仕事上であっても、プライベートであっても、人と接するときによく起こるのが、
「え? そんなこと言ってないのに」とか、
「私が言った(頼んだ)ことと違うでしょ」というトラブルです。
友達同士や、上下関係がほとんどない関係、もしくは自分の方が下の立場である場合は、謙虚に”あれ? 私の言いたいことが伝わらなかったかな?”と思えることであっても、
相手が後輩だったり、部下だったり、子どもだったりすると、
「なんでこんなこともできないの?」
と怒ってしまうこともありますよね?
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新入社員に指示を出す場合
たとえば職場に2週間前、新しい社員が入ってきました。
中途採用ですが、あなたより5歳ほど若い女性です。
まだ難しい仕事は任せられませんが、職場の雰囲気には慣れ、少しずつ仕事の流れは理解し始めているようです。
そんな彼女にあなた(先輩)が、
「さっきもらった資料、コピーして、A社資料って書かれたファイルに綴じておいて」
と頼んだとします。
彼女はささっと無駄なく動き、仕事を終え、「終わりました」とあなたに笑顔で報告してくれました。
しかし、あなたは資料の原本は自分にそのまま返してもらい、コピーをファイルに綴じておいてもらいたかったのに、彼女は原本に穴を開け、ファイルに綴じていました。
そんな状況で、あなたは何を思い、彼女には何と言うでしょうか?
伝えたいことが伝わらなかった場合、誰に非がある?
多分、心のなかでの第一声は「普通、ファイリングするのは原本じゃなくて、コピーでしょ」になるでしょう。
でも、それをそのまま口にしてしまうか、「はたっ」と立ち止まり、問題をもう少し深めて考えてみられるかで、”仕事ができる人”になるか、”仕事ができない人”になるかは決まります。
もし数日前にも彼女に同じ仕事を頼み、彼女が同じ間違いを犯していたのなら、「違ったでしょ」と厳しく言っていいでしょう。
でも、今回が初めての仕事なのでしたら、ファイリングするのが、原本なのかコピーなのか、あなたの指示だけでは分かりません。
もちろん、それを確かめずに、「(以前の会社ではそうだったし)ファイリングするのは原本に違いない」と信じ込んで、行動してしまったのなら、彼女にも非はあります。
でも、彼女に「も」あるだけで、正確な指示を出さなかったあなたに「も」非はあるのです。
伝えたい言葉は、相手に伝わって初めて意味がある
アウトプットが上司や先輩の期待に添わないものであった場合、考えられる原因は2つです。
1.上司や先輩の指示が正確ではなかった
2.頼まれた部下、後輩の能力が期待に達していなかった
そして、意外と「1」のケースが多いのです。
心理学のなかに、いい言葉があります。
「伝わったものだけが、コミュニケーションの成果」
言ったのに、どうして? と思ったとき、この言葉を頭においておくと、今までとちょっと違ったものの見方ができるようになるかもしれません。
自分が言ったつもりでも、相手に伝わっていなければ、それは言っていないのと同じなのです。
言葉は、相手に届いてこそ意味があるという意識を大切にしてみましょう。
[…] の言葉でしたが、言っている内容はとてもいいな、と感じました。 かなり前に、このブログでも「伝わったことだけがコミュニケーションの成果」という心理学の言葉を紹介しました。 […]
[…] 先日、「伝わったものだけがコミュニケーションの成果」という記事で、意図したことが相手に伝わらないのは、自分の選んだ言葉にも原因があるかもしれないということを書きました […]
[…] ◆伝わったものだけがコミュニケーションの成果 […]