今日は素敵な仕事人として、ライフワークプロデューサーであり、ジャンボステーションというラジオ局の局長もされている鈴木憲治(ジャンボ)さんをご紹介したいと思います。
ジャンボさんは15年間会社員として働き、結果も出していましたが、頑張りすぎて体と心を壊し、休職後に会社員を辞める選択をします。
その後、「一度しかない人生を楽しむためには、まず自分を自分で応援すること」が大切だと気付き、「わたしのおうえんだん」という冊子を作ったり、自分を応援するように人のことも応援したいと、ライフとワークに関するカウンセリングやコンサルを始め、昨年からはラジオ局の局長までされているという多才な方です。
ただジャンボさんの魅力は、その「多才さ」にあるのではなく、飾らず、今の自分のそのままをさらけ出し、完全ではない今もしっかり受け止め、「発展途上」の状態をもしっかり楽しめているところにあるように感じました。
Contents
オープン初日から失敗した初起業
37歳で会社を辞める前のジャンボさんは、うつやパニック障害などで薬をたくさん飲み、それでも休職中の半年間は家からずっと出られないような状態だったそうです。
しかし、会社を辞めたあと、メンタルコーチの方の塾に通ったり、セミナーやイベントなどで色々な人に出会ううち、「人の心を治すのは薬ではない」ということに気づき、人との縁がきっかけで少しずつ病状は快方に向かいました。
そして、「お金ではなく、人との縁で生きなさい」というメンターの言葉に出会います。
……が、そのときのジャンボさんにはまだ、その言葉を受け止めるだけの準備がありませんでした。
家族もいるし、まずは稼がなくてはという思いがあったジャンボさんは、自分がやりたいことだからではなく、つきあいのある人から勧められ、儲かりそうだったからという理由で唐揚げ屋を始めます。
そして……
「オープン初日に、ものすごく違和感があった。
知り合いが何人も来てくれて、オープンを祝ってくれたのだけれど、自分だけは喜べないというか。これは、自分のやりたいことじゃない、と、気づいてしまった。
それまでの貯金を全部使って店をオープンしたのに」
という経験をします。
悪夢のような恐ろしい経験ですね……。
そしてジャンボさんは、
「違和感を感じてすぐに閉めればまだ良かったのに、それからずるずると半年は続けて、それ以上は無理だと思って、店を閉めた」
そうです。
つまり、最初の起業は初日からつまづき、半年で「失敗」に終わったのでした。
15分で作れと言われて、降って湧いた想いを書いた小冊子
ただ、そんな「失敗」の半年のあいだにジャンボさんは一つの出来事を体験します。
それは、私もこのブログで何度も紹介しているカウンセラー・さわとんさんの小冊子講座に出て、小冊子に自分の想いを書き綴ったことから始まりました。
当時、ジャンボさんはさわとんさんと面識もなく、ただ尊敬していた人がブログでさわとんさんを紹介していたからという理由で、その小冊子を作成する講座に参加してみます。
そして、「とりあえず作ってみましょう! 時間は15分!」と急に言われ、無理無理、と思いながらも、思いついた言葉で紙を埋めてみると、
「わたしのおうえんだん」
というタイトルの、自分がまず自分を応援しなくては、という内容の冊子ができあがりました。
15分で、ボールペンでただ思いついた言葉をざっと書きなぐっただけの小冊子。しかし、その内容を発表すると、「その小冊子、仕上がったら、是非ください」という人が現れます。
え? こんなを欲しいの? と思いながらも、ジャンボさんは8ページだった内容を20ページにまで増やし、筆文字などできちんと清書して、小冊子を仕上げました。
そして、最初に「ください」と言った人だけではなく、希望者に送りますとfacebookなどで告知したところ、顔の広い知り合いの力などもあり、1,000部以上の注文が入り、冊子は日本全国に広がることになりました。
※この小冊子、特別にこのブログからもPDFでダウンロードできるようにさせて頂いちゃいました! 下の画像からどうぞ。(ただ6Mと大きいサイズなので注意!)
毎日のように届く反響。でも……
冊子一冊一冊に、筆文字でメッセージを書いて送ったというマメなジャンボさん。
そのメッセージも効いてか、小冊子を送ってからしばらくは、毎日のように「よくぞ作ってくれました」「私のための言葉のようでした」など、感謝や称賛の手紙が届きました。
しかし……
「その頃はまだ唐揚げ屋を辞めたばかりで、自分なんて大したことができていない人間だという思いの方が強くて、そういった手紙の内容を受け止めきれなかった」
というのが、正直な気持ちだったそうです。
せっかく自分の言葉が1000人以上の人に届いているというのに、残念な話ですが、人には本当に、時期とかタイミングというものがあるのでしょうね。
でもこの「自分こそが自分の最強の応援団なんだ」というメッセージは、実は、カウンセラー・さわとんさんが1年前に立ち上げた「セルフパートナーズ協会」の軸となっている考え方そのものです。
そのことにジャンボさん自身は気づいていなかったそうですが、数か月ほどまえにさわとんさんがジャンボさんのラジオ番組にゲスト出演したときに、「ジャンボの小冊子もヒントになった」というようなことを言われ、あっと思ったそうです。
そしてジャンボさんはこう言われていました。
「3年半前の小冊子の反響を、当時の僕はしっかり受け止められなかったけれど、その小冊子が協会設立のヒントになったというさわとんのフィードバックの言葉を、今ようやく受け取れた気がする」
と。
そしてジャンボさんは、「わたしのおうえんだん」という考えを広める活動を自分自身も力を入れてやっていこう、と決めたそうです。
大事な人とは、こうやって情報も、想いもやる気も、上手く循環するのでしょうね。
自分も「びびり」だから、一歩踏み出せない人の気持ちが分かる
今、ジャンボさんの仕事の中心は、「人の応援をすること」です。
人の話を聴いて、「あなたがしたいことは、こういうことですか?」と想いを整理し、プロフィールやサイトを作ったり、人生設計の相談に乗ったり、幅広い活動で、人が自分のやりたいことに向けて動き出せるように背中を押しています。
それはコンサルとも、カウンセリングとも言えそうですが、ジャンボさんは「そうだね……コンサル……なのかな。でもコンサルをしたいと思っているわけじゃないし、コンサルをしているというと、コンサルタントに怒られちゃいそうだし」とのこと(笑)
ジャンボさんは、そのあだ名の通り、188センチもある体の大きな、がっしりした人なのですが、なぜか、ちょっとシャイな、はにかんだ笑顔が似合います。
そしてその、はにかんだ笑顔で、「結構びびってできなかったことも多いから」とか「僕はチキンだったから」とか、さらりと言えてしまうのが魅力だなと感じました。
「自分がびびりで、できなかったことがあったから、そういう人の気持ちも分かるし、だから、びびっている人の背中を押すようなことをしたい」
と言うジャンボさんの醸し出す雰囲気は柔らかく、あぁ、この人になら自分の迷っている気持ちとか、昔失敗して傷になっていることとか、自分のコンプレックスとか話しても大丈夫そうだとみんな感じるのだろうな、と思いました。
夢に向かって踏み出したいけれど、一歩踏み出す勇気が出ない。
誰かに背中を押してもらいたいけれど、今の思いを否定されたくないし、迷っている心を置き去りにしてとにかく進めというタイプのコーチングみたいなものは嫌だ。
という人にはジャンボさんのセッションはお勧めです!
ラジオ番組のゲストになった気分で、ジャンボさんの質問に答えていく「ラジオセッション」なるサービスも最近始められたそうですから、興味のある方は是非!
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次の一歩は……
そして、ジャンボさんは自分自身も「びびっていたことからの脱却」をテーマに、今、一つ、目標を立てているそうです。
それは、会社を作るなり、法人化すること。
唐揚げ屋を始めたときは、とにかく自分が稼ぐということしか考えていなかった。でも、今は、役立つことをしてお金をもらって、それを循環させていきたいという思いが強くなってきた。
お金をもっと集められれば、チャレンジしたい人の援助もできる。
あとは会社の形にして、もっと好きな人と一緒にチームを組んで仕事ができるようになればいいと思っている。
今まで、会社というしっかりした形を作って、しっかりお金を稼いでいくということから少し逃げている部分があったけれど、これから、そういうことにもチャレンジしていきたい。
素敵な仕事人のなかには、会うたびに進化していて、「え? 今度はそんなことしているの?」と驚くことも多いのですが、ジャンボさんもこれからの進化が楽しみな一人。
法人化して数年経った頃、またインタビューしたいな、などと思ってしまいました。
自営・フリーランスに大切なことは?
あと、自営業の先輩であり、多くの自営業やフリーランスの方の支援をしているジャンボさんに、自営業やフリーランスとして大事なことは何かと訊いてみました。
その答えは……
それは、人とのご縁を大切にとか、ポジティブな言葉だけ口にしましょう、というような、きれいごとだけではない気がする。
そうではなくて、良い面も悪い面もきちんとさらけ出す。
できることは、できる。
できないことは、できないとはっきり言う。そして自分の表も裏もちゃんと見せる。
ダメな部分や苦手なところもきちんと出すと、相手のダメな部分を受け止めることができる。そこから本当の信頼関係が始まると思っている。
15年間会社員生活をしていたときには、ものすごく頑張り屋で、やりたくないことも一生懸命にやり、嫌な顔を見せてはいけないと無理に笑顔も作っていたそうですが、今は、「あの頃は何を守ろうとしていたのかなと思う」そう。
「弱いところを自分が出せるようになったことで、人とより深くつながることができるようになった。
数は減ったかもしれないけれど、よりあったかくて笑いあえる仲間が残った」
そう言うジャンボさんは、心から今の人間関係に満足しているようでした。
自己肯定感を上げるヒント
そして最後に「会社員時代に体を壊すほど頑張っていた自分に、今、声を掛けるとしたら、なんて声を掛けますか?」と訊いてみました。
よく頑張ったね。
あのとき、体を壊すほど頑張ったから、今の自分がいる。
命を落とさなかったから、今の自分がいる。
病気になってくれたからこそ、命は守られたんだ。
ということかな……と答えてくれました。
うつ病から立ち直り、今はカウンセラーとして成功しているさわとんさんも「病気が自分を守ってくれた」とよく話されています。
今、現在進行形で心を病んでいる人はつらいと思いますが、いつか「病気になったからこそ、自分は助かった」と思える日も来るはずです。
それから、ジャンボさんには自己肯定感を上げるヒントをひとつ教えてもらいました。それは「肉体改造」とのこと。
よく「いい言葉を使えば、心が変わり、人生も変わる」などと言われますが、体重が100キロあったときには、自分の体が重いし、嫌いだしで、いい言葉を使ったくらいでは心は変わらなかったそうです。
でも100日かけて体重を10キロ、体脂肪を9%落とし、自分の体が大好きになると、「心なんて簡単に変わった」そう。
「今では自分のことが大好きで、日に何度も鏡を見ちゃう」と。
このブログでは自己肯定感を上げるヒントもいくつか書いてきましたが、「肉体改造」という意見は新鮮だったので、紹介してみました。
ジャンボさんは、「食事7割、運動3割」のダイエットだったそうですが、運動をすると心が前向きになるというのもありますし、今、「なんとなく自分を好きになりきれない」という人は、食事を変えるのでも、運動を増やすのでも、なにか始めてみるといいかもしれませんね。
……ということで、ジャンボさんにも、素敵な話、面白い話をたくさん聴かせて頂きました! ありがとうございました。
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→ 素敵な仕事人の定義と一覧