あえて「無目的」を大切にする:作曲家&大学教授 小松正史さん

先日、「第一歩は自分から」という記事を書きました。

そこで

「仕事がつまらないと思っているなら、新しくなにかおもしろいことを始められないか考えればいいのです」

とも書いたのですが、今日は、具体的に、自分から新しく好きな仕事を開拓している素敵な仕事人を紹介したいと思います。

本業は大学教授ですが、作曲家・ピアニストとしても活躍されている小松正史さんという方です。

(私は3枚目のCDを出された10年前からのファンで、私の部屋では大抵、小松さんの音楽が流れています)

 

ひとり音楽会社活動

小松さんは大学で、「音のフィールドワーク」を専門に研究・教育されています。

具体的にいうと、森林や川、町の色々なところに行ってその場所の音をサンプリングしたり、分析したりするような内容です。
(この研究内容については、「サウンドスケープのトビラ―音育・音学・音創のすすめ」などにまとめられています)

ですので「音」と無関係の仕事ではないのですが、13年前から、自身が作曲した曲をピアノ演奏し、CDの形にして流通させるということも行っています

始めはあくまで「趣味」のようなものだったそうです。

小松さん自身はこの活動を「ひとり音楽会社活動」と呼んでいますが、自身で作曲し、演奏し、編集し、パッケージなどの手配も行い、CDの形にし、宣伝活動も、発送作業も、店への卸もすべてご自身でされ、本当に「会社」のように動いています。

出版の世界では「自費出版」というのもありますが、基本的には、どこか出版社に原稿を提出し、お金を払うだけで、製本や流通まで実際にやる人はまずいないと思います。

音楽業界で「インディーズ」と言われる人のなかにも、小松さんほど一人で精力的に活動されている人はいないのではないでしょうか。

勝手にまず、その場所に合う音楽を作ってしまう

また、小松さんのピアノ曲は、「イージーリスニング」系の曲に近いのですが、正確には「アンビエント音楽」というもので、ある一つの場所にふさわしい音楽を作るというのが、本来のテーマです。

そして実際、小松さんは、色々な場所に行き、「ここに音楽をつけたい」と思うそうです。

で、思うと小松さんは、本当にそこに合う音楽を作りはじめます。
そして、「ここに合う音楽を作ってみたのですが」と相手(その場所のオーナー的存在の人)にアプローチするとか。

そうやって実際、京都タワー展望室や、愛媛県にあるプラネタリウム(久万高原天体観測館)に自身の音楽を流すことに成功されています。

両方の曲とも、CDにして”流通”させていますから、小松さんとしては「使ってもらえたら、ラッキーだし、使ってもらえなくても、CDに入れるだけ」という思いで作っているのでしょうが、非常に精力的で、おもしろい行動のしかただな、と思うのです。

※これで、小松さんがいかにも営業マンっぽいガツガツしたタイプの人だったら嫌なのですが、全然そんなことはなく、”柳に風”という言葉が思い浮かぶ、なんとも柔らかで、人にたとえ断られても気にならない、という感じの、ふんわりした人なので、それがまた面白いのです。

分かりやすい目的がない「無目的」も大事

小松さんは、先日、こう言われていました。

無目的、というのも大事。
無目的にやっている「好き」が、他の「好き」の一部とくっついていくかもしれない。

心が動いたらやってみる。
やってみないと、分からない。
やってみてダメだったら、違う方法を考えるだけ。

もともと、ただ好きで始めたCDの制作も「気づいたら13年」続き、その間に、私のようなファンも全国にでき、CDを取り扱ってくれる店舗も増え、そして、「音の研究」という「仕事」との接点も増えていったとか。

そして今は、「サウンドスケープ(音環境)」を大きなテーマに据え、そのなかの研究と、音環境の制作という形で活動されています。

CDや研究内容をまとめた本をきっかけに、新たな「音制作」の依頼も増えてきているそうです。
(最近では、ポーラ美術館の絵に音をつけるという仕事もされています。
http://www.polamuseum.or.jp/exhibition/20150401c01/)

結局、やってみないと自分でも分からないことってあると思います。
これに心惹かれるけれど、だからってやって何になるんだろう、ということ。
(私のこのブログも、そんな状況ですが……)

今の世の中は、「結果」がすぐに出ることが増え、だからこそ、すぐに結果が出ないことは意味がないこと、と考えがちです。

「そんなことして、何になるの?」という言葉が世の中に溢れている気がします。

でも、そんな今だからこそ、敢えて「無目的」を大事にするというのは、新しい可能性なのかもしれません。

ただ心惹かれるから、ただ好きだから、そうやって細くても長く続けていくことが、結果として、誰かの心に届き、誰かの役に立ったら、それはとても素敵なことだと思います。

★小松さんの音楽、お薦めです!
アマゾンや下記サイトで紹介されている店舗(京都市)で入手できます。
聴いて心地よいけれど、何か作業をするときに決して邪魔にならない、上手に脇役になれる音楽です。
→  小松正史さんの公式サイト

★後日、小松さんが教授をされている京都精華大学まで伺い、インタビューさせていただきました。その記事も是非、お読みください!
→ 大事なのは、自分がいいと思うことを、しつこいぐらいやり続けること:大学教授&作曲家 小松正史さん

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執筆者:遊部 香(あそべ かおり)

オフィス言の葉代表
ライター・小説家

東京出身・千葉県市川市在住
早稲田大学第一文学部卒

自分自身が多くの本やブログ、メルマガから「しあわせに生き、しあわせに働くヒント」をもらったように、自分もその知識と経験、文章力で、誰かの今日と未来を輝かせるためのお手伝いができたら嬉しいなと思っています。

★小説家としては「九州さが大衆文学賞」「坊っちゃん文学賞(佳作)」などの受賞歴、佐賀新聞連載・小説NON掲載などの実績があります。

★ライターとしては、社会保険労務士の知識を活かし、産経新聞や人事系雑誌に執筆、共著出版などの実績があります。

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