仕事を辞めていいときはどんなとき?:辞めていいか客観的に判断するワークをご紹介

先日、厚生労働省が公表した「平成24年3月に卒業した新規学卒者の卒業後3年以内の離職状況」によると、大卒の3割強、高卒の4割が3年以内に離職するそうです。

 

◆新規学卒者の卒業後3年以内離職率

  • 大学 32.3% 前年比0.1ポイント減
  • 短大等 41.5% 同0.3ポイント増
  • 高校 40.0% 同0.4ポイント増
  • 中学 65.3% 同0.5ポイント増

今は、売り手市場ですから、転職を考える人の割合も、増加傾向とか。

明らかにブラックな企業でしたら、自分の身を守るために転職を考えた方がいいと思いますが、会社に入ってすぐ「この仕事(会社)は自分には合わない」と考えるのは危険です。

 

まずは冷静に考えてみる

先週は、進みたい方向に意識を向けようということを中心に書きましたが、意識を向けると、そちらに進むだけではなく、意識を向けたものが増えるという法則もあります。

ですから、「あー、なんか大変な仕事を頼まれた。嫌だ」と思い、そこに意識を向け続けていると、「そういえば、このあいだ上司にあんなことを言われた。あれも嫌だった。そうそう、同僚も大変な時に助けてくれなかったっけ。あー、この会社、嫌だ。この仕事、嫌だ」と、どんどん「嫌」なことに目が向いてしまい、良い部分があっても、そこは見えなくなってしまいます。

そんなときには、「会社と仕事に関するバランスシート」を作ってみましょう。

と、本田有明さんは著書で言われています。

バランスシートというのは、簿記などでいう貸借対照表です。難しいことはいいのですが、左側に「借方(資産)」、右側に「貸方(負債・純資産)」を書き、最終的には右も左も同じ金額になる、というものです。

つまり「会社と仕事に関するバランスシート」を作るというのは、今の会社や仕事に対する「嫌だなぁ」と思うこと(たとえば、仕事がきつい、上司が嫌な奴だなど)をたとえば10個書いたら、今の会社や仕事についていいと思えることも10個書いてみよう、ということ。

人間、ネガティブな気持ちになっているときは、なかなか物事のいい面を見られなくなってしまいますが、そういうときには、小さくても感謝できることを探すと、気分が少し上がると言われています。

このバランスシート作りも、同じような効果を発揮してくれるはずです。

自分なりの判断の軸を持つ

そしてこの本では、書いた「嫌だなぁ」と思う各項目について、縦軸・横軸を使った分析をすることを薦めています。

片方の軸は、それが「本質的な問題か、一過性の問題か」、もう一つの軸は「自力で解決可能な問題か、自力での解決が困難な問題か」です。

そうすると、各項目は、

1.本質的であり、自分での解決が困難な問題

2.本質的ではあるが、自力での解決が可能な問題

3.一過性ではあるが、自力での解決が困難な問題

4.一過性であり、自力での解決が可能な問題

の4つに分けられることになります。

本田有明さん曰く、転職していいのは「1」のときだけだということ。

ただ、これはあくまで本田さんの考えなので、あとはこういう意見を参考にして、自分なりの軸を作り、自分の力で、現状を「客観的」に判断できるようになるのが、一番理想かと思います。

私自身は、正社員になったことがある会社は2つで、どちらも4年ほどで辞めていますし、今はフリーで働いている身なので、強く「簡単に会社を辞めるな」という気はありませんが、できればマイナスの理由ではなく、「もっとスキルアップしたい」という前向きな理由で転職・離職する人が増えたらいいなと思います。

問題点を書きだすだけで、問題から距離を置いて、客観的に状況を判断できるようになるはずです。まずは、今感じている問題点を、紙に書きだすところから始めてみませんか?

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執筆者:遊部 香(あそべ かおり)

文章を書いたり、写真を撮ったりしています。

現在は、『凪~遊部香official site~』で主に活動中。

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