コミュニケーションの第1ステップは
「自分と他人は違うと理解し、だからこそ相手の言葉に耳を傾ける」
ということです。
では第2のステップは何か、というと、
「相手を承認する」ことです。
自分と違うけれど、そんな相手を「認め、受け入れる」ということですね。
いい点と改善してほしい点がある場合
心理学のなかにも「承認」という言葉は出てきます。
その「承認」のなかには、「朝、笑顔で挨拶をする」とか「頼んだことをやってくれたら、ありがとうと伝える」というものから、「本人が気付いていない良い点を褒める」とか「激励する」というちょっと高度なものもあります。
褒めるというのは、得意な人と、不得意な人が分かれるかもしれません。
また、よく頑張っているんだけれど、もうちょっと変えたほうがいいところもある、という場合に、それを上手く「承認」として伝えるのには技がいります。
たとえばこんなとき、皆さんはどう言いますか?
- 入社2年目のAさんに、B商品のモニターをお願いしたお客さん20人に電話をして、意見を拾ってくれるように頼んだ。
- Aさんは期限内に20人に電話をして、意見をヒアリングし、レポートにまとめて提出した。
- Aさんのレポートは、20人の意見が良い点と悪い点に分けて羅列されていた。
- 私(上司or先輩)は、できたらAさんに、「今後の改善策」までをまとめてレポートに書いてもらいたいと思った。
ちょっと考えてみてください!
BUTでなくて
考えられましたか?
まず、
「期限内によくまとめたね」
というようなねぎらいや感謝の言葉は、はじめに浮かびましたか?
頼んだことはきちんとこなしたのですから、まずは承認の言葉を伝えるといいですね。
では、承認の言葉のあとはどうつなげたでしょうか?
「期限内によくまとめたね」
「でも」
「Aさんの考える今後の改善策も付け加えてくれないかな」
と、要求を「でも」でつなげませんでしたか?
もちろん、上記の言い方でも間違いではありません。ただ、受け手により「承認」をあたえるためには「BUT」ではなく「AND」でつなぐことを意識するといいと言われています。
上の場合は、
「期限内によくまとめたね。Aさんの考える今後の改善策がつくと、さらにいいね」
などとなります(日本語の場合、ANDの部分は省略したほうが自然なので、ここではニュアンスだけ残して、接続詞は省いています)。
自分が言われる立場だったら、受ける印象が変わると思いませんか?
なかなかこの「AND」は慣れるまで使うのが難しく、私も「でも」と言ってしまうことが多いのですが、意識していれば、2回に1回はきっと「AND」を使えるようになりますよ。