社労士業界では今、「マイナンバー」に次ぐ重要関心事になっている「ストレスチェック制度」。
今年12月から、企業は今までの健康診断に加え、社員にストレスの有無を判定するためのチェックテストを受けさせなくてはいけないという制度です(ただし義務なのは、50人以上の企業で、それ以下は努力義務)。
ストレスと一概に言っても、仕事上のストレスもあれば、家庭が上手くいっていないとか、親の介護の負担が大きいなど、プライベートのものもあるはずですが、企業の責任の幅がどんどん広がっていっている印象も受けます。
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社員の健康対策に自主的に乗り出す企業
国側からもそういう動きが出てきていますが、自主的に社員の健康について対策に乗り出している企業も増えてきています。
タニタが社員食堂のメニューを健康志向にして話題になったのは、多くの人が知るところだと思いますが、企業イメージを上げる一つの戦略として、「社員の健康に気を遣っている企業です」というアピールも増えてきていると感じます。
先日、大京グループが出したプレスリリースの内容が、なかなか興味深かったです。
大京グループ(本社:東京都渋谷区、社長:山口陽)では社員の健康に投資する取り組みを推進するため、昨年度より開始した「Daikyo Health Program(DHP=大京健康プログラム)」研修を、規模を拡大して継続いたします。本年度は対象者を首都圏から全国に、管理職だけでなく非管理職にも拡大し、健康を図る指標とするBMI※1値が30以上の社員43名が8月末から9月初旬、第1回の集合研修として寺での精神修養を行い、半年間の研修をスタートしました。
どんな研修なのだろう?
つまり、太り過ぎの人を選んで、ある意味強制的に、生活習慣の見直しの手伝いをするということですね。
BMI30というのは、たとえば身長155センチだと体重72.1キロ、165センチだと81.7キロ、
175センチだと91.9キロだそうです。かなり太っている感じですね。
集合研修は1日、お寺での写経など精神的な”修行”らしいですが、昨年開催時の対象者が「お寺でとても厳しい修行をした」と社内に広めたため、それ以来、BMIに関心を示す社員も増えたとか。
また、半年間の研修というのは、
「運動」「食事」「ストレス」の3つの面で支援を受けながら、4回の集合研修と、毎月のパーソナルトレーナーによる個別面談支援、SNSを活用した参加者同士の情報共有を通じて、各人の目標値達成を目指します。
とのこと。
昨年は対象者全員が減量に成功し、「そのうちの約半数が10~20kgの減量をすることができた」そうですから、なかなか厳しい研修になっていそうです。
二極化?
最近は、経済産業省と東京証券取引所が従業員の健康保持・増進活動を推進する企業を「健康経営銘柄」として選定しています。
終身雇用が崩壊し、会社が従業員の生活に責任を持つような雰囲気は薄れる傾向になっていますが、一方で、従業員の健康や広くプライベートな部分にも入り込んでいって、成功している企業も出てきているように感じます。
最近はまた、運動会やBBQなどのイベントを行う会社が増えてきているとか。
日本の会社の新しい動きの一つとして、紹介してみました。