その場にいない人の悪口を聞いたとき、どうしますか?
たとえばAさんと昼休み、一緒にご飯を食べに行ったとき、
「Bさんって、いつも仕事を抱えてしまうし、単独行動が多くて、一緒に仕事、しづらいんだよね」
という話が出たとします。
そういうとき、あなたはAさんにまず、どんな言葉をかけますか?
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悪口に「同調」するのは慎重に
Aさんと自分が「同僚」という同じくらいの立ち位置にいた場合、特にやりやすいのが、
「そうだよね。分かる。Bさんと一緒に仕事するの、大変だよね」
と、相手に“同調”することです。
そうするとAさんはどう思うかというと、“同じことを考えている仲間を得た”と思います。そして、さらにBさんの悪口はエスカレートします。
「そうそう、このあいだなんて、私の担当案件の電話まで、自分で受けて、そのこと、全然教えてくれなかったんだよ。ひどくない? ありえないよね?」とか。
さらにあなたが「うん、そうだよね」などと言おうものなら、
「それに、Bさんって以前、●●電気に勤めていたそうだけど、大企業で働いていただけで、自分が優秀だとでも思っているのかしら」
と、だんだん話が膨らんでいきます。
つまり、あなたの軽はずみな「同調」は、Aさんの悪口に「火に油を注いだ」ということになるのです。
たとえあなたが特にBさんに対して不満を感じたりしていなくても。
そして、Aさんは「そうだよね」と同調したあなたの言葉を覚えていて、たとえばCさんにBさんの話をするときに、
「▲▲さん(あなたのこと)も、言っていたんだけど、Bさんって、一緒に仕事しづらいよね」
などと言うことになるのです。
人の悪口だけでなく、仕事に対する不満や文句を聞いた時も
これは、人の悪口を聞いたときだけの話ではありません。
たとえばAさんが、
「うちの部署、仕事がきつくない? なんかもう辞めたくなってきちゃった」
とこぼしたときに、
「うん、そうだよね。きついよね。私もしんどい」
などと同調すると、これまた火に油を注ぐ結果になります。
そうすると、ランチタイムは、どれほど今の部署がきついか、マイナス点を二人でひたすら挙げることに終始してしまうかもしれません。
それでAさんの気がすんで、「まぁ、気を取り直して、午後からまた頑張るしかないか」となればいいのですが、二人で沈み込んで、「本当に、仕事辞めようか」というムードになってしまったら、悲しい結末ですよね。
ある意味、「ミイラ取りがミイラになる」ということわざのような状態です。
人の悪口や不満を聞いたときにまず意識すべきこと
こういう場合、「問題を持っているのは誰?」ということに注意します。
Bさんの悪口を言うときも、自分の部署がきついと言うときも、はじめに問題を抱えているのは、Aさんです。
あなたでも、Bさんでも、部署の上長でもありません。
相手が悩みや問題を抱えていたとき、「これはこの人の問題であって、自分の問題ではない」とまず理解することが大切です。
そう言うと、相手を突き放したようで、冷たく思えるかもしれませんが、自分がミイラにならず、ミイラ化した相手を救い出すためには、重要なポイントです。
では、一番はじめの、Aさんから
「Bさんって、いつも仕事を抱えてしまうし、単独行動が多くて、一緒に仕事、しづらいんだよね」
と言われたところに戻って考えてみましょう。
この場合、「そうだよね」という以外に巻き込まれないためには、どういう返し方をしたらいいでしょう?
それは、
「Bさんって、仕事を抱えたり、単独行動が多いと感じるんだね?」
と、相手の想いをただ、代弁し、確認することです。
Aさんがもっと色々吐き出したいことを抱えているようなら、「たとえば、どんなことがあったの?」など、Aさん自身の経験を聞き出して、「そうか、そんなことがあったんだ」と気持ちを受容していってあげてもいいと思います。
これは、事実確認であって、同調ではありません。
そして、ただ自分が巻き込まれないようにする、というだけではなく、相手も救いたいと思うのなら、話を「解決」に向けて、進めていく必要があります。
その方法は、また次回書きますが…
まとめ:人の悪口を聞いたときの対処のポイント2つ
- 安易に同調すると、火に油を注ぐだけで、自分も一緒にミイラになってしまうので、気を付けましょう。
- 自分がミイラにならないためには、同調の言葉ではなく、“あなたはそう感じているんだね”という意味合いの言葉を使うようにしましょう。
参考になったら、幸いです。
この記事の続きは「ミイラを救う方法:人の悪口を聞いたときの上手な対処法(2)」に書いています。
[…] 昨日「ミイラ取りがミイラにならないように」という記事で、人の悪口に同調しているだけだと、自分まで巻き込まれるだけで、何の解決にもならないですよ、ということを書きました […]