KY(空気が読めない)を治したい? KYってそんなにいけないことなの?

KYはいけないこと?

昨日、テレビ朝日の「しくじり先生」を見ました。全部は見られませんでしたが、主に神田うのさんの部分。

神田うのさんは最近「嫌われ者キャラ」としてよくテレビに出ているように思いますが(民法をあまり見ない私でも数回見たくらい)、そのキャラの延長上でなのか、昨日の番組には、「KY(空気を読めない)だったばかりに、バッシングを受け、嫌われ者になり、家族にも迷惑をかけた“しくじり”先生」として登場していました。

その最後の方、信頼していたベビーシッターに2年間に渡って私物のブランドバックなど計1500万円ほどを盗まれていたという事件について語っているときから、ちょっと声をつまらせていた姿が心に残りました。

うのさんは、KY(空気を読めない人)として批判を受けているようですが、KYって、本当にそんなにいけないことなんでしょうか?

Contents

被害者なのにバッシング?

この事件については、当時報道されたときのことも覚えていますが、「子どもを預けてもいいと思うほど信頼していた人に裏切られた」というショックは、いかほどだっただろうと、普通、想像できます。

当時、うのさんは泣きながらも、「子供に何事もなかったのは良かったと思う」と気丈にコメントしていましたが、1500万円分の物が無くなったということより、信頼できる人を一人喪ったというショックの方が大きかったはずです。

でも、この報道のあと、うのさんは、「ベビーシッターを4人も雇っているなんて、セレブ自慢(仕事に絶対穴を空けられないと思ったら、複数のベビーシッターと契約しておくのは普通だと思いますが)」とか、「1500万円分盗られたなんて、どれほど高級なものを持っているんだ」とか、世間から叩かれたとか。

そして昨日の番組は、「自分が今までKYで、敵を多く作ってきたために、こういう事件が起きた後にもバッシングを受け、夫や子供にとても迷惑を掛けてしまった。一人のときには良かったけれど、今はもうママなのだから、KYは卒業したい」という、うのさんのコメントに続いていきました。




KY(空気が読めない)を直すために、空気になる?!

番組の趣旨は、「人の失敗から学び、自分は同じような失敗をしないようにしよう」というものなので、あくまで、うのさんの生き方には問題があり、それを正していく必要があるという見せ方で一貫して作らなくてはいけなかった、というのは、分からなくはありません。

で、でも!!

なんか違うんじゃないか? なにか根本的に違うんじゃないか?!

という違和感を、ものすごく感じてしまいました。

確かにうのさんの生き方は、とっても尖っています。もしかしたら、そばにいたら、むかつくほど我儘なのかもしれません。

でも、人の意見など気にせず、自分らしさを徹底的に表現してきたからこそ、芸能人としてだけではなく、デザイナーとしても成功し、オリジナルな存在として、輝いてきたわけです。

そんな人に、最後、

「KYを直すために、私は、ときどき“空気”のようになろう、と思いました。
自分を殺して、周りに溶け込む努力をします」

とか、そんな言葉を言わせるなんて……(うろ覚えなので、正確な言葉ではありませんが、自分を「殺して」、「空気」になるという意味の言葉だったのは確かです)。

日本って、怖い……と思いました。

バッシングをする人は、抑圧された人

なぜ、神田うのさんがバッシングされるのかと言えば、みんなもっと自分の思うことを口にして、思うように行動したいのに、それができないから、そうやって生きられている人が羨ましいのです。

つまり、今は空気を読みすぎて、疲弊してしまっている人たちが、もっと自分をオープンにして、人生を楽しめたら、こんな無駄なバッシングなど起きないわけです。

なのに、せっかく自分らしく生きている人を、逆に「空気が読める」、つまり、人に合わせた、抑圧された、つまらない人に仕立て上げようとしている……。

そうやって、さらに「空気を読む人」を増やしたところで、社会には抑圧された「不満」がより蔓延するだけです。そうなると、うのさんほどではなく、もっと「ちょっとだけ自由」な雰囲気の人まで、バッシングする社会になるのです。

人に迷惑をかけ続けてはいけませんが、自分を大事にし、自分が自分らしく生きることをまず自分に許すことで、人にも寛容になっていけるはずです。

私が好きなジュリア・キャメロンさんの「ずっとやりたかったことをやりなさい」という本には、こんな言葉が登場します。

自分はわがままじゃないだろうか、と気にするより、
自分は十分にわがままだろうかと気にしなさい。

自分の心のままに行動し、心を満たせる人が増えれば、それは「わがままな社会」ではなく、今よりもっと人が人を本当に思いやれる、温かい社会になるのではないかと思います。

日本が、もっとそんな方向に変わっていってくれたらと思いました。

★プレゼント中!★
このブログのエッセンスをぎゅっと凝縮した
「しあわせに生き、しあわせに働くための 10のステップ」プレゼント中!
→ http://vitarals.com/post_lp/mag

執筆者:遊部 香(あそべ かおり)

文章を書いたり、写真を撮ったりしています。

現在は、『凪~遊部香official site~』で主に活動中。

>> 詳しいプロフィール
>> メインサイト「凪」



KYはいけないこと?