昨日は「一歩ずつの過程を楽しむ」という記事で、やるべきことはこなせばこなすだけ、次から次から現れ、死んでも「やることリスト」はなくならないということを書きました。
だから、やるべきことを終わらせることをゴールにするのではなく、一つ一つの過程を楽しみましょう、と。
でも、やるべきことがたくさんある状態では、なかなか一つ一つを楽しめないでしょう。
そこで今日、提案するのは、「やるべきこと」自体を減らしてみようということです。
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「断捨離」すると価値観が明確になる
大分前から「断捨離」という言葉がはやっています。数か月前には「フランス人は10着しか服を持たない」という本がベストセラーにもなりました。
これは、「物を減らす」話ですが、物を減らせば、物を探す時間や整理する時間、保守する時間など、時間も減らせます。
また、いらないものを決めて捨てるという行動には、自分の価値観が反映されます。
逆にいえば、自分の価値観が明確になっていないと、物は捨てられません。
そういう意味で、物と向き合いながら、自分の価値観を見直し、固め、その固めた価値観で、時間の使い方を見直すというのも一つの方法です。
忙しく「時間がない」と言っている人は、基本的に片づけもあまりうまくないことが多いですので(忙しそうに働いている優秀な人は、「時間がない」とは多分、言いません……。凡人がただ「こんなに色々なことをやっていたら忙しいだろう」と思っているだけで、本人はしっかり時間をコントロールしています)、物から見直してみるというのもいい方法かと思います。
時間の使い道は価値観に合っている?
時間から「いらない行動」を見つけるためには、面倒に感じるとは思いますが、1週間、自分が何に時間を使ったのか、ざっくりでいいので書き留めていくことがお薦めです。
それを以前紹介したように、「緊急かつ重要」「緊急ではないけれど重要」「緊急だけれど重要ではない」「緊急でも重要でもない」という4つの枠に分けていけるといいですが、ただ大雑把にその時間を増やしたいか、減らしたいか、なくしたいか書くだけでも効果があります。
たとえば「テレビ 1日2時間」であっても、テレビから情報を得て仕事をしている人にとっては「増やしたい」かもしれませんし、ただぼんやり見るともなく見ているだけなら「減らしたい」時間になるかもしれません。
何にどう時間を使うか、それに正解はありません。
ただ、自分の価値観と時間の使い方が合っているか、合っていないかはあります。
本当に大事なものを大事にするために
数年前から、「ミニマリスト」という言葉も聞くようになってきました。
これは、「あれも、これも」と望んで手に入れようとする現代人の思考へ疑問を呈し、「人はもっと少ないもので、幸せに生きられるのでは?」と考える人のことです。
「忙しい、時間がない」という人ほど、どんどん新しい予定を詰めこんだり、新しいものをどんどん買ったりしがちです。
そして、「もっとあれが手に入ったら、もっとあれができたら幸せなのに」と、突っ走ります。
でも、一歩ずつの過程を楽しみ、人生が終わるとき、悔いが残らないのは、「もっと、もっと」と足し算で増やしていく人生より、本当に大事なものを大事にできるよう、それ以外のものを削っていく、引き算の生き方である気がします。