社労士的な観点で見ると、最近、うつ病で労災認定される件数が増えてきています。
労災認定されるというのは、「会社に責任がある」「仕事に原因がある」と認められたということです。
うつ病自体が増えてきているのかは分かりませんが、2015年から50人以上の会社は社員の「ストレスチェック」をしなくてはいけないという法律も施行されましたし、会社が社員の「心の健康」に気遣う傾向は強まっていきそうです。
でも、認定されない「職場が原因」のうつも多そう
うつ病のメカニズムはまだはっきりと解明はされていませんが、うつ病で労災認定されるケースは、大きく2つに分けられ、
- 長時間労働だった(月80時間以上の残業時間があると黄色信号)
- パワハラやセクハラがあった
であるといわれています。
ただ、上記は「会社に責任がある」と認めやすい2つの原因であるというだけで、うつ病の大きな原因には、
「マイナス思考が積み重なり、思考の負のスパイラルから抜け出せなくなった」
「会社全体が暗い雰囲気で、そこで毎日過ごすと憂鬱な気分になる」
ということもあると思います。
「会社全体が暗い雰囲気で、そこで毎日過ごすと憂鬱な気分になる」ということが原因ですと、これで「労災認定」されるのは難しいとは思いますが、でも、職場の雰囲気というのは本当は重要です。
教育の現場でも、担任の先生が高圧的だったり、裏表があるような性格だと、そのクラスではいじめが増えるとよく言われています。
誰かが原因で、場にゆがみが生じることによって、そのゆがみを感じた他の誰かが、またもっと弱い誰かに対してマイナスの行為(いじめなど)を働き、それが連鎖していくというものです。
そういう職場や学校は嫌ですよね。
職場の雰囲気が悪い場合の対策
もしパワハラ上司のせいでその職場全体が悪くなっているのでしたら、その上司が上司でなくなるようにすればいい。
会社が成果を重視しすぎるから、社員同士がぎすぎすするのだったら、成果主義をやめたらいい。
と、言うのは簡単ですが、実際には難しいですよね。
ギスギス感の原因は、職場のコミュニケーション不足(挨拶がない、相手のことをよく分からない)であることも多いですから、夕方に「おやつタイム」を作り、職場の一角におやつを置いて、みんなで仕事を離れて語らう時間を作る、など、何らかの仕組みを作ることが役立つことも多いかと思います(会話の少ない、ほとんどの人がデスクワークをしているIT系の企業には向く方法かと思います)。
ただ、自分が経営者やそれなりのポストにいるならいいですが、一介の社員の場合、そんな仕組みを提案するのも難しいものです。
じゃあ、いったいどうしたらいいか?
「まず、自分だけでも変わる」と決意することです。
は? ここまで読んできて、そんな結論? と思われるかもしれませんが、
「変えられるのは未来と自分だけ。過去と人は変えられない」のです。
そして、さっき書いたように、一人、問題のある先生なり上司がいると、その場全体が悪くなります。つまり、一人が発する影響というのは、案外大きいのです。
一人が発するプラスの影響も、ばかにしてはいけません。
ということで、明日は、自分がまず「しあわせ」を発する人になれるようにする方法を書きたいと思います。 → 幸福感を増す方法 「3 good things」の薦め
[…] 「職場の雰囲気が良くないとき」という記事で、「まず、自分だけでも変わる」と決意することが大切だと書きました。 […]