部下や後輩を育てなくてはいけない、子供を育てなくてはいけない、人間、「大人」になるということは、人を育てる側に回るということです。
でも、人を育てるというのは、経験してみると、思った以上に大変なことです。
それは、人を育てるためには、まだ未熟に見える相手の力を信頼して何かを任せ、「見守る」ことが大事だからです。
相手が未熟であればあるほど、任せることも、手や口を出さず「見守る」ことも難しいことだと感じるはずです。
今日は相手を信じて待つことについての名言をご紹介します。
相手の成長を待つ大切さ
私は、10年ほど塾の講師をしてきた経験があるのですが、その10年間で学んだのは、
「相手の成長を信じて待つ」ことの大切さでした。
たとえば、子供の成績は、講師が一生懸命に教え、子供がそれを家で頑張って復習しても、一朝一夕に伸びるものではありません。
そう分かっていながらも、成績が思うように上がらないと、「この子は実は家であまり頑張っていないんじゃないか?」などと、疑いの気持ちがわいてしまうこともあります。
今、部下や後輩、子供を育てている人も、「彼(彼女)は、本気で取り組んでいるのだろうか」「本気で成長しようと思って、努力しているのだろうか」などと疑いの気持ちを持ってしまうことがあるかもしれません。
今でも心に残っている言葉
でも、そんなときには、一番初めに勤めた塾(まだ大学生の頃のアルバイトです)の研修で聞いた言葉です。
「教えるというのは、色のついたコップに水を入れ続けるようなものです。
コップには色がついているので、外からはどれくらい水が入っているか分かりません。
でも、水を入れ続けていたら、いつかは必ずあふれます。
今、あふれなくても、水はコップの中にたまっています。
だから必ずあふれると信じて、水を入れ続けましょう」
人の成長は決して、X=Yのような、右肩上がりの分かりやすい直線にはならないと思います。
むしろ、下記のような曲線になることが多いと言われています。
初めの、なかなか成果が出ない段階では、相手の力や成長に疑いを抱いてしまうことがあるかもしれません。
もしかしたら、自分がなにか新しいことを始めたときにも、自分の力や成長を信じられなくなるかもしれません。
でも、そのコップは、もしかしたらあと1滴で溢れ出すかもしれません。
諦める前に、あと1滴入れてみませんか?