遊びの分野では、星占いや血液型占いを始め、様々な占いや、心理テストや性格診断のようなものが多くあります。
人事の世界でも、「適性検査」というものがあります。
これは堅苦しいものに感じられがちですが、ざっくり言ってしまえば、オフィシャルに一定の正確性が認められた「性格診断」というか「心理テスト」です。
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適性検査は違いを明らかにする
人事の世界の「適性検査」は、「この人を採用していいか」決める場合によく使われ、「この上司の下にこの部下を配置していいか」という人事異動などを決めるときにも使われます。
最近はメンタルの問題で休職する人も増え、会社も「メンタルが強い人を採りたい」と思っていますので、適性検査のなかには、「メンタルの強さ」を見抜ける、ということを売りにしたものも増えています。
しかし、採用に使われる適性検査の多くは、どう答えたらいい結果になり、採用されるか、など様々に「攻略」されてしまっています。
ただ本来、「適性検査」で分かる「性格」や「価値観」に、「良い」「悪い」はないはずです(その会社に合う・合わない、今求めている職種に合う・合わないはあっても)。
自分と人の違いを明らかにする
そういう意味では、適性検査も、採用ではなく、研修などに使ってみるとおもしろいです。
私も以前、企業研修の講師をしていた頃は、いくつか適性検査などを使って、コミュニケーション研修などもしていました。
ある程度、「あぁ、確かに自分はこういうところがあるな」と納得できる結果が出る適性検査の場合、自分自身の長所と短所が明確になりますし、その結果として、自分の短所を改善するためにはどういうことに気をつければいいかが分かってきます。
ただそれ以上に、適性検査を研修に使う面白さは、「他の人と自分はこんなに違うんだ」と改めて気づけることです。
普段の生活や、一緒に仕事をするなかで、「この人は自分となんか違う価値観を持っていそうだ」「ちょっと考え方が違うな」とぼんやり感じることはあると思いますが、価値観や考え方の違いをが、はっきり明確にされる機会というのは案外少ないものです。
コミュニケーションの第一歩
そして「自分と人とは違う」というと痛感することが、コミュニケーションの第一歩です。
同じものを見ても、同じことを聞いても、同じ経験をしても、自分と人では捉え方が違います。
だから、自分が人に何か伝えたら、それが自分の思った通りに伝わったかどうかに気を配る必要がありますし、人に何か言われたときには、自分が受け取ったことと、相手が意図したことが同じであるか、確認する必要が出てきます。
コミュニケーションの基本は「聞くこと」だとよく言われますが、それは、聞かないと、「自分と違う相手」が何を考えているか、正確には理解できないからです。
そして「聞くこと」の重要性をしっかり理解できるのは、「自分と相手は違う人」と分かっている人だけです。
また、「自分と相手は違う人」と認識している人は、「言わなくても分かるはず」という期待を持ちません。
必要なことは、しっかり分かりやすい言葉にして、伝えます。
コミュニケーションがうまくいかないとき、人は「人と自分は違う人」ということを忘れているのです。
「人は自分とは違う」という認識が、コミュニケーションの第一歩だということを、是非意識してみてくださいね。
[…] 昨日は、「自分と相手は別の人」ということを書きました。 […]