アリとキリギリス キリギリスは社会に貢献していないのか?

アリとキリギリス

先日、「素敵な仕事人の共通点その6」として、「蓄えるために稼ぐわけじゃない」ということを書いたのですが、最近ちょっと考えるのは、「アリとキリギリス」の童話のことです。

まぁ、いわずとしれた有名な「夏のあいだ働かずに歌ってばかりいたキリギリスは、冬になって食べるものがなくなり困る」という話ですね。だから、冬が来る前に、計画的に蓄えを作っておかないといけませんよ、という。

私は「原作」なるものを読んだ記憶はないのですが、キリギリスは最終的に、餓死してしまうんですかね……。


アリはキリギリスを助けるか?

多分、童話のラストは教訓が分かりやすくなるように、アリはあえてキリギリスを助けないのだと思うのですが、さすがにそれはかわいそうだと思ったのか、うちの子供の保育園の出し物では、最後、アリが「しょうがないなぁ」とキリギリスを家に迎え入れ、蓄えていた餌を分けてあげる、という結末になっていました。

そうアレンジする先生の気持ちも分かるのですが、でも、こうしてしまうと、結局この話は誰に何を伝えるための話だったのか、分からなくなりますよね(^_^;)
(と、一応、自称小説家は思いました)

あと、少し前の「おかあさんといっしょ」では、歌うのが好きという設定のメーコブというヤギのキャラクターが、「アリとキリギリス」の童話を知り、「僕は歌っていたらダメなんじゃないか」と不安に思うというお話もありました。

この話は、長老が最後に「子どものうちは、色々なことをするのが仕事のようなものだから、今は好きなことを思い切りするといい」というようなコメントを言い、メーコブはほっとして、歌を歌い続けるという結末でした。

父親の仕事が絵を描くことだとは伝えたくない

ちょっと話は変わるのですが、私は大学時代、絵の教室に通っていたことがあります(ものになりませんでしたが……)。そこの先生は多分50代だろうと思われる女性の先生だったのですが、妻子持ちの画家に恋をし、未婚のまま(多分)40代で子供を産み、その後、その画家が離婚し、無事に夫婦になったという波乱万丈の人生を生きている人でした。

で、当時その子供が小学校2年生で(やんちゃな男の子)、家庭教師を頼まれて面倒をみたりしていたのですが、そのときに、母親(絵画教室の先生)から、こう言われたのが、結構衝撃的でした。

「絵を描くことが仕事になるなんて思われたくないから、お父さんは昼間は絵を描いているけれど、夜には警備員の仕事をしていて、それで稼いでいると伝えている」

その人自身も「絵で食べている」人だったわけですが……、でも、だからこそ、表現の世界を仕事にすることの大変さを痛感していたのでしょうか。

職業は色々 人生も色々

また少し話は変わりますが、3.11のときには、多くのミュージシャンや俳優などが「自分のやっていることは何の意味もないのではないかと悩んだ」と言っていたのが印象的でした。

でも、そんなことはないわけですよね。

「娯楽」や「表現」のジャンルで活動している人だって、それに価値を見出してくれる人がいるから、仕事になっている。

安定しやすい職業と、安定した収入を得たり、安定した仕事を得たりするのが難しいタイプの仕事があるのは確かだと思います。

そして、子供には不安定で苦労するのが目に見えている世界に進んでほしくはないという親心が分からなくはありません。

でも、プロのミュージシャンになったものの売れなくなって、きつい思いをしたあと、まったく違う社労士&研修講師というジャンルで「自分らしさ」を華開かせ、また「バンドをするぞ」と、社労士仲間と趣味でバンドを結成し、楽しく生きている桑原先生みたいな人もいます。

一般的には新卒での就職に失敗したら終わりだみたいに言われてますが、本当の社会はそんな単純じゃないと思います。

たとえその職業で思ったほどの成功は得られなくても、好きなことを仕事にしようと精一杯走り抜けた日々は、必ず人生のどこかにまた生きてくるはずだし、「やりたい」や「好き」を犠牲にする必要はないんじゃないかな、と私は思います。

キリギリスを家に入れたくなる理由

で、「アリとキリギリス」の話に戻るのですが……。

あの話でキリギリスが窮地に追い込まれるのは、「冬のために蓄えておいた方がいい」というアリの忠告を無視し、必死に働くアリをあざ笑っていた罰なわけで、それなら、まぁ、しょうがないかな、という気がします。

ただ、最後にアリがキリギリスを家に招き入れ、食事を振舞うラストにしたいなら、こんなストーリーはどうかな、と考えてみました(笑)

夏のあいだ、アリは冬に備えて、一生懸命に食料を運んでいます。

キリギリスは歌を歌ったり、バイオリンを弾いて過ごします。キリギリスは決して怠けているわけではなくて、歌や音楽が好きだから、ただ純粋にそれを楽しみ、表現しているのです。

アリは汗をかいて働きながらも、キリギリスの音楽に合わせて歌い、休憩時間にはみんなで音楽を楽しみます。

だから、冬になってキリギリスが尋ねてきても、「是非、暖炉の前で、美しい音楽を奏でてください」と家に招き入れ、一緒に楽しく歌いながら、食事をしました。

めでたし、めでたし。

ま、学校の授業では取り上げてもらえそうもないお話ですが(^_^;)、でも、こういうふうにみんなが自分の好きなこと&得意なことで世の中に貢献するというのが、もっと当たり前になって、お金という蓄えではなく、それぞれの人の「スキル」や「人柄」みたいなものが最後は自分を救う、みたいな世界になったら素敵だな、と思います。

執筆者:遊部 香(あそべ かおり)

オフィス言の葉代表・起業家支援ライター

仕事では主に、起業して間もない人、これから起業しようと思っている人に対する文章支援を行っています。「ライターが作るホームページ」サービスも人気です。

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