まだ「素敵な仕事人」のインタビュー記事は9本なのですが、それでも「素敵な仕事人(起業家)」ってどんな人なのだろうと考えながら記事を書いたり、本や新聞などを見ているうちに、ちょっとずつ見えてきたことがあります。
もっとインタビューを進めていくと、考えが変わってくることもあるのかもしれませんが、気づいた時に気づいたことを、「しあわせに自分らしく働くヒント」として、ちょっとずつまとめていこうかな、と思います。
ということで、しあわせに自分らしく働くヒント第一弾は……
タイトル通り「進化し続ける」こと。それもジグザグに!
Contents
ビジネスを成功させるために、多くの人がやっていること
私はこのブログを趣味で始める前、仕事で「成功者」に対するインタビューなどをしていたこともありましたし、新卒で入った会社でも、以前勤めていた会社でも、新しい企画を立て、それを回すような部署にいました。
それで、自分なりに「成功」に向けたある種のイメージを持っていました。
それは、
- まずは何が当たるか分からないから、色々試してみる。
たとえば、蜂が蜜のある場所を見つけるために、まずは四方に飛び散るみたいなイメージ。 - 蜜を見つけたら、蜜がある限りはそこに飛び続け、蜜をできる限り集める。
- それと同時に、次の蜜のありかを探す努力も欠かさない。
(蜜はいずれなくなる=お客さんに飽きられる。必要な人に商品が行き渡って売れなくなる。他の集団に取られるかもしれない)
で、まぁ、いい蜜が見つけられた場合は、なくなるまでそれを集め続けられれば、「蓄え」になり、それをコンスタントに続けれれば、事業や会社は発展するわけです。
ビジネスというのは、突き詰めていけば、「効率」なのだと思います。
どれだけ少ない時間とお金の投資で、どれだけの見返りがあるか。
たとえば100種類の仕事を1人ずつから受けたら、100の手間ですが、1種類の仕事を100人から受けられたら、手間は「100」ではなく、「1」とは言いませんが「10」とか「5」とかになるのです。
そうやって効率を求めていくなかでは、
「上手くいっていることは、変えずに続ける。
上手くいかなかったことは、やめるか、やり方を変える」
という必要があります。
そういう「王道」の道を否定する気は全然ありません。
ビジネスで稼ぐためには、絶対、その方がいいのですから。
しあわせに自分らしく働く「素敵な仕事人」の進化はジグザグ
でも、たとえばカウンセラーのさわとんなどは、以前は「うつ専門カウンセラー」という日本でただ一人の存在で、自身もうつ病からの生還者だったこともあり、NHKに何度も呼ばれたり、自治体からたくさん講演会を頼まれたりしていました。
つまり、「うつ専門カウンセラー」の仕事は成功し、しかも他にライバルもいないので、蜜がまだまだなくなる気配もなく、むしろ毎年補充されるくらいの勢いで(心を病む人は増えていますからね)、変える必要などありませんでした。
でも、急に
と、あっさり辞めてしまうのです。
そのことを、さわとん自身もブログで書かれています。
→ メディア受けも良かった「うつ専門カウンセラー」をなぜ手放したのか
http://ameblo.jp/sawaton/entry-12164200778.html
この選択、「ビジネスでの成功」という観点からは、ちょっとあり得ません。稼ぎを考えたら「勿体ない」からです。
でも、「なんか違う。せっかく独立して仕事をしているのに、自分のしたい仕事と、稼げる仕事が違う気がする」と思うなら、辞めてしまってもいいわけです。
そうやって、「違う」と思ったことを辞めることができるから、さわとんは楽しく生き、楽しく働いているように見え、私も「この人こそ、素敵な仕事人だ!」と思ったのでしょう。
また、カメラマンのまーしーさんに「好きな人を仕事にしないほうがいいって言いますけど……」と訊いたときの答えも、非常にさっぱりしていました。
という私の言葉に、まーしーさんは一言、
まーしーさんは、自分の思った道を進むために、それ以外を断るという意味で言われたので、この言葉は、「ジグザグな進化」というのとは違いますが、でも、「カメラ」に行きつくまでは、まーしーさんも様々なことをして、今、その融合としてカメラがあるのだとも話されていました。
ソプラノ歌手の竹林加寿子さんも
このあいだはこんなことをやっていたのに、今度はこんなことをやっちゃうんだって。
そんな多面的な人間でありたいなと思う。
と言われていましたし。
上司に言われて違和感があった言葉
そんなことを考えていて、ふと思い出したことがあります。
それは、学習塾を運営していた会社に勤めていた頃のことです。私は新規事業開発の仕事をしながら、夕方は実際に授業を持ち、小学生に国語や算数などを教えていました。
そんなとき、結構好きだった三鷹教室の室長に言われました。
「池田さん(私の旧姓)は、なんでも無難にこなしてくれるから、ありがたいよ」
その先生のことは好きだったし、この言葉は多分、ただの言葉のあやで、室長にとっては褒め言葉だったのだと思います。
でも、まだ23歳だった私の心に、「無難にこなすかぁ……」と、なぜかひっかかりました。
それから3年ほど経ち、ちょっと納得いかない異動があったり、経営陣が変わって塾の方針自体が変わってしまったりで、私はぼんやりと、そろそろこの仕事を辞めたいな、と思っていました。
そのことを本八幡教室の室長にほのめかしたところ、こう言われました(私は本八幡教室の所属になって1年目でした)。
「最初は慣れない仕事は大変だと思うけれど、年々慣れていって、楽にこなせるようになってくるから」
本八幡の室長は、あくまで私のことを思って、励ますつもりで言ってくれたのだと分かったのですが、私はこの言葉を聞いたとき、やめたいという思いを強くしました。
毎日に慣れていくのも、仕事をただ「こなす」ようになる未来も嫌だ……。
学生時代、社会人になってすでに10年くらい経った30歳くらいの人に言われました。
「仕事は、多分、最初の3年くらいは楽しいよ」と。
実際、新卒で勤めてみて、まさにそうでした。
でもなんで3年したら楽しくなくなったのか?
それは自分自身に「曲がる」選択肢が見えていなかったからじゃないかと、今になって思います。
入社2,3年目の頃、三鷹の室長に
「新しい事業で毎月フリーペーパーみたいな、新聞みたいなものを創れないかと考えているんだ。文章書くの好きなんだったら、実現したら、手伝ってよ」
と言われたとき、ものすごく心がときめいたのを覚えています。
ただ、その計画は、経営陣が変わったためか、とん挫してしまいました。
今は分かります。
3年もしたら、人間、同じことを続けているだけでは飽きる。 そんなとき、自ら曲がる勇気を持たないと。
そんなことを、素敵な仕事人たちの生き様から、最近、感じました。
まとめ:しあわせに自分らしく働くためには、過去ではなく、「今の自分」に合った仕事を大切にしよう
今の仕事を辞めるとか、ものすごく大きな変化じゃなくてもいいので、「なんとなく毎日が単調だ」と思ったら、何かをちょっとだけ変えてみて、曲がった先の景色を見てみませんか?
あなたがもう起業しているのなら、自分にもう合わなくなった仕事は少しずつ手放して、今の自分にもっとぴったりの仕事に着替えませんか?
起業は「自分」との対話が大事です。お客様も大切ですが、お客様に目を取られすぎていると、自分が進むべき道を見失うこともあります。定期的に、「今している仕事は、今の自分に合っているだろうか」と問う時間は大切にしたいですね。
★しあわせに自分らしく働くヒント【2】に続く……