事業者向け相談」もされているということで、私自身にもまた、非常に学びの多い時間でした♪

Contents


結婚式には、しあわせの原点がたくさん詰まっている

飯田さんは、もともとウエディングの業界に興味があってそこに入ったのではなく、中学の頃にオーディションを受けて芸能プロダクションに入り、MCとして活動。23歳の時ウエディングの司会を依頼されたことをきっかけに、ウエディングの司会業をするようになり、徐々にウエディングの世界に染まっていったという、ちょっと普通とは違うキャリアの持ち主です。

最初はホテルなどに司会の仕事をしに行っても、「ウエディングのこと知らないでしょ」と言われたり、司会の仕事自体は好きではなかったという飯田さん。

でも、司会の事前打ち合わせで、結婚する女性から「この花に合うのはどんな色だと思いますか?」とか「ホテルの人はこのテーブルがいいと言うんですけれど、この形でいいですか?」など、司会の仕事を超える質問を受けるうち、きちんとすべての質問に答えられるようになりたいと感じ始め、結婚式に関する様々な本を読み漁るようになります。

そして、本を読み進めるうち、結婚式には日本人らしいエッセンスがたくさん詰まっていること、忌み言葉があったり、偶数を嫌ったり、非常に縁起を担ぐものだからこそ、そこに「幸せの原点」が凝縮されているのではないかと思い始めます。

そう気づいたとき、飯田さんはウエディングの仕事っておもしろいと、思うようになったそう。

また、ウエディングには独特の言い回しが多数あり、飯田さんは一つ一つの決まりごとに疑問を持ち、調べていったそうですが、ウエディングの現場で「なぜ、そう言うのですか?」と質問しても、「そう決まっているから」という返事が多く、背景や理由を説明できる人は一人もいなかったとか。

そうやって小さな気付きを大切にしたり、特に好きだと思っているわけでなくても、与えられた仕事を精一杯クリアしようとする人に、道は拓けるんだなと感じる話です。

好きなことを仕事にするには?

飯田さんにも「好きなことを仕事にするにはどうしたらいいのでしょう?」という質問をしてみたのですが、その回答も非常に面白かったです。

好きなことを仕事にする、という考え方は自分中心。
仕事は相手があってこそ成り立つもの。

だから、仕事になるのは、「好きなこと」より「自分が得意なこと」や「人の役に立つこと」だと思う。

でも、得意なことや人の役に立つことを繰り返していたら、自分の好きなことも仕事にできるようになる。

そういう順番だと思う。

つまり、飯田さんの例でいうと、最初、結婚式の司会は決して好きな仕事ではなかった。でも、司会の仕事をし、訊かれることに答えるようなカウンセリングをしていくうちに、ウエディングの仕事が好きになっていったし、そこをベースにして、さらに自分が本当にやりたい仕事(ウエディングの仕事を通して気づいていった、“つながり”の大切さを広める研修や検定事業とか)を業務として加えていくこともできている、ということ。

まずは来た仕事を好きになることが大切。
人の役に立つ仕事をしていくうちに、それがやがて、好きな仕事に成長していくから。

好きなことと得意なことがぴったり合っていて、初めから一直線にキャリアを築けていければ幸せですが、みんながみんな、そんな幸運な道を進めるわけではありません。

また、最近の若い人のなかには「好きなことを見つけなさい」と社会に出る前に言われ続けて、「好きなこと、やりたいことが見つからない自分はダメなんじゃないか」と思ってしまう人も多いといいます。

そういう若い人には、飯田さんの言葉の方が「夢を持て」などという言葉より、救いになるかもしれませんね。

マナーは「思いやり」

司会業からウエディングカウンセリング・コンサルへ業務を広げていった飯田さんですが、今はウエディングプランナーを育てる研修や、ウエディングに限らず「商品だけではなく、未来を売る」ような業種の「お客様との絆を強める研修」に力を入れているそうです。

「商品だけでなく、未来を売る仕事」とは、「そこに住まう幸せな家族という未来を売る」ハウスメーカーや、「素敵に生まれ変わっている未来の姿を売る」エステなどだそうですが、そこで飯田さんが言われていたのは、

仕事でも恋愛でも、第一印象が大事と言われるけれど、第一印象じゃ遅いの。
0.5印象でもうすべて決まっているから。
0.5印象というのは、恋愛なら好きか嫌いか、ビジネスなら敵か味方か。
直感的に「この人、胡散臭いな」と感じることとかもあるでしょう?
第一印象というのは、0.5印象を裏付けする理由を頭で探した結果に過ぎないのよ。

というある意味、衝撃的な言葉でした。

その0.5印象というのは、人間性みたいなもので、「テクニックではどうにもならない。テクニックでどうにかなるのは、第一印象から」だそう。

ということで、飯田さんの研修は、「テクニック」ではなく、「人間性」の部分に重点を置いたものだそうです。

たとえば言葉づかいにしても、

マナーと言うと、敬語の使い方のように思われがちだけど、それはあとの話。
まず、どんな言葉を選ぶか、穏やかな感情で発している言葉なのかが大事。

確かに、そうですね。

マナーは思いやり、という先生は多いけれど、じゃあどうやって思いやりを育てるのか、思いやりを持つのか、それを説明してくれる先生は、ほとんどいない。でも私は、そここそ大事だと思っている。

ということで、飯田さんの講座は、マナーの講座でも、まずは人間性を磨く内容なのだそう。

それはたとえば、結婚式ではよく言われる「忌み言葉(切る、無くす、失うなど)」を日常生活でもやめてみて、自分の心や人との関係性の変化に気づくとか、五感を研ぎ澄ます練習をするとか……「え?」という内容だそうです。

「聞くだけでは分からない。参加して初めて分かる」講座だそうですので、気になった方は是非、参加してみてくださいね!

※個人向けセミナーは今はあまりされていないそうですが、去年立ち上げた協会で今年秋に初めて開催する「エンゲージメントマナー検定」の対策講座が秋にあるので、こちらの参加がお薦め♪ 今年の対策講座は、飯田さんご自身でが講師をされるそうですから、特に!
この検定は、元々は、自分の生き方に迷う30代女性のことを考えて作られたそうですが、講座には子供や孫がいる50代・60代まで幅広く来ているということなので、年齢や未婚・既婚など関係なく、興味がある方は参加してみてくださいね。
→ http://jem.or.jp/kenteiguide.html

後日、3級対策講座にお邪魔させていただきました!
その際のレポートがこちら
→ http://vitarals.com/new/report.pdf

「つながり」にはすべてを好転させる力がある

そんなふうに会社も順調で、新しく協会まで立ち上げている飯田さんですが、子供の頃は頑張っていい成績をとっても「もっと頑張れる」と言う親の元で育ち、中学生の頃から芸能プロダクションに所属していたものの、なかなか良い活躍の場がなく、「自分には価値がない」と思っていたそう。

そんな飯田さんに、人生が好転した転機を教えて頂きました。

「つながりを意識したことが大きかった」

どういうことですか?と尋ねると、こんな答えでした。

私は山口県出身なんだけれど、以前は、早く東京に行きたいと思っていた。でも、東京ではオーディションで、“イントネーションが変”“山口県では目立ったかもしれないけれど、東京では君くらいの子はいくらでもいる”などと言われ、山口県出身の自分では、東京で勝負はできないのだろうかと悩んだりもした。

でもあまりにオーディションに落ちるから、ある時、山口県出身なんだから、山口弁で当然じゃない、と開き直った。そうすると、東京の人のように振舞おうと格好つけていたときより、うまく行くようになった。

きっとそれは、自分が山口県とのつながりを強められたからであり、山口にいても、東京にいても、私は私、と自分ともつながりを深められたからだと思う。

なるほど。

その後、結婚して広島に移り、広島から横浜に移ったという飯田さんですが、その頃にはブライダルの勉強や経験を通して、「人や土地とのつながり」の大切さに気付いていたそうで、知り合いゼロのその街とつながる努力をしたそうです。

広島に移ったときには、なぜ広島の人にカープの熱狂的なファンが多いのかに関心を持って調べ(戦後、みんなでお金を出し合って支えた歴史があるからだとか)、その歴史を知ったことで、「完全に広島の人の心が分かるわけでなくても、その想いを感じることはできる」ようになり、そこから自身も熱狂的なカープファンになります。

そうやって土地に繋がることで、広島にいた頃には仕事を地方の雑誌に取り上げてもらったり、結果として色々なことがうまく行くようになったそうです。

ただ、飯田さんは「カープファンになれば、広島での仕事がうまく行くだろう」という下心をもってそうしたわけではなく、純粋に、その場所の人たちへの敬意をこめて、その土地の人たちを知りたいと思い、そこにつながりたいと考え、行動していたのだということが、飯田さんの言葉を聞いていれば、分かりました。

飯田さんは

「つながりを大切にするというのは、礼儀

「つながりは自分から切らない。
 断捨離が流行っているけど、“捨てる” も執着だと思う。
“執着”はつながりを妨げると思う

「人や場所や時とつながれれば、神様からのボーナスみたいな徳がある」

ということを言われていました。

なんというか、飯田さんは、目に見えるもの、分かりやすい人間関係とか仕事の成果などだけでなく、もっと大きな世界を見て生き、仕事をしている人なんですよね。

そんな「大きなものとのつながり」があるからこそ、飯田さんは柔らかさを持ちながらも、強く人生を生きていくことが可能なのでしょう。お話を伺いながら、そんな印象を持ちました。

独立して仕事をしていく上で大事なのは、ぶれないこと

中学生の頃から芸能プロダクションに入っていたという飯田さんは、高校卒業後から今までずっと「個人事業主」なり「社長」なりの立場で、独立して一人で仕事を切り盛りしてきた方です。

そんな飯田さんに、会社員としてではなく、フリーランスや社長として仕事をしていく上で大切なことは何か訊いてみました。

その答えは一言、「ぶれないこと」でした。

そして、ぶれないためには、「形のない夢を持つこと。目的を見失わないことが大切」だそう。

飯田さんの夢は
他人の評価に左右されない自分らしいスタイルのある幸せな女性を増やすこと
だそうですが、それは「何人まで増やす」という具体的な数値があるものでもなく、ある意味終わりがない「夢」です。

ただ夢の中には、例えば「本を出版する」とか「マンション買う」等の手に入る、形ある夢で、分かりやすいゴールがあるものもあります。そういう夢は、目的を目指すための手段や目標にすぎない。

でも形ない夢なら、ずっとそれを目指して進むだけだからぶれないのだ。という話でした。

飯田さんはここで、分かりやすい例を挙げてくれました。

イチローは野球が本当に好きだった。
だから、イチローは、野球を続けていきたい、という夢を持った。
その結果として、様々な偉業を成し遂げつづけている。

でも、同じように野球が好きでも、たとえば「巨人に入る」という夢を持つ人もいる。
そういう人は、巨人に入ったあと、どうしたいのかが分からなくなってしまって、ぶれてしまうかもしれない。

巨人に入る、本を出版するなど分かりやすい目標を立てるのもいいと思いますが、その先に一つ、北極星のような「ずっと目指していくべき道」が見えている人は、やっぱり強いのでしょうね。

これはフリーで働く人だけでなく、すべての人に言えることかもしれません。

一番大事なのは、自分とつながること

「今、人生につまづきを覚えていたり、何かうまく行かないなと思っている人にアドバイスするとしたら、何と言いますか?」という質問に対する飯田さんの答えもシンプルでした。

「一番大事なのは、自分とつながること」

飯田さんは先にも書いたように「土地」や「環境」「人」とのつながりも大切にしていますが、それよりなにより、一番大切なのは「自分」とのつながりだということです。

飯田さん自身、山口弁を隠して、東京の“格好いい人”を装おうとしていたこともあるという話でしたが、でも、様々な経験をしていくうちに気づいたのは、「素の自分が一番」ということでした。

素の自分というのは、他人の評価に左右されない、自分らしいスタイルを持った自分のこと。社名の「エレガントスタイル」にも、「まずはそんな自分らしいスタイルを貫く姿を自分自身が体現する」という想いが込められているそうです。

そして、こんなことも言われていました。

悩んでいる人は、自分ができると知らないから悩んでいるだけだと思う。
悩んでいる人は、自分とつながっていない人。

仕事で何か悩みがあったら、その悩みを自分自身に相談したら、どんな答えが返ってくるか考えてみる。
恋愛で何か悩みがあったら、自分が男だったら自分自身と結婚したいか考えてみる。嫌だと思ったら、その理由に何かヒントがある。

人は自分で悩みを解決する力も、困難を乗り越える力も持っている。
誰にでも、すごい力があるんだから。
それに気づいて欲しい。

まっすぐ夢に向かって進んでいる、飾らないけれど、充分に格好いい飯田さんの言葉に、私もたくさん励まされた気がしました。

特に、

「会社を12年も続けてきて、今度は協会まで立ち上げるなんて、すごい。私は会社を作るとか考えられない」

という私の言葉に、

「社長だからすごい、とは私は思わない。会社にする必要がないと思うなら、する必要はまったくない。会社にして大きくしないとと思うのも、他人の評価軸だから。

もし遊部さんが、この“素敵な仕事人”のインタビューを続けていくのが自分の道だと思って、その道を進んでいくなら、社長になるより、ずっと格好いいと思う」

と返してくれた言葉は、胸に響きました。

私も北極星のような「夢」を持って、ぶれず、進みたいなと思いました。
素敵な時間をありがとうございました♪

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◆今年秋から始まるエンゲージメントマナー検定

エンゲージメントマナー検定
3級は「自分との繋がりを深める」というテーマで、3級でありながら、一番飯田さんが伝えたいエッセンス満載の内容です。

本文にも書いたように、年齢や既婚未婚関係なく参加できる講座であり、検定だそうですから、もっと自分とのつながりを深め、生きづらさをなくしたいなと思うすべて女性にお薦めです!

テキストでも勉強できるそうですが、東京近郊の方は、飯田さんから直接学べるライブの対策講座に是非! >> http://jem.or.jp/kenteiguide.html

◆日本エンゲージメントマナー・コンシェルジュ協会
>> http://jem.or.jp


◆飯田祥子さんの公式サイト(エレガントスタイル)

>> http://yk-elegantstyle.com/blocks/index/00001

◆エンゲージメントマナー3級対策講座に参加して、私、遊部がレポートを書かせていただきました。
>> http://vitarals.com/new/report.pdf

◆是非、他の素敵な仕事人インタビューもお読みください!
素敵な仕事人の定義と一覧

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執筆者:遊部 香(あそべ かおり)

文章を書いたり、写真を撮ったりしています。

現在は、『凪~遊部香official site~』で主に活動中。

>> 詳しいプロフィール
>> メインサイト「凪」



飯田祥子さん

2 件のコメント

  • はじめまして 小日向と申します
    飯田さんのFBからブログを拝見しました

    先日、飯田さんのイベントに参加し、検定の申し込みをしました

    これから届くテキストとセミナーに今からワクワクしてます

    ブログ、とてもわかりやすく 読ませていただきました

    素敵な生き方をしている人が大好きなので、これからも楽しみにしています

    どうぞよろしくお願いします

    • コメント、ありがとうございます!
      検定のテキスト、9月1日に完成するとのことで、私も楽しみにしています。

      今度は飯田さんにご紹介頂いた素敵な仕事人のインタビューもさせていただく予定ですので、また読みに来て頂けたら、嬉しいです!