先週2回にわたって「心の栄養をとる」方法を書きました。
参考:「心の栄養をとる(1)」「心の栄養をとる(2)」
そこでは、心をポジティブな言葉で満たす・自分を元気にしてくれることをするという2つの方法を紹介しましたが、心の栄養の最たるものは、実は「睡眠」です。
ただこの「睡眠」は、長さだけではなく、質も重要ですし、なかなか「自分は良い睡眠をとれている」と言い切れる人は少ないかもしれません。
今日は「良い睡眠とは?」を知るためのヒントになりそうな情報をいくつかご紹介します。
Contents
厚生労働省が出した「健康づくりのための睡眠指針2014」
厚生労働省は昨年、「健康づくりのための睡眠指針2014」なる資料を公表しました。
そこには下記のような「睡眠12か条」が挙げられており、それぞれについて、解説がなされています。
1.良い睡眠で、からだもこころも健康に。
2.適度な運動、しっかり朝食、ねむりとめざめのメリハリを。
3.良い睡眠は、生活習慣病予防につながります。
4.睡眠による休養感は、こころの健康に重要です。
5.年齢や季節に応じて、ひるまの眠気で困らない程度の睡眠を。
6.良い睡眠のためには、環境づくりも重要です。
7.若年世代は夜更かし避けて、体内時計のリズムを保つ。
8.勤労世代の疲労回復・能率アップに、毎日十分な睡眠を。
9.熟年世代は朝晩メリハリ、ひるまに適度な運動で良い睡眠。
10.眠くなってから寝床に入り、起きる時刻は遅らせない。
11.いつもと違う睡眠には、要注意。
12.眠れない、その苦しみをかかえずに、専門家に相談を。
いくつか重要そうなポイントをご紹介
解説のなかには、寝る前にカフェイン摂取はやめましょう、など、分かり切ったことも多いですが、知られていないことや、知っているけれど普段意識していないこともいくつかあるように思えるので、それをご紹介したいと思います。
◆朝食はからだとこころのめざめに重要
→あとは、朝日を浴びることが目覚めには重要と言われています。
朝日を浴びることで、1日25時間の設定になっている体内時計を正しく修正できるそうです、
◆睡眠薬代わりの寝酒は睡眠を悪くする
→お酒を飲むと、寝つきは良くなりますが、睡眠が浅くなり、質が落ちることが知られています。
◆年齢や季節に応じて、ひるまの眠気で困らない程度の睡眠を。
→子どもの頃は「8時間睡眠」が良いように言われていたようにも思いますが、必要な睡眠時間は、歳をとるほど短くなることが最近の研究では分かっているようです。
休みの日に多く寝て、逆に体がだるくなったら、それほどの睡眠時間を必要としていないのかもしれません。
◆眠りが浅いときは、むしろ積極的に遅寝・早起きに
→不眠症気味の人は、眠くなってから寝床に着き、就寝時刻にこだわらないことも重要です。「また眠れないかも」という思いが、不眠症を悪化させます。人間、本当に睡眠不足になったら、立っていても、どんな状況でも寝てしまうものです。
※ただ、寝られなくてつらいときには、12か条にもあるように、早めに専門医に相談しましょう。
◆睡眠不足が蓄積すると回復に時間がかかる
→忙しくても、日々、最低限の睡眠をとることは重要です。
休日に「寝だめ」することはできないと言われています。
◆自分にあったリラックス法が眠りへの心身の準備となる
→寝つきをよくし、睡眠の質を高めるためには、寝る直前にパソコンやスマホの画面など明るいものを見るのはやめましょう。
私は寝る前の10分くらいは、常夜灯だけにして、静かな音楽をかけ、ストレッチや足のマッサージをしたりしています!(ちなみに朝も必ず、ストレッチから始めます)
サイコロジカル・ディタッチメント
また最近、産業心理学の世界では、「オフに仕事から心理的に離れること」が深い睡眠に欠かせないということが言われています。
このオフに仕事から心理的に離れることができているかが、1年後の仕事のやりがいや、心身の状態にかなり影響しているという実験結果も出ているそうです。
長い人生の中で、たまには仕事漬けになる時期があってもいいかもしれませんが、そういう時期が長すぎると、「1年後の仕事のやりがい」にも影響を及ぼすとなれば、やはりどんなときも、適度な休息を取り、やる気を持続させることも考えたいですね。