前回の「フリーランスの妊娠・出産事情」でも少し書いたように、私は子供が6か月になるちょっと前の10月から、保育園に預けはじめました。
当時は家で完結する「書く」仕事にだけ復帰していたので、子供の昼寝時間や寝てからの時間を使えば、最悪、仕事が回らなくはなかったですし、急いで「完全復帰」を目指さなくてもいいのではないか、という思いもありました。
まだ5,6か月の子供を保育園に預けるとなると、「かわいそうなのでは……」という声が周りから聞こえてくるような気もしましたし。
でも、子供の昼寝時間や寝てからの時間を仕事に充ててしまうと、「自分の時間」が本当になくなってしまいます。
私はその状況に耐えられなかったのもあり、とりあえず預ける選択をしたのです。
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「かわいそうかも……」と思うのは、最初だけ
確かに、保育園という環境に慣れるまでは、子供は朝、泣きます。
まだ親と他人の区別もつかないような2,3か月くらいの子の場合、もしかしたら泣かないのかもしれませんが、6か月でも泣きました(うちの子は、5か月くらいから私の姿が見えなくなると泣くようになりました)。
ただ、「まだ小さいから、逆に楽かも」と保育園の人に言われたように、うちの子は、預けるときだけ少し泣いたものの、その後はすぐ泣き止んでいたようですし(2時間くらい試しで預けたときも、迎えに行ったときには、ケロッとして、普通に遊んでいました)、朝、預けるときに泣くのも、1週間くらいでなくなりました。
1歳過ぎてから預けようとすると、慣れるのにもう少し時間はかかるようですが、自分の子供を迎えに行ったときに他の子の様子を見ていても、多分、泣くのは朝だけで、昼ごろには落ち着いているものと思われます。
子供には案外適応力があります。
で、朝、預けるときに泣かなくなり、逆に先生に笑顔を見せるようになると、保育園に預けることを「かわいそう」などとは、まったく思わなくなります。
保育園に預けるメリット・デメリット
「4月には会社に復帰して、1日7時間・週5日働く約束になっている」などという立場の場合は、保育園に預けるメリット・デメリットなど、ほとんど考えないでしょう。
それより、ただ、家から近い認可保育園に入れるか、という現実的な問題をクリアにすることに集中するはずです。
そういう意味で、保育園に預けた方がいいか、預けるとしたら、どれくらいの時間・頻度がいいか……などと考えられるのは、ある意味、フリーランスの「贅沢な悩み」です。
でも、自由があれば、人間、迷います。
それで私は、どうせ自由があるなら、「いいとこどりをしよう」と、まずは1日5時間、週4日というある意味イレギュラーな形で子供を保育園に入れました。
(認可ではなく、東京都でいう認証のような「簡易保育園」という区分のところです)
1歳になる直前の4月からは、1日7時間、週4日にしています。
それで考える、保育園に預けるメリット・デメリットですが……
【メリット】
・子どもの昼寝中にするのとは全く違う、集中できる時間が手に入り、集中して仕事をするってなんて楽しいのだろう、と実感できた
(ついでに、昼ごはんも、自分のペースで食べられるし、仕事が込み合っていなければ、ちょっと外に食べに行くこともできるようになった)
・46時中一緒にいたときより、子供といる時間を楽しめるようになった
・子供が「社交性」を身に着けつつあるように思う
(休日、少し年上の子がいるような遊び場に連れて行っても、物おじしない)
・新たなことを色々覚えてくる
(まだ1歳ちょっとだけれど、音楽に合わせて手遊びをしたりしてくれているようで、自分が教えていない仕草をしはじめて、驚く)
・保育園には毎月様々なイベントがあり、子供にも刺激になっているよう
・保育園の先生から、「そろそろ●●した方がいい」というようなアドバイスをもらえるので、「ひよこクラブ」などに頼らなくても、なんとなく日々、子供が育っていく。
【デメリット】
・子供の「初めて」を見逃すこともある
(うちの子は最初の一歩を保育園でやってしまいました!)
・夜、寝るのが遅くなる
(みんなに当てはまるか分かりませんが、保育園で2時間半くらい昼寝してしまうので、21時過ぎまで寝なくなりました……)
・子供と一緒に習い事を楽しんだり(ベビースイミングとか)、子育て支援センターのようなところで、同じくらいの年の子を持つママたちと話をする機会が減る
・当然ですが……保育料がかかる
ざっと思いつくのは、こんなところでしょうか。
迷っていたとき、背中を押してくれた言葉
今は、私も子供を毎日預けることに慣れ、子供も保育園で日中過ごすことに慣れていますので、「なんで、保育園に預けることをかわいそうかも、なんて思ったんだろう」と考えるくらいですが、最初は私も迷いました。
そのとき背中を押してくれたのは、株式会社ワーク・ライフ・バランス代表小室淑恵さんの本のなかにあった言葉です。
ぜひ知っておいていただきたいのが、日本の専業主婦の歴史は、たった50年ほどだということです。それより前は農業が主流だったので、夫婦は共働きが当たり前。子どもたちは縁側に集められ、近所のおばあちゃんや小学生たちが面倒を見ていました。つまり、地域で子育てをしていたのです。その地域が、今の保育園になったと思えばわかりやすいのではないかと思いますし、異なる年齢の子どもたちと縁側や庭で泥んこになって一緒に育った世代が現在も一番元気なのです。
核家族化が進んだ現代では、専業主婦の子育ては孤立のリスクも高く、必ずしも理想的とはいえないのです。保育園を地域社会ととらえなおすことで、子どもが成長する上で大切なコミュニケーション能力を身に付ける場にできるのではないでしょうか。
小室さんの下記の本には、他にも「はっ」とする言葉が散りばめられています。
正社員の人の育休と復帰についての話なので、フリーの人間には当てはまらない部分もありましたが、それでも、読んでよかった本です。
※フリーランスの保育園事情(2)はこちら。
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