あの人はなんで?と思ったときに知っておきたいこと:本当に間違っている?

先日、「ストレスの原因は、出来事より「考え方」かも」の記事でも、「人は、自分の思考回路が「当然」だと思いがちですが、実はその考え方は正しくないのです」ということを書きました。

その記事では、「出来事→凝り固まった考え方→誤った感情」という流れが、あなたのストレスを作り出しているかもしれない、という話をしました。

この「凝り固まった考え方」が生み出した「誤った感情」は、人に向けられると、言い争いや、ギスギス感の原因にもなります。

今日は人との対立を生む「凝り固まった考え方」についてみていきましょう。

Contents

あなたの考え方は、「当たり前」ですか?

以前、台湾に旅行に行ったときの話です。

ホテルの朝食はバイキング形式だったので、私たちは先に上着とハンカチを空いている席に置いてから、料理を取りに行きました。

しかし、料理を持って席に戻ってみると、すでにお皿やジュース、大きな荷物が4,5個、置かれていました。
私たちの置いた上着やハンカチは、そのなかにひっそりと埋もれています。

「あの席、取っておいたのに」「あの上着とハンカチが見えないわけないのに」とちょっと腹を立てながらも、そこは“おとなしい日本人”。しかも中国語など欠片も話せない私たちはあきらめて、他の席を探しました。

改めて、上着とハンカチを取り戻しに先ほどの席に戻ってみると、中国人らしき母娘がそこに座っていました。
私は心の中だけで「ここ、取っていたのに……」と叫びながらも、「すみません」と小声でいい、彼女たちの料理にうずもれているハンカチを手に取りました。

すると、娘さんのほうが、
「あ、もしかしたらこの席、あなたが先に取っていたってことなのね」
というような感じの中国語を発し(中国語は欠片も分からないので、内容はただの推測です)、慌てて荷物と料理を持って、他の席に移って行きました。

そのとき、はっとしました。

私は「上着やハンカチを置いたということは、その席を確保したということに決まっている。それなのに、そのルールを守らないなんて、どういうことだ」と、腹を立てていました。

でも、そのルールは、私がそうだと信じているルールであって、世界共通、誰でもが知っていて、守っているルールではないのです。

あとで落ち着いて周りを見回してみると、日本人以外の宿泊客は、ほとんど先に料理をとり、それから席を見つけていました。

身近な人にほど同じ考え方を求めてしまいがち

海外に行ったり、自分とは違う世界(人種は同じでも、まったく違う仕事をしていたり、年代が違ったり)にいる人と出会うとき、人は「もしかしたら、私の考え方は、当たり前ではないかもしれない」と気づきます。

でも、同じ職場の人、さらには家族の人など身近な人に対しては、「同じ考え方で当然」と思いがちです。

そのため、たとえば会社なら、「FAXが届いているのに気づいたら、宛先の人に届けて当たり前なのに、あの人はやらない」とか、「会議の後は、一番勤務年数が短い人が白板をきれいにするべきなのに、あの人はやらずに帰ってしまう」とか、小さなことで苛立ちを募らせたりします。

もちろん、上記のことが会社でしっかり定められたルールで、入社時に全員に必ず研修で伝えられていることなのだったら、「そう習ったよね」と注意しなくてはいけません。

でも、そうでないのなら、もしかすると苛立っているのは、ただあなたがそうしなくてはいけない、と勝手に思い込んでいるだけのことなのかもしれません。

家庭ではさらに明文化されたルールなどないでしょうから、あいまいな部分が多く、だからこそ、「昨日は私がお風呂掃除をしたんだから、今日は夫がするべきだ」とか、「脱いだ服は洗濯機に入れるべきなのに、脱ぎっぱなしだ」とイライラしたりしてしまうのですね。

相手は自分とは違う人

でも、以前読んだ本にこんな言葉がありました。

「間違っている」と思うから、ギスギスする。
「間」を取って、ただ「違っている」と思えば、もっとうまくいく。

相手は自分とは違う人です。
人は自分の思い通りに動かなくて、ある意味当然です。

周りの人が自分の思い通りに動いてくれなかったときこそ、自分の考え方が本当に普遍的で“正しい”ことなのか見直してみるチャンスです。

「~べき」という固定観念が少ない人ほど、楽に、幸せに生きられます。

“この人は、なんで……?”と思ったときほど、幸せになれるチャンスと考えてみませんか?
みんなが自分と同じ人だったら、つまらないですよ。

 

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執筆者:遊部 香(あそべ かおり)

文章を書いたり、写真を撮ったりしています。

現在は、『凪~遊部香official site~』で主に活動中。

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