今日は、人の心を理解し、相手が本当に必要としている言葉をかけることは難しいことだな(でも、だからこそ、そういう言葉は心にしみるな)と感じた出来事について、書いてみたいと思います。
先日、ちょっと早めの夏休みとして、家族3人で石垣島に行ってきました。
私には今、2歳になる子供がいるのですが、子供がいない自由な夫婦生活を11年も送ってきています。で、その間は毎年どこか沖縄の島に4泊5日で行って、なかの3日はダイビングをしまくるという旅行をしていました。
(ダイビングが目的なので、宿は民宿みたいな最低限のところで、夕ご飯は安い居酒屋でOKみたいな)
でも、子供がいるとそんな自由な旅はできず……、「とりあえずエメラルドグリーンの海が見れたらいい」と期待値を下げて、とにかく出発しました。
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行きの飛行機では……
でも、まだ「人間」と「動物」のあいだのような2歳児……。
一番の懸念事項は、長い移動距離です。
去年の沖縄(1歳のときに、大丈夫かなぁと言いながらも、沖縄本島に行きました)のときもかなり大変で、途中でCAさんにミルクを作ってもらったり、抱っこして機内を歩き回ったり、眠っても眠りが浅くて起きては泣き、近くにいるもっと小さな赤ちゃんを起こしてしまい、「ごめんなさい、ごめんなさい……」と謝って過ごすような、疲れた旅でした……。
でも、最近はタブレットを渡すと結構集中して遊んでいるようになり(集中して遊び過ぎるので、家では渡さないようにするのに苦労するほど(^_^;))、今年の2月に法事で広島に行ったときには、そこそこ大人しかったので、大丈夫だろうと、2時間半もかかる石垣島にしたのが間違いでした。
朝の出発が早く、4時半ごろ抱っこしようとしたら起きてしまい、眠くてイライラしていたのもあるのか、離陸する前からぐずり始め、シートベルト着用サインが消えたらすぐに席を立つはめに。
席を立ち、後ろのスペースに行くとそこそこ落ち着き、泣き止んだものの、今度は「ここで自由に遊ばせろ」と、車のおもちゃを走らせて、動くは、動くは……。
でも、JTAの小さな飛行機だったので、トイレの前のスペースがちょっとあるだけで、右に行くとトイレを使う人の邪魔になり、左に行くとCAさんの機内サービスのワゴン置き場なので、CAさんの邪魔になる……。
ということで、その度に彼を抱っこして、「すみません」と謝りながら定位置(?)に戻し、彼に「ぎゃー」と抗議されることを繰り返しました(涙)
で、結局、2時間以上ずっと席には戻れず、着陸時のシートベルト着用サインが出る少し前にCAさんに言われて席に戻り、また彼に「ぎゃー」と抗議されながら、石垣島に到着しました。
CAさんからもらったハガキ
これは全部、私たちの読みが甘かったということで、本当、ご迷惑かけてすみません、という気持ちだったのですが、飛行機を降りるとき、CAさんからこんなハガキを頂きました。
何もお手伝いできなかったと書いてありますが、全然そんなことはなく、子供におもちゃを持ってきてくれたり、ぐずったときには相手をしてくれたり、CAさんのための席に「座っていてくださいね」と言ってくれたり、本当、色々してくださいました。
去年ANAに乗った時は、子供にとっては人生初のフライトだったので、子供に向けたメッセージが書かれたハガキをもらい、それも嬉しかったですが、今回のこのメッセージは、すごい響きましたね。うるうる来ちゃいました。
子育ては、人の温かみに触れる機会
子どもを育てることは、大変だと分かっていたけれど、やはり大変で、人に迷惑を掛けたり、人に助けてもらったりしないとやっていけないことも多いんですよね。
でも、だからこそ人の温かみに触れる機会も増えたのかもしれないなとも感じます。
電車は混んでいる時間には乗らないように気を付けているからか、意外にも「うるさい」などとマイナスの言葉を言われたことはなく、ぐずっていたら、席を譲ろうとしてくれる人がいたり、「座ると余計泣くので」というと、「じゃあ、隅の方が立ちやすいですよね」と今度は立っていた人が場所を譲ってくれたり……という素敵な経験もありました。
旦那に背負われていた子供がニコニコしているのでどうしたのだろうと見ると、若い男の子や、気難しそうに見えていたおじいさんが彼に笑ってくれていたり、あやしてくれていたり。
言われて嬉しい言葉とはなんだろう?
でも最近一つ思うことがあるのです。
それは、「いやいや期で、大変」と話したり、FBなどに書いたときの人の反応です。
8割以上の人が、そういう言葉に「でも、今が一番かわいいときだよ」「大きくなるともっと大変だから」と言うんですよね。
まだ子供が歩けなかった6か月頃には「でも、歩き始めると大変だから」「2歳くらいになると生意気になるから、今がかわいいよ」とよく言われました。
喉元過ぎれば熱さ忘れる、なんですかね。
でも、そんななかで、本当2割くらいの人が、
「そうそう、この時期が一番大変だった」
「もうちょっとしたら落ち着くから。本当、大変だよね。うちもね……」
と言ってくれました。
なかには、6か月のときに「そうそう、この時期、大変だった」と言い、2歳になってからも「うちもその時期、大変だった」と言ってくれた人もいます。
私は、そうやって「そうそう、この時期が(一番)大変だった」と言ってくれた人は、ちゃんと覚えています。
それは、嬉しかったから。
心理学ではよく、「事実よりも、相手がどう感じているかが大事」と言います。でも、日常の会話で、相手の気持ちに寄り添うことって難しいことなんだな、と改めて思うのが、この会話でなのです。
私も喉元過ぎると、「でも、あの頃はかわいかった」なんて言ってしまうのかもしれませんが、でも、自分の実感としては、一番出産後2週間が大変だったし、次に2か月までが大変だったし、その次に6か月までが大変だったし……そして今も大変!
(もちろん、かわいいとも思いますけどね。でも、それでも間違いなく、子供は大変な生き物なのです)
だから、「うちの子、大変で」と言われたら、「そうですよね。大変ですよね。その時期が一番大変だった」とずっと言えるようにしよう、と思います。
つらかったり、大変だったりするときほど、人の、心に寄り添おうとする気持ちはありがたいものなのです。
まとめ:人の心に寄り添うというのは…
まとめもタイトルと同じで、人の心に寄り添うって難しいな、ということ。
でも、そう分かっている人は、やさしい人です。
自分の頭にふっと浮かんだ言葉が、相手の望んでいる言葉なのかどうか、一度間を取って、考えてから口にするだけで、きっと、相手にとってやさしい人になれるだろうなと私は思います。