先日、本屋で面白い本がないかと物色していて目についた「社員29人以下の会社を強くする50の習慣」という本。この中には、タイトル通り、小さな会社を活性化させるアイディアが50個書かれているのですが、そのなかで、特に面白く思った提案がありました。
それが「社員に5日の連続休暇を与える」というもの。
それって、魅力的な会社に見せて、いい人材を確保するため?と一瞬思いますが、作者の意図は別にあります。
社員に5日の連続休暇を与えるメリットとは?
5日連続の休暇を与えるメリットとして、筆者は下記の2つを挙げています。
- 1人の社員が5日間抜けることで回らなくなる仕事があるということは、社員が抱え込んでいる「ブラックボックス」があるということ。それが明らかになる。
- 「自分がいなくてはこの会社は回らない」と考える古くからいる“わがままな社員”の目を覚ます
いやぁ、面白い視点です。でも、言われてみれば、もっともですね。
とても忙しそうにしていた(でもなんで忙しいのか、周りの人はいまいち分からない)人が退職することになり、「あの人の仕事を引き継ぐ人は大変だ」と思っていたら、次の人は、案外暇そうだったということ、ありませんか?
また、忙しく駆けずり回っていた人が休業することになり、休業に入った当初は訳が分からず、大変だったけれど、その人が休業したおかげで、意外と業務が整理できて、すっきりした、ということもないですか?
理由はよく分からないけれど「なんか忙しそう」な人、というのは、実は結構ブラックボックスです。思い切って休ませるのは、おもしろいかもしれません。
育児休業取得を妨げるもの
ワークライフバランスの提唱者として有名な小室淑恵さんも「子育てがプラスを生む「逆転」仕事術」という本で、「自分にしかできない仕事があることが優秀な人材だと考える思い違いが、育児休業取得を妨げる」と言われていますが、確かにそうですね。
「優秀な人材」というのは、最低限の業務の流れは、自分が急に休んでも回るように手を打っておきつつ、普段はその「他の人にもできる仕事」をその人なりの付加価値をつけて行うひとではないかと思います。
そして、長期間休んでも、周りから不平不満が出なければ、それは普段からその人が周りの人に親切にしていたということです(その人の休み中、少し負担が増えても「お返しをしている」という気分になれるくらい)。
最近、「マタハラ」という言葉もよく聞きますが、「マタハラ」を防ぐためには、本人の普段からの心がけも大きいように気がします。